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解体工事で追加費用を発生させないためにできること

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 何事にも「想定外のこと」は起こりえます。解体工事の想定外の1つに追加工事があります。もし追加工事が発生すると内容によっては工事期間が延長され、それに伴って追加費用も発生します。
 そもそも人生において何回も経験することではない解体工事。しかもかかる費用は高額になるため、施主様は十分に検討して計画します。追加工事の発生によって期間も延びて工事費用も高くなってしまう。施主様の負担も増えて、「どうしよう」と頭を抱えることになりかねません。
 今回は、この追加工事による追加費用について取り上げてみます。 

解体工事の各場面で発生する可能性がある追加費用とは?

 追加工事および追加費用は、解体工事が始まって間もない段階で表れがちなもの、工事が進行して基礎部分の解体工事で表れがちなもの、工事期間中を通して近隣の家や周辺を行き交う人との間で起こりうるもの、などがあります。

解体工事の初期場面で

 解体工事が始まって間もない、初期段階で追加工事・追加費用が発生するものには、養生やアスベスト含有建材の除去、残置物処分などが挙げられます。
 実はこの段階で発生するこれらの追加工事・追加費用は、事前の現地調査やアスベストの事前調査、施主様との話し合い等で避けられる割合が高いものです。

養生の追加・変更

 養生は解体工事によって発生する粉塵や騒音などから近隣の家や住民、工事現場周辺を通行する人たちを守るために行います。
 養生について追加費用が発生するケースには、次のようなことが考えられます。
 養生を行っていても近隣の住民から騒音のクレームが届くことがあります。この場合、既存の養生では養生シートの選択が不適切、もしくは養生が十分でないことが原因とみられます。そのため、使っていた養生シートが一般的なものでしたら防音性の高いシートに交換する、養生シートを追加して二重にして使う、といった対応を行います。
 また、養生シートが大風や大雪、台風などによって破損した場合は、新たなシートに交換する必要があります。その場合、補充するシートを追加費用とする場合があります。
 このように、追加費用の発生はやむを得ないのですが、なかには事前の現場環境の確認や現場の環境に合った養生シートの選択、使用前に養生シートの傷み具合や破損を確認しておく、といった業者の対応で、追加費用の発生率を下げられます。

アスベスト含有建材使用の判明・除去

 現在は使用されなくなったアスベストですが、2006(平成18)年以前に建てられた建物には、アスベストを含んだ建材が使用されていました。
 アスベストは私たちの健康に支障を与えることから、解体や改築工事の際にはアスベスト含有建材が使用されているか否かを事前に調査すること、その調査結果を工事開始の14日前までに報告することが義務付けられています、
 また、アスベストが使用されている場合は、そのアスベストの状態に応じた方法で正しくアスベスト除去作業を行わなくてはいけません。
 このことから、しっかりと事前調査を行い、その結果を見積り書に反映していれば、アスベスト除去作業のための追加請求が発生する確率は低いといえます。ただ、事前調査では把握しきれない部分に使われているアスベストは分かりにくく、その場合は発見された段階で追加工事・追加費用が発生します。これについても、事前調査やアスベスト除去に関する説明とともに業者から話されていれば施主様が慌てることはありません。

 アスベストの除去作業やその費用などについては、こちらのコラムでも説明していますので、お読みください。

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アスベストレベルの違いは? 危険度や手続きなど

残置物の処分

 残地物は、基本的に施主様側で処分することが全体費用を抑えるためのポイントでもあります。しかし、施主様のご都合等によってはそれができないことがあります。その場合、業者が見積りを取ったうえで残置物を処分します。
 ところが、あとから見積り以上の量の残置物が出てくることがあります。その分は追加費用として請求されることになります。

 残置物は施主様にとって解体工事前から準備が必要なもので、その経済的負担や精神的負担は少なくありません。マトイでは解体工事に伴う不用品の処分や廃棄などのご相談にも乗らせていただいています。どうぞ、お気軽に相談なさってください。
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基礎の解体工事場面で見つかる地中埋設物は対処がどうしても必要

 解体工事が進んでいくなかで発生する追加工事・追加費用として主なものは地中埋設物です。
 地中埋設物が発見されると、私たち業者は施主様に報告し、対処方法の提案と相談をします。そのとき、施主様のなかには「対処しないで済むならば……」と埋設物の撤去工事を躊躇なさる方がいます。
 しかし、地中埋設物をそのままにしておくと次に建物を建てる際の基礎工事に影響を与えたり、土地売却時にトラブルを引き起こしたりします。そのため、地中埋設物についてはどうしても適切に対処することが重要です。

 なお、こちらのコラムでは地中埋設物の対処法と費用などについて、少し詳しく説明しています。こちらのコラムも参考になさってください。

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解体工事中に地中埋設物が! その対処方法と追加費用について

