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解体した方がいい?しないほうがいい? 更地渡しについて掘り下げてみました。

かいたいコラム

 世間では断捨離ブームが続いています。使うことなく山積みになっているものを手放すことで気分もスペースもスッキリします。でも、そうはいかないもの、処分をなかなか決断できないものもあります。
 その一つに、ご両親から譲り受けた不動産もあるのでないでしょうか。まず、不動産となると、雑誌や衣類を処分するのとは事の大きさが違います。まさに一念発起して処分を考えている人もいらっしゃるはず。今回は、そのようなことでお悩みの方に向けて、家屋と土地の処分の方法のヒントとなる「更地渡し」についての情報をお伝えします。

「更地渡し」と「古家付き土地」について

 土地の売買を行おうとする際に、「更地渡し」や「古家付き土地」という言葉は聞いたり、目にしたりすると思います。
 まず更地とは、建物や構造物などが何も建っていない状態で、借地権はついておらず、購入後すぐにでも建物を建てられる状態の宅地をいいます。そして借地渡しとは、そういった土地の状態で、買手に土地を渡すことです。
 「古家付き土地」とは言葉通り、古い建物が建ったままの土地をいいます。ほとんどの場合、建っている家に価値はないとされ、売買に際しては土地のみの価格となります。このように古家付き土地として土地を売るか、住宅に価値があるものとして中古住宅として売るかの厳密な決まりはありません。一般的に、木造住宅では築20年以上となると、法定耐用年数を超え、建物の価値がなくなり古家とされることが多いです。

更地渡しのメリットとデメリット

 更地の状態であれば、土地を買う人にとっては購入後に建物を解体する必要はなく、建物を新たに建てようと思えばすぐにでも着工することができます。これは更地を購入する大きなメリットです。立場を変えて売る人にしてみれば、買手が見つかりやすいというメリットがあります。それ以外のメリット、そしてデメリットを説明します。

更地渡しのメリット

1. 買手が見つかりやすい。
 更地であるため、買う方がこれから建てる建築物の設計をイメージしやすく、すぐに着工できることから早く買手が見つかる傾向にあります。

2. 更地では建築物がないため、その責任は生じない。
 建物付きで土地を売却した場合、あとからその建物に傷や欠陥が見つかると、その補修などを売り手が行わなくてはなりません。でも、建物がない分、そういった売主の責任は軽減します。もちろん、すべての責任がゼロになるわけではなく、次に説明する地中埋設物などに対する責任は生じます。
 しかし、さまざまなリスクが考えられる古家がないことで、結果として売主の売却後のトラブルや責任負担の可能性がかなり低くなります。

3. 地中を含めた土地の状態がわかりやすく、売買に伴うリスクを低減できる。
 地面の中には、浄化槽やインフラの配管などのほか、持ち主でさえ知らなかったようなものが埋まっている場合があります。例えば昔建っていた家の瓦礫や産業廃棄物などです。
 現在のように産業廃棄物の処理に対する考え方がしっかりしていなかった時代は、敷地内の建造物を解体した際に出た廃棄物を敷地内にそのまま埋めたり、地中に設置されていた便槽や浄化槽などを適切に処理しないまま埋めてしまったりすることも稀にありました。
 そして、数十年経過した後、所有者が代わったり、代替わりしたりした際の建物の解体や建て替えに際して、そういった適切に処理されていないものなどが地中から発見されることがあります。土地を別の人に売った場合は、以前の土地所有者の責任において処理費用等は負担しなくてはなりません。
 こういったことは、売主が知らない場合も多くあります。しかし、建物を解体すると、その際に地中埋設物を発見して可能な限りそれらを取り除くことができます。それによって土地を売却した後のトラブルや負担のリスクを減らすことができるのです。

更地渡しのデメリット

1. 既存の建物を解体する費用がかかる。
 当然ですが、更地の状態にするために建物を解体撤去しなくてはなりません。建物の大きさや構造、そして倉庫や井戸があるなどといった敷地内の状態にもよりますが、少なくとも100万円前後の費用が必要になります。

2. 固定資産税が高くなる。
 建物がある場合と、ない場合とでは、固定資産税が大きく違ってきます。更地にすると固定資産税が、それ以前の額の2~3倍になってしまいます。そのため、更地にしてすぐに売れればいいのですが、売れない期間が長くなると固定資産税は高くなります。そのため、買主が決まってから解体して更地にするという手もあります。
 とくに中心地のような固定資産税の評価額が高い地域にある土地は、事前にしっかりと調べることが大切です。

