解体工事で行う事前調査とは? その実施基準は?
かいたいコラム 家の解体工事を行う際にはいろいろ心配なことがあるでしょう。その1つが隣家を含めた近隣の方々とのトラブルです。
今回はそういった不安の解消やリスク回避のために役立つ「事前調査」について説明します。
解体工事で事前に行う調査とは
建物の解体工事を行う際、事前に行うことのなかに次に挙げる2つの調査があります。これらは一定の基準に沿って行われます。
家屋を解体する場合には、工事前にいくつかの手続きとともに今回のテーマとなっている事前調査があります。しかし、それらの多くは解体業者の担当者を介して進められるものがほとんどです。
もちろん施主様として知っておくべきことや、やるべきことはありますが、担当者がしっかりサポートしますので、ご安心ください。
なお、家屋の解体工事をご検討中でのご相談は、マトイの無料お見積り、無料ご相談をご利用ください。
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家屋調査
解体工事や建築工事などで近隣の家屋や建造物に何らかの影響が考えられる場合、工事着工前にそれらの現状を調査します。解体工事等による影響やそれによる損傷の有無を知るために、事前調査として行います。
また、固定資産税額を算出する際に行う家屋調査もありますが、今回のコラムでは解体工事の際に行う家屋調査について説明を進めます。
アスベスト調査
解体する建物にアスベストを含有する建材が使われているか否か、使われていた場合、適切な除去作業を行うためにその程度を調べるものです。これは床面積80㎡以上の建造物の解体工事において調査の実施と結果報告が義務づけられています。
解体工事ではさまざまな届け出が必要になります。それらについて、こちらのコラムで説明していますので、どうぞお読みください。
安全と納得いく解体工事のための家屋調査
まず家屋調査が具体的にどのようなものなのか、もう少し詳しく説明します。
家屋調査の目的と調査内容
【家屋調査の目的】
すでに説明したとおり、家屋調査の目的は工事によって現場周辺の家屋や建造物になんらかの影響を与えたか否かを判断することです。
工事が終了してから「振動でここにひびが入ってしまった」とか、「家のなかの扉が閉まらなくなった」といった苦情を受けたとしても、工事前と工事後の状態の変化を客観的に示すものがないと適切な対処が難しいですよね。
解体工事着工前に周辺家屋等に行う家屋調査は、そういった際の確認材料となります。
【家屋調査の内容】
調査は主に次の項目に関して行います。
・調査家屋の全景を確認。
・壁や天井の亀裂、隙間、破損、漏水跡の確認。
・タイル部分の亀裂、目地などのつなぎ目の状態の確認。
・窓や扉などの立て付け状況の確認。
・柱や床などの傾斜測定。
・基礎や土間部分の状況確認。
・塀、擁壁、門扉といった外構の損傷の有無の確認と傾斜測定。
・土間部分の亀裂や隙間の確認。
・その他の工事前の家屋の状態確認。
家屋調査実施の基準
調査の対象は「現場周辺の建物」と記しました。もう少し具体的に家屋調査の対象となる基準を挙げると次のようになります。
・解体工事の現場となる建物とその建物との距離が近い。
工事現場となる建物と接する建物との距離が近いということは、調査対象となる大きな条件です。距離が近く隣接していると、工事車両の通行時や工事の作業等によって誤って隣接する建物を傷つけてしまう可能性があります。
・解体する建物がマンションやビルなどのように頑丈で大きな建物。
家屋調査の実施は解体する建物の規模にも関係してきます。
例えば、解体する建物と隣家の距離がじゅうぶんにあったとしても、解体する建物が鉄筋コンクリート造などの頑丈かつ大型の建物であれば、その分、工事の影響も大きなものになります。
それだけにひび割れや家屋の傾きなどを確認するために家屋調査が行われます。
・長屋の切り離し工事。
長屋とは、2つ以上の住戸が連なった建物で、各住戸は壁で仕切られていてそれぞれに玄関があります。アパートなどの共同住宅と異なる点は、「共用する部分がない」点です。それぞれの玄関スペースから表に出たら公道になるわけです。
こういった建物で、稀にその一部を切り離す解体工事が行われることがあります。その際に、残しておく部分に異変がないかを確認するために家屋調査を行います。
・工事業者から家屋調査を提案された場合。
家屋調査は解体業者から提案される場合が一般的です。もちろん、解体工事の現場周辺に住む住民から「調査をしてほしい」と要望が出る場合もあります。
実施については「家屋調査のメリット」と「家屋調査にかかる費用」を考慮して判断することになります。
