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「宅地から農地に転用」という選択肢もアリ! 空き家解体後の土地活用

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 空き家や土地をもっている人が頭を悩ませることは、家をどうするか、そして解体後はその土地を売却するべきか、それとも有効な活用方法はないだろうか…というようなことでないでしょうか。せっかくの土地ですから、できれば資産を継続的に増やせるような活用をしたいものです。
 そのための活用方法がいろいろあるなかで、「農業」という選択肢もあります。今回は農業を選択肢に入れた場合のメリットやデメリット、そしてどのような準備が必要か等について解説します。

そもそも宅地を農地に転用できる?

 まず、宅地を農地に転用することは可能かどうか、ということが気になるところです。
 農地を宅地にするには、農地転用に関する届け出や許可が必要で、しかも一定の規制があるため、すべての宅地が農地にできるわけではありません。
 一方、今回のテーマのように宅地を農地に転用することに法的な規制はありません。基本的には自由に転用が可能です。
 しかし、一言に「農地にする」といっても、趣味と健康づくりを兼ねた家庭菜園レベルで行う場合、専業もしくは兼業であっても「農業・農家」といわれるように事業として行う場合、もしくは貸し農場・シェア農場という形の事業展開をする場合など、いくつかのパターンが考えられます。
 趣味の範疇で農業をするにしても、事業として農業もしくは農園経営をするにしても、更地を畑にするにはなんの許可も申請も必要ではありません。ご本人の都合に合わせて土地を耕し、収穫したい野菜の種や苗を植えればいいだけです。
 しかし、節税や事業として農業をすることを考えたら、やはりそのための届け出などが必要になります。その前にまず、宅地を農地に変えることのメリット・デメリットなどについて考えてみましょう。

空き家を解体して農地にするメリットは?

 空き家を解体した後に農地にするには、いくつかのメリットがあります。それについて説明します。

固定資産税が安くなる可能性がある

 宅地を農地に変えるメリットとして最も大きいものは、固定資産税が軽減される点です。
 固定資産税は以下の式で計算されます。

固定資産税評価額×1.4%=固定資産税

 この計算方法は宅地であっても農地であっても変わりません。しかし、更地となった宅地と農地とを比較すると、宅地・更地の固定資産税評価額の方が高くなります。そのため、農地に変えることで固定資産税を低く抑えられるのです。
※用地の使用により異なりますので、詳しい金額の差は国税庁等にお問い合せください。

農業の収穫によって喜びや収益を得るチャンスがある

 経済的にどの程度の収益を上げるかは、長期的にみるべきことですが、少なくとも作物の収穫によって喜びが得られるでしょう。
 さらに耕作する作物や農地の広さによっても違いはありますが、定期的に収穫が得られるようになって販売ルートに乗せることができれば、収益も得られるようになります。もちろん維持管理費は必要ですが、ただ空き家のまま土地を遊ばせておくよりも有意義といえるでしょう。

空き家の管理や特定空き家指定の不安やプレッシャーから解放される

 人が住まなくなった家は、傷みが早く進みます。そのため、空き家をもっている人は定期的に管理に通う必要もあります。それがなかなかできないでいて、空き家がさらに老朽化して痛みが進んでいくと、特定空き家の指定を受ける可能性があります。
 この特定空き家の指定を受けると、固定資産税が更地同様に最大で6倍までかかってしまいます。そうならないためには、壊れそうなフェンスとか、生い茂った庭木の管理や家屋の修繕を行って周囲へ迷惑をかけないような状態にしておくことが大切です。しかし、そのため費用はもちろん精神的な負担もあります。建物を解体して新たな土地活用をすることで、そういったプレッシャーから解放されます。

空き家を解体して農地にするデメリットは?

 もちろん、メリットがあればデメリットもあります。この二つをよく考え併せて計画を練りましょう。

農地の場所によっては固定資産税が安くならない場所がある

 畑にする土地がどの地域にあるかによって、前述のメリットも変わってきます。表にあるように農地はどこの区域にあるかによって、その農地に対する評価と課税が変わってきます。そのため、注意したいのは、まずはご自身の土地がどのような区域の農地になるかという点です。特定市街化区域にある場合は、その土地の評価も課税も宅地扱いとなり、一般農地よりも固定資産税が高くなってしまいます。現在、新たな活用を考えている土地を農地にする前に、まず固定資産税がどのように変わるかを調べておきましょう。

【表:農地の区分とその評価および課税】

(農地の区分) (評価) (課税)
市街化区域外農地(一般農地) 農地 農地
市街化区域農地 生産緑地 農地 農地
一般市街化区域農地 宅地 農地に準じる
特定市街化区域農地 宅地 宅地

〈出典:農林水産省ホームページより改変〉

資産価値が低下する

 農地を売却する場合、宅地の状態で売却するよりも安くなってしまいます。その理由は、農地では買手が少ないことや、本格的に農業を行おうとする人にとっては元宅地だった農地は狭い場合が多いからです。
 かといって、一度、農地になった土地を再び宅地に変えることは可能ではありますが、農地転用の許可や手続きが必要になります。これは宅地から農地に変えるよりも大変です。その点もよく考えて計画をする必要があります。

きちんとした農地の手続きが完了するまでに時間がかかる

 宅地として登記されている更地を農地にすることは、特別な手続きはとくに必要ありません。
 しかし、本格的に農業をしたり、減税を目指したりするには、農地法に基づいた農地にすることが必要です。畑にするために土地を耕すことと併せて、このような手続きが完了するまでには時間がかかります。

空き家を解体して農地にする手順は?