古家付き土地として売却するメリットとデメリット

 古家付き住宅は、建物が建っている状態で土地を売却します。しかし、リフォームやリノベーションが注目されているなかで、買う方の気持ちによっては古家付きでもお買い得物件になります。もしかしたら建物の価値はゼロ同様といっても、何らかの活用を考えている場合もあるでしょう。
 これから古家付き土地の売買にまつわるメリット・デメリットについて説明します。

古家付き土地のメリット

1. 売主の解体費用がかからない。
 解体費用がかからないことで売主の負担を大きく減らすことができます。
 そして解体費用がかからない分、売却価格を下げて、買主が購入しやすくすることができます。その一方で、買主からは解体費用分の値引きを求められる可能性があります。
 これらの点は交渉力がものをいう部分です。信頼できる不動産業者や専門家などに相談するといいでしょう。私たちマトイでは、そういったご相談にも応じていますので、是非無料お見積りフォームよりお気軽にご相談ください。

2. 固定資産税が安くなる。
 建物が建っている状態では、固定資産税は「住宅用地の軽減措置特例」が適用されます。これによって固定資産税を敷地面積の200㎡までの部分は6分の1、200㎡超までの部分については3分の1にできます。そのため、ゆっくりと売却活動を進められます。

3. 買主が住宅ローンを利用できる。
 住宅ローンの融資対象となります。住宅ローンは金利が安いため、買主にとってはうれしいことです。しかし、家の設計が完了して施工会社と契約を結んだ段階からの利用になるので注意が必要です。

古家付き土地のデメリット

1. 買手が付きにくい場合がある。
 買主によっては、その建物に修理等を施して活用する方もいますが、逆に建っている建物があまりに古かったり、傷んでいたりすると、その印象から買手が付きにくいこともあります。さらに、買主が見つかるまでの間に天候をはじめとした何らかの影響で建物の一部が倒壊したり、塀が崩れたりすると持ち主の責任になるリスクがあります。

2. 契約不適合責任を問われる可能性がある。
 買主が見つかって購入後、例えばシロアリ被害や購入時には判明されていなかった被害や地中埋設物などが発見されたときに、その補修・修繕費用を求められたり、状況によっては契約を解除されたりすることがあります。契約時には、「建物について一切の担保責任を負わない」といった内容の「契約不適合責任免責」の一文を盛り込んでおくといいでしょう。

更地渡しor古家付き土地、それぞれの売却に適した状態と注意点

 家屋や土地を手放そうとするとき、更地にして渡すべきか、そのまま古家付きで渡すべきか迷うことと思います。どちらを選択するかは、売主と買主の双方の事情が大きく関係してきます。しかし、まずは家屋の状態が大きな判断基準となります。

更地渡しが適している状態

1. 建物が古すぎる。
 “古すぎる”という表現はとてもあいまいで、具体的に築〇年以上ということはできません。あえてどのくらいかをいえば、「人が住めないほどの古さ」といえます。
 とくに何年も空き家になっていた家は、柱や建材が腐り、瓦や窓ガラスが割れていたり、畳はぐちゃぐちゃになっていたりします。その状態を住める状態にリフォームするにはかなりの費用がかかり、買手にしてみれば家屋はもちろん、その土地に対しても悪印象を抱きがちになります。

2. 建物の耐震性が低い。
 昭和56年末までに建築された家は、耐震基準を満たしていないものが多く見られます。新耐震基準を満たしていないと住宅ローン減税を受けられず、改修工事を行うよりも、解体を考えた方がいいかもしれません。

更地渡しを行う際の注意点

1. 契約内容にある売主の責任と負担についての記載をしっかり確認する。
 売買契約書には「売主の責任と負担のもとで解体すること」「解体する物件の抹消登記に関する取り決め」「土地の瑕疵担保責任は追わない」といった内容について書かれているか、また間違いはないかをしっかり確認しましょう。

2. 「ローン特約の解除期限」の設定を決めておく。
 ローン特約とは、買主の住宅ローンの申請が承認されない場合に、売買契約を白紙として、売主は買い主から受け取った手付金を返金する仕組みです。
 買主は住宅ローンの融資を受けることが多いので、その場合、これについても決めておきましょう。

3. 解体工事着工は買主の融資が承認されてからに。
 買主に金融機関の融資の承諾が下りなかったり、ローン特約の期限内を過ぎたりすると売買契約は解除されます。そのため、解体工事の着工は融資承認されてからにしましょう。