建築廃材の発見

 地中埋設物として見られる建築廃材には、コンクリート片、木片、瓦礫、瓦、砂利、鉄筋などがあります。これらは解体中の建物に使われていたものではなく、それ以前に建てられていた建築物の建築廃材の可能性が高いといえます。
 そうなると施主様としては、自分の知らない代の廃材に対して支払いをすることに釈然としないでしょう。しかし、その後の土地活用に向けては必要なことになります。

古い基礎や杭の発見

 建築廃材と同様に、以前あった建物の基礎や杭がそのまま地中に残っていた、ということもあります。また、建て替え、増築や減築などのリフォームを過去に行っているような場合には、その際のものである可能性もあります。
 その時の設計図や施主様の記憶にあれば、現地調査や見積り段階で確認したり、その存在の可能性を組み入れたりして見積もれます。しかし、設計図や施主様の記憶になく、業者に知らされていない場合は、工事が始まってから発見されるので追加費用となります。

浄化槽や古井戸の発見

 浄化槽はそのまま埋められている場合があります。また、井戸は解体されていないまま残っていれば、存在が分かって見積りに入れることができます。しかし、すでに埋め戻されていると、現地調査をしてもその存在に気が付けません。また、地中に埋められた井戸が、埋め戻しが不十分な状態である場合もあります。そのときは、あらためて埋め戻し作業が必要となります。

 解体工事現場のなかには埋設物として以外に、使わなくなった古い井戸が敷地内にそのままになっていることがあります。その場合、撤去を希望される施主様も多くいらっしゃいます。古井戸の撤去については、こちらのコラムをご覧ください。

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使わない井戸。埋める? 壊す? どんな方法で処理できる? そして費用は?

岩や石を発見

 地中埋設物として岩や石が出てくることもあります。これらは小さなものならば、そのままにしておきます。しかし、なかには大きな岩や石の場合があり、そのときには撤去が必要となり追加費用を請求されます。

工事の全工程を通した近隣住民や通行人との場面で

 解体工事の着工から終了までを通して、追加費用が発生しうる可能性があるのは、近隣の方々や工事現場付近を通行する方々とで起こるトラブルに関するものです。このようなトラブルが起こると、次のようなことで追加費用がかかる可能性があります。

対応のための工事中断によって生じた日程延期の費用

 近隣の方々とのトラブルでは、工事による騒音や振動が原因の場合が多くあります。
 そのため、クレームが起こると工事を一時中断してクレーム対応にあたります。
 工事が中断となると、その分、工期は延長し、人件費などが多くかかることになります。この追加費用は事情によっては解体業者が負担する場合がありますが、施主様が負担しなくてはならない場合もあります。

損害賠償による費用

 近隣の方々や通行人とのトラブルでは、隣家の外壁を破損したり、通行人にけがを負わせてしまったりすることが稀にあります。その責任は業者にあるため、施主様にも報告するとともに業者は速やかにその対処にあたります。
 しかし、ときには損害賠償請求等に発展することがあります。その際も、基本的には解体業者が保険等を使って支払いをします。が、なかには賠償保険に加入していない業者がいます。その場合は、施主様に経済的な面で何らかの影響が及ぶ場合があります。そうならないためには、業者選びの段階で賠償保険に加入しているかどうかを確認し、しっかりと保険加入している業者を選ぶ必要があります。

対応の円滑化のための費用

 近隣の方々や通行人とのトラブル対応は、基本的には業者が行います。しかし、工事前からの近隣の方々とのお付き合い、そして解体工事後の良好な関係を保つために、施主様からも挨拶をしておくといい場合があります。

 近隣の方々や通行人とのトラブルでは、トラブル発生時の対応も大切ですが、それ以前の近隣の方々と施主様や業者との関係性も大きく影響しています。この関係性を良い状態に整えるポイントが工事着工前の「挨拶回り」です。これによって現場周辺で暮らす人々の工事への理解と協力を得られるため、トラブルが起こっても、それがより大きくなる可能性を低く抑えます。挨拶回りは、こちらのコラムもご覧ください。

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解体工事とその後の生活をスムーズにする“挨拶回り”

追加費用を請求されたらどうする?

 このように解体工事では、追加費用が発生する可能性があります。しかし、ケースによって追加費用を施主様が支払う場合と、支払う必要がない場合があります。

支払うべきケース

 基本的に、事前に予測できないような問題が発生したものは施主様にお支払いいただくようになります。
 「予測できないもの」としては、次のような例が挙げられます。

*地中埋設物が発見された、
*壁や屋根のなかなどの見えない部分にアスベストが使われていた、
*一般的な木造家屋で布基礎と思っていたところ、解体を進めていったら一面にコンクリートが埋められているベタ基礎だった、
*建物内の残置物が打ち合わせた以上に多く残っていた、など。

 これらは事前に現地調査を行っても調べきれないもので、ほとんどが解体を進めていく中で初めて発見されるものです。

支払う必要がないケース

 例えば、建物面積の計算間違いなどで追加費用が発生するようなことがあります。こうした明らかに業者のミスによるものは支払いの必要はありません。
 しかし、同じような計算ミスで、逆に面積を広く計算して見積り費用が多くなってしまった、というようなことも考えられます。

追加費用のトラブルを防ぐ事前対策!