 農地にすると決めても、なにから始めたたらいいかは悩む点です。これまでに農業を経験している人ならまだしも、その経験がない人はなおさらでしょう。また、整地後の土地に作物を植え付けただけでは農地とは認められません。ここでは、農地に転用する際の簡単な段階を説明します。

建物を解体・整地後、耕して農地とする

 まず、すでにある建物を解体して更地に戻します。すでに農地にしようと決めていたら、農家さんや地元の農協または農業委員会などに相談してみましょう。解体後の土地を整地する際に、どのような点に注意すべきか、また、「区画割りなどをしてもらった方がよい」などの情報を得ておくといいでしょう。
 マトイでは、施主様の情報や要望をできるだけ取り入れて、整地作業を進めさせていただきます。
 建物の解体・整地が済んだら、次は畑とするために本格的な準備を開始します。ただの更地の状態では、農地とは認められません。誰が見ても畑であることがわかるように、土を耕し、畝(うね)を作ります。
 そして、よい畑にするために大切な「土づくり」をします。土を掘り起こし、土に空気をじゅうぶんに含ませて水はけをよくしておきます。これによって土壌の微生物が活動しやすくなってよい土ができる基礎ができます。そして石灰やたい肥を撒いて畑としての土を作ります。畝を作る前に、こうした土づくりが大切です。

課税地目を変更する

 その土地が農地として認めてもらうためには、課税地目を変更する必要があります。
 固定失算税は毎年1月1日の土地の状況を基準に判断され、課税されます。ですから、それまでに土地を畑として整えて「現況地目変更届」を提出し、実際に土地が農地として活用されていることを確認してもらいます。
 なお、農地へ地目変更するには、農業委員会による農地証明の発行が必要となります。現況地目変更届を出す前に、農業委員会に出向いて、事前に手続きの確認をしておきましょう。
 農業委員会とは、農地に関する事務を行う行政委員会で、各市町村に設置されています。届け出以前にも、農地変更に際しての相談などについても問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

登録地目を変更する

 上記の課税地目とともに、土地の登記地目も変更します。
 宅地を耕して農地にした後、1か月以内に法務局に出向いて登記地目の変更を行い、他の農地と同様に農地法に則った農作業を行う必要があります。

農地にしてから注意することは?

 農地に変えるための要点を説明してきましたが、その後、継続していくことが何よりも重要です。そのために注意したいことがいくつかあります。

地目を忘れずに変更

 前項でも説明しましたが、固定資産税の計算の基準になる現況地目と土地の登記地目は同一でなければなりません。登記地目の変更は不動産登記法によって「変更された日から1か月以内に変更登記の申請をする必要がある」と定められています。これをしていないと、罰則として10万円以下の罰金が科せられてしまいます。そのため、忘れないうちに早めに登記することが必要です。

地域の農家の方々とコミュニケーションをとって協力

 まず、農業は地域産業であることを理解したうえで、地域の農家の方々との協力関係がとても大切です。なぜならば、例えば農業に欠かせない水は、多くの場合、農業用水から引くことになります。この農業用水は他の農家の方々と共同で使用するものであり、また地域の防火用水も兼ねています。使用や管理については、その土地ごとの決まりごとがあるはずです。
 また地域一帯で使用を制限している農薬があったり、農薬の不使用を義務付けていたりする場合もあります。自分の考えだけで農薬を使用していると周辺の農家の方々に迷惑をかけることになりかねません。
 こうしたこともあって、農業は地域産業であるとともに地域の農家の方々との協力が大切です。

完全な農地として継続的に土地を整える

 例えば、その土地の大半は農地にしてあったとしても、一部に建物があると農地とは認められません。また、畑を耕して一見農地のようになっていても、その後放置されて雑草だらけになっていると農地として認められないことがあります。まだ作物を育てていなかったとしても、きちんと農地として手入れしておく必要があります。

まとめ

 ご自身が農業を行うということは、兼業にしても専業にしても、その後のライフプランに大きく影響することです。そのためじゅうぶんな検討が必要になります。
 土地の広さにもよりますが、すべての土地を農地にするか、半分を農地にするか、作業や必要物品を収納する小屋を作るかどうか、等々によっても必要な手続きや進め方が変わってきます。
 また、すべての時間を農業にかけることはできない……という方は、柿・栗・梨などの果樹を植えてみるなど、ご自身の状況に合わせて栽培するものを検討してみることも必要でしょう。
 さらに自分自身がそこで農業を行うことは難しいものの、農地として活用したい場合には、貸農園やシェア農園という選択もあります。
 一言で「農地」といっても、なにを作るか、どの程度の広さの農地にするか、どこまで自分が関わるか等によって、その手間も費用も変わってきます。地元の農家の方々、農協、行政の農業委員会などにも相談をしながら事前調査をじゅうぶんに行って進めましょう。
 私たちマトイでも、解体後の土地活用を含めたご相談を常に受けております。施主様と一緒に考え、よりよい選択のお手伝いをさせていただきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
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