4. 円満な引き渡しのために、近隣との関係も円満に。
 近隣トラブルで解体工事が遅れ、引き渡し日に間に合わなくなると、法的なトラブルに発展することがあります。また、違約金の発生や契約解除となる可能性もあります。そうした事態を避けるためにも、工事に際しては近隣の方々への挨拶や配慮をしっかり行って、円満に終えることが重要です。

5. 固定資産税を清算するタイミングに注意。
 固定資産税はその年の1月1日時点での所有者に課税されるものですが、更地になると固定資産税は高くなります。そのため、年をまたぐ場合には、解体工事や決済、引き渡し日についてよく検討し、相談する必要があります。

6. 解約手付金と違約金の取り決めに注意。
 この2つの言葉は似ていますが、意味が異なります。契約に際しては、十分に理解しておきましょう。
 解約手付金とは、買主から売主に支払う手付金の1つです。売主や買主が契約履行に着手するまでの間に契約を解除する際、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を返すことで契約を解除できます。
 更地渡しでは、売主が解体工事に着手した時点で契約が履行されたことになり、契約解除はできなくなります。その後に解除するには違約金が発生します。

7. 解体工事中は地中埋設物の存在に注意。
 今のように産業廃棄物の処理について規制がしっかりしていなかった以前は、廃棄物を地中に埋めていたことがありました。解体工事をしていると、その残骸が出てくることがあります。これらを残したままにしておくと、後からトラブルの原因になりかねません。解体工事をきっかけに、地中埋設物の有無をしっかり確認し、できれば取り除くといいでしょう。

古家付き土地で渡すのが適している状態

1. 建物に価値がある。
 現在、古いものに価値や味わいを感じて、古い家をリノベーションして暮らすことを望む若い人たちが増えています。いわゆる「古民家」と呼ばれるような、伝統的な日本家屋や、古くても雰囲気のよい家などは、古家付き土地として売却できます。

2. 建築基準法などの関係で、建て替えが不可能な土地。
 建築基準法の改正で建て替えが不可能な土地や、市街化調整区域に指定された土地は新たに家を建築することが難しくなります。

3. 土地査定価格より解体費用の方が高い。
 不動産会社の査定価格より、解体費用の見積額が高くなってしまう場合は解体しないほうがいいでしょう。

古家付き土地で渡す際の注意点

1. 「古家付き土地、更地渡しも可」で売り出す。
 安く土地を買って家を新築したい人、住むための土地付きの家を探している人、この二種類の考え方の人が対象となって買手希望の幅が広がります。なお、その際、更地にするために必要な費用も事前に把握しておきましょう。

2. リフォーム代金を把握しておく。
 リフォームやリノベーションを考えている人向けに、工事費用や工事期間などの概算を調べておきましょう。

更地渡しで土地を売買する際の流れ

 更地渡しで土地の売買が決まった場合、次のような流れで手続きを進めていきます。

1. 売買契約の締結 更地渡しでは、建物の解体に関する責任や負担は売主側が持ちます。そのため、契約書には「売り主の責任と負担のもとで解体する」「解体する建物の抹消登録に関する取り決め」「土地の瑕疵担保責任」について契約書に加筆し、売主と買い主の双方で内容を確認して売買契約を締結しましょう。
2. 建物の解体工事 契約を結んだら、解体工事に着手します。もし、買主が住宅ローンを利用するのであれば、融資の承認が下りたことを確認できてから着工します。工事は業者に任せますが、近隣の方への挨拶は忘れずに行いましょう。具体的な方法は業者と話し合って決めます。なお、測量を行う場合は、必ず同行してください。
3. 引き渡し 解体工事の終了後、買主から手付金などを除いた代金の残額を受け取ります。それで引き渡し終了となります。なお、売主は引き渡したら、解体後1か月以内に、建物滅失登記を忘れずに行いましょう。

まとめ

 土地の売買を行う際、更地渡しにするべきか、そのまま家付きで売買するべきか、悩むところです。これまでに記してきたように、その判断は建物の状態や物件がある土地が、建築基準法や市街化調整区域などどのような土地柄なのかによっても異なってきます。また、昨今問題になっている空き家状態で、倒壊などの危険性をはらんでいるかも大きな判断材料になります。倒壊などのリスクがあれば、解体して更地にした方が安全であり、所有者にとっても安心です。
 判断材料がたくさんあり悩んでしまう・・。そんなときは経験者や専門家、専門業者に意見を求めることも必要です。当社では、解体はもちろん、それにまつわる不動産処理や法的な専門家との連携で、いつでも皆様のご相談におうじています。
 是非、お声をかけてください。一緒にベストな方法を考えさせていただきます。

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