家屋調査の流れ
家屋調査から解体工事を着工するまでの流れについて説明します。
依頼者と調査する人
家屋調査は、工事現場の周辺環境等を確認した解体業者による提案による場合と、解体する建物の周辺家屋の住人の要望を受けて依頼に至る場合があります。
ただし家屋調査には費用が発生します。前者の場合は施主様が負担しますが、近隣住人からの申し出による場合には、住民の申し出の理由、家屋調査を行う基準、費用の負担はどちらがするかなどの点について話し合う必要があります。
なお、家屋調査は第三者となる民間調査会社やコンサルタント会社等から作業員が2人1組となって派遣されて行います。これに解体業者が加わることがありません。
家屋調査を行うには、調査業会社の選択、調査希望を申し出てきた住人および調査対象となる家屋の住民との説明や連絡調整等が必要になってきます。
これらのすべてを施主様が行うことは難しく、大変です。マトイでは、家屋調査を実施する業者の選択や依頼、調査を希望する住民や調査を実施する家屋の住民への説明等の対応を営業担当者が行います。
もちろん施主様と報告・連絡を取りながら行いますが、施主様のご負担を極力少なくするようにお手伝いしますので、安心してお任せください。
解体工事をご検討中の方、周辺住民の方々とのトラブル回避を検討中の方などは、お気軽にマトイにお声掛けください。
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家屋調査から解体工事着工までの流れ
家屋調査から解体工事着工までには、「家屋調査の依頼と計画」「家屋調査の実施」「調査結果の報告」「施工計画の検討と申請」「住民への説明」「工事の準備と着工」といった段階を経ます。
【家屋調査の依頼と計画】
・解体業者から家屋調査の提案や周辺住民からの要望を受ける。
・調査費用等を確認して施主の調査承諾を受けて調査会社に家屋調査を依頼。
・前調査として解体現場周辺の家屋や建物の状況を確認。これによって家屋調査の範囲や方法を決定。
【家屋調査の実施】
・解体業者もしくは調査会社から調査対象となる家の住民に家屋調査の説明。
・住人の同意を得たら調査会社職員から調査対象の住人に連絡し、調査日を決定。
・家屋調査の実施。所定の点検箇所や工事による影響が出そうな箇所をチェックし、写真撮影。
【調査結果の報告】
・調査結果を施主、そして必要に応じて住人に報告。
・施主と解体業者で共有した調査結果はトラブル発生時の参考資料とする。
【施工計画の検討と申請】
・調査結果を基に解体工事計画を調整。
・解体工事着工に向けて、必要な許可を申請。
【現場周辺への住民に対する説明】
・現場周辺で暮らす住民への挨拶回りの際に、工事の内容やスケジュール等を説明し、工事への協力を依頼。
【工事の事前準備、そして着工】
・工事着工に向けてフェンスや足場の設置、必要な資材や重機を搬入。
・解体工事着工。
これらはいずれも解体工事着工前に行います。なお、こちらのコラムでは解体工事の基本的な流れや関連事項についても説明していますので、どうぞご覧ください。
家屋調査の費用
家屋調査の費用は調査を行う建物の規模によっても異なりますが、木造家屋の場合は30,000円/軒~を考えておくといいでしょう。
ここで気になるのは、誰が支払うのか?、という点です。一般的に支払うのは、解体工事を行う施主の立場の人になります。ただし何件分の家屋調査を依頼するかによって最終的な費用は変わってきます。
その場合の判断基準として、「解体現場から30mの範囲内」があります。これは、東京都建設局監修の「工事に伴う環境調査標準仕様書及び環境調査要領」に記載されている基準です。
もちろん、家屋調査は必須のものではありません。現場の周辺環境や解体工事の規模、調査することのメリット、費用などを総合的に検討して判断するといいでしょう。
家屋調査の留意点
・家屋調査に要する時間はおよそ1時間程度。
・調査時には調査を受ける家屋の住人が立ち会う。
・住人として「見られたくない」「立ち入ってほしくない」というような箇所は断ることができる。しかし、点検をしていない部分に工事後、なんらかの支障が発生した場合、損害賠償を受けられない可能性があるので、その点を事前に説明しておくことが必要。
こちらのコラムでも家屋調査を取り上げています。併せて参考になさってください。
アスベスト調査
解体工事の際に行う事前調査となるもう1つは、アスベスト事前調査があります。
かつては建築や工業等で多用されていたアスベストは健康被害があることがわかって、現在は使用を禁止されています。しかし、既存の建物のなかにはアスベストを含有した建材等があり、それに対して実施する調査です。