 いずれにしても追加費用は防ぎたいものです。マトイでは、地中から何らかのものが見つかった場合は、すぐに施主様に報告し、対策の提案、追加費用の見積りなどを行っています。それは解体業者として誠意ある仕事の形だと考えます。是非、業者を選ぶときは追加工事や追加費用についての説明を事前にきちんと行う業者を選んでください、それがトラブル回避の大前提です。
 そのうえで、追加費用の発生を防ぐために、事前に行っておくべき対策について説明します。

見積り前の現地調査を可能な限り実施してもらう

 まず、現地調査はできるだけ行ってもらいましょう。業者が事前に現場を見ることで、周辺環境や建物の築年数に応じた変化や特徴、劣化の程度などを確認できて、より実際に近い見積り額を出すことができます。
 さらに、建物の図面をはじめとした物件資料などがあれば事前に業者に提供してください。現地調査ではわからない基礎や屋根裏の状態や使用している建材などを予測することができます。それによって、見積りの制度が高くなるとともに、追加費用としてどのようなものが発生するであろうかの予測と提案ができるようになります。
 しかし、施主様のなかには解体する物件が遠方でご自宅から離れている、ご多忙で資料等の提供や現地調査の立ち合いなどで十分な情報提供ができにくい、という方もいらっしゃることでしょう。その場合、私たちマトイでは、無理に施主様に立ち合いをお願いすることはしていません。現地調査でも立ち入り可能な範囲から調査を行って、建築時期など施主様が把握していらっしゃる家屋の情報を併せて見積りを提出させていただいています。

追加費用が発生するケースや条件を見積り段階で確認する

 現地調査に関する連絡のやり取りや、見積りの段階で、業者に追加工事や追加費用が発生するケース、その場合の追加費用の相場などを確認しておきましょう。
 この確認を進める際、できれば「地中埋設物が見つかった場合は追加料金が発生する」「瓦礫等であれば1mについて追加となる作業費は〇万円」「浄化槽であれば〇万円」というようにできるだけ具体的に確認することがいいでしょう。

見積りは作業項目ごとに金額を明記してもらう

 見積り書の記載内容があいまいな場合は注意が必要です。
 その例として「〇〇一式△△万円」といった記載があります。このような場合は、施主様と業者の間で、認識の違いが発生してトラブルにつながりかねません。施主様が考えると「その作業はこの中に入っているでしょ」と思っていたものが、追加費用として請求されて慌てるようなことにつながります。
 そういったことを防ぐためにも、「項目」「内訳」「数量」「単価」「金額」等がきちんと記載されていることを確認しましょう。記載がない場合は確認してみましょう。

 見積り書は標準化されていないため、業者によって書式は異なり、項目や内訳の表記にも違いがみられます。そのため相見積りを行う際、戸惑うかもしれません。こちらのコラムでは、解体工事の見積り書やそこに記載される項目・内訳等について説明していますので、ご覧ください。

解体工事で追加費用を発生させないためにできること

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解体見積り書の見方と注意点について

追加費用が発生しそうな場合の手順を事前に文書に明記する

 追加費用が発生しそうな事態が起こった場合の対応の流れを、しっかり打ち合わせておきましょう。なかには、追加工事が必要な状況が起こった際、自分たちの判断で対応を進めて追加費用を請求するような業者がいます。これでは施主様は納得できないと思います。
 追加費用が発生するような事態が起きた場合、その対応としては必ず事前に施主様に事態の報告と相談を行い、施主様の了承を得たうえで必要な処理を行うように取り決めておくことが必要です。また、これらの対応を文書で残しておくことも必要です。それによって単なる口約束ではなく、双方が合意した証拠となります。

まとめ

 今回は追加工事・追加費用を取り上げました。これらが発生すると、費用の支払いのために施主様の経済面での計画が大きく変わってしまうことになります。それは施主様の負担を大きくします。
 この負担を大きくするか、少なくするかは、業者から事前に説明があったか否かによります。追加工事が発生しなくても、追加費用についての事前説明があることで、施主様はその分を含めて予算計画をすることで混乱が少なくなります。
 マトイでは追加工事や追加費用については、必ず事前に説明をしています、それは「もし自分が施主様の立場ならば…」ということを考えているからです。同様に考えて事前に説明し、施主様に報告や連絡を密にとっている業者は、誠意ある仕事をしているといえるでしょう。施主様となりうる皆様には、是非、こういったスタンスの業者を選んでいただきたいと思います。
 その一歩として、どうぞお気軽にマトイの無料ご相談・無料見積りをご利用ください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
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