アスベスト事前調査の目的と調査内容
アスベストには健康被害があることがわかってから段階的に使用が禁止されてきて、現在では全面的に使用が禁止されています。
しかし、既存の建物のなかにはアスベスト含有建材が使われているものが存在するため、解体工事や改修工事の際にはアスベストやアスベストの使用の有無を調べることが義務付けられています。
なお事前調査によって既存の建物にアスベストやアスベスト含有建材の使用状況などが判定されたら、そのレベルに応じて適切な対策を取りながらアスベスト含有建材等を除去することになります。
アスベストは発塵性(飛散する程度)によって、レベルが1から3に分類されます。発塵性が著しく高いレベル1から比較的低いレベル3で、それぞれに対策や届け出が異なります。それらについて、こちらのコラムで取り上げていますので、参考にしてください。
アスベスト調査の基準
アスベストの事前調査の実施は、建造物の解体・改修工事を行う際には行います。この場合、解体・改修する建造物の大小の規模に関係なく行うことが義務付けられています。
アスベスト事前調査の流れ
事前調査の大まかな流れは、次のようになります。
・業者から解体工事計画とともにアスベスト事前調査を含めたスケジュールの報告。
・施主から業者へ調査に必要な情報の提供。
・一次調査:建物設計図などの書類や施主等の関係者のヒアリング等による調査。
・二次調査:建物を実際に目視して、アスベスト含有建材の使用状況を調査。
・サンプル検査:アスベスト含有の有無の判断が難しい場合、サンプルを採取して分析調査を行う。
・事前調査結果を自治体と労働基準監督署に報告。
・アスベスト含有建材等を使用している場合は、適切な対策の下で撤去したのち、解体工事に着工。
依頼者と調査する人
アスベスト事前調査は、解体工事において実施が義務付けられているものです。そのため、解体業者と解体工事とともにアスベスト事前調査は組み込められることになります。
なお、調査は建築物石綿含有建材調査者としての資格所有など、一定の要件を満たす人材が実施することが必要です。
マトイでは営業担当者がこの資格を取得していますので、事前調査を含めた解体工事計画はもちろん、事前調査の実施に至るまでの流れが円滑に行われます。なかには事前調査に必要な資格を有する人材がいない業者もいますが、その場合は別の調査会社等に事前調査を依頼することになるため、工事期間に若干のロスが出る可能性があります。
アスベスト事前調査の費用
アスベスト事前調査の費用は、建物の大きさや調査を実施する業者によって異なりますが、一般的には40,000円~を目安としておくといいでしょう。なお、サンプル調査を行う場合は、その分が加算されます。
アスベスト事前調査の流れやその関連情報等について、こちらのコラムでも説明しています。併せてお読みください。
事前調査の意義とトラブル回避への期待
家屋調査やアスベスト事前調査は、任意であることや義務付けられていること、調査内容等に違いはあるもの2つとも着工前に行います。
いずれの場合も解体する建物の状況を確認し、現場周辺の家屋や住人への配慮や適切な工事の実施に繋げるものです。それによって工事によるトラブル回避が可能になります。
まとめ
アスベストや家屋調査などの事前調査には解体工事以外の費用が必要になります。
そのため任意である家屋調査の実施は施主として迷うかもしれません。が、これを行わなかったためになんらかのトラブルが起こった場合、調査費用以上の費用や施主様や相手の双方に負担がかかることになることもあります。
トラブル回避とともに、工事後も近隣の方々との良好な関係を保つためにも、事前調査は有効なものです。
迷われる場合は、本文で説明している調査実施の基準なども参考に、解体業者と相談しながら検討してみてください。
マトイでは東京・埼玉・神奈川・千葉を中心に解体工事とそれに付随する業務に対応していますが、すべての営業担当者がアスベスト事前調査を行うための資格を有しています。そのためスムーズにアスベスト事前調査へと進めることができます。
家屋調査についても、見積りの際の的確な現地調査で得た情報を基に、施主様の判断のお手伝いをさせていただきます。
解体工事をご検討中の皆様も、事前調査はもちろん、解体工事にまつわる施主様の気がかりなことなども含めて、どうぞマトイをご活用ください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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