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解体後の土地を駐車場活用する際のポイント

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 解体することは決めているものの、ご両親やご親族がせっかく残してくれた不動産を手放すのではなく、有効に生かしたいと考えている方は少なくないと思います。
 そのための方法の一つに駐車場として活用するという手があります。

解体前から考えておきたい土地の活用方法

土地活用のいろいろ

 相続などで譲り受けた家や土地をお持ちの場合、家は空き家で税金だけを毎年支払っている方の中には、
「古くて住むにはちょっと……。壊れそうでも建物があれば更地の状態よりも税金がかからないからしばらくはこのままで」
と考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
 しかし、家屋の状態によっては「空き家対策特別措置法*」によって特定空家に指定されてペナルティが課されるようになりました。そうならないためにも、前向きに空き家対策に取り組みたいものです。
 では、対策としてどのようなものがあるか、以下に主だったものを挙げてみました。

① 売却/建物が建ったままでも可。しかし、建物を解体撤去して更地にした方が条件よく売却できる
② 駐車場・駐輪場経営/比較的安い経費で造設できる
③ 賃貸アパート・マンション/既存の建物を大幅に改修、もしくは解体後に新たに建築が必要となり、かなりの初期費用が必要になる
④ 貸す/既存の建物をリフォームして賃貸住宅や店舗、もしくは倉庫や資材置き場などとして貸す
⑤ その他/民泊施設の運営、農園として活用、etc

*空家対策特別措置法:空き家に関するさまざまなルールを定めた法律。管理が行き届かず景観を損ねたり、近隣住民に迷惑や景観・健康被害をもたらす可能性のある空き家に対し、行政執行を含めた措置に関する法律。平成27年5月に制定。

できれば保っておきたい収益機会

 積極的に使うわけではない土地・家屋を所有して、毎年税金を支払わなくてはならない負担を考えると、売却処分して現金を手にした方がいいように思いがち。しかし、そこは考えどころです。
 実は、私自身も住まいとは別に親が残してくれた家屋と土地が住まいから離れた地方にありました。地縁の方がそこを借りてくださっていたのですが、田舎の不便な場所にある古い建物と土地。収益という収益はさほどありませんでした。逆に、税金や自分の目の届かない場所にある物件の管理の手間をとても負担に感じていました。そのため、「買いたい」との申し出があった際に売却しました。
 売買にかかる諸手続きや間に入っていただいた方へのお礼、売却に至るまでのやり取りのための交通費、そして契約に伴う印紙代等を差し引くと、手元に残る金額はわずか。それでも「せっかく親が残してくれた土地で得たお金、有意義に使いたい」と考えているうちに、些末なことで泡のように消えていきました。売却しないで、月々、何らかの収入を生ませるような方法をとった方がよかった……と後悔することがあります。ただ、土地の管理や毎年の税金に対する負担や煩わしさからは解放されました。
 以下に物件を処分した場合のメリット・デメリットを参考までに上げます。税金や不動産管理の負担の両面を考えて判断することが大切です。

【土地を売却する場合のメリット】
① ローンなどの借入金がほかにあった場合、その返済に充てられる
② ほかの金融資産を購入できる
③ 自分たちの都合に合った他の不動産を購入できる
④ 物件に対する固定資産税や都市計画税の負担がなくなる
⑤ 後に相続が発生した場合の相続税の資金として貯めておける

【土地を売却する場合のデメリット】
① 収益の機会をなくす
② 売却にあたって発生する「印紙税」「消費税」「仲介手数料」など、売却金額のおよそ5%程度の費用がかかる
③ 売却によって得られた利益に対して、所得税や住民税(譲渡税)がかかる

ローリターン、でも低予算が魅力の駐車場経営

 活用方法を考えるポイントとなるのは、初期費用とそれによる収益見込みです。
 アパートやマンションとして活用する場合は、それ用にリフォームしたり、新たに新築したりといったことが生じて相当の初期費用経費が必要になります。一方、駐車場は初期費用が低予算で行えるのが特長です。
 もちろん、その土地に駐車場の潜在的需要があるかないかを見極めることは大切です。しかし、そういった見極めはどの活用方法を選ぶにしても必要となります。賃貸アパートやマンションのように多くの収益は望めないものの、初期費用をさほどかけずに始められることや管理が比較的しやすいという点は駐車場経営の大きな魅力でしょう。

駐車場としての土地活用を考えているならば

計画の前段階から知っておきたいこと、考えておきたいこと

① 解体と一緒に駐車場工事も行える業者を選ぶ
 もしも建物を解体する以前から駐車場設置を少しでも考えているのであれば、それを前提に業者選びから始めましょう。なぜならば、駐車場の工事も手掛けている解体業者であれば、計画段階から駐車場設置について相談でき、さらに設置するとなった場合には解体工事から駐車場工事までの工程が効率よくスムーズに行えます。そしてそれが別々に依頼するよりも経費の抑えやすさにつながります。

② 初期費用の概算の確認と収益のバランス
 解体費用・整地費用・駐車場造設費用、そして月々どの程度の収益を望んでいるか、望めるか等、大まかな収支バランスをイメージしておきましょう。

③ どんな舗装タイプの駐車場にするか
 駐車場の舗装タイプは砂利・アスファルト・コンクリートの3種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがありますが、砂利よりもアスファルト、アスファルトよりもコンクリートのほうが見た目よく、車体の重さにも絶えられます(※素材の価格や環境により変動もございます。)。

砂 利
解体工事後に砂利を敷き詰めて、ロープを張って駐車場にします。もっとも簡単にできて気軽に始められますが、その分、駐車場料金は低くなりがちです。雑草が生えてくることもあり、メンテナンスが必要になります。

コンクリート
丈夫で真夏の表面温度が上がりにくく、アスファルトより耐久性に優れています。メンテナンスの頻度は少なくて済む点は良いのですが、工期に時間がかかり、工事単価も高くなり、ご自宅のカースペースなどには多いですが、広い場所を駐車場にするにはかなりのコストが必要となります。

アスファルト
工期の時間がかかるコンクリートと逆に、工期が短く、水はけがよいのが特長です。アスファルトを敷いて地面を整えてから数時間後には駐車場として使用することができますが、反面、ひび割れが起こりやすい、くぼんでしまう、というように耐久性が低く定期的に補修する必要があります。

④ 舗装タイプ別の費用の目安
 舗装タイプによって費用が異なります。さらに土地の広さや形状によっても費用が変わる可能性はありますが、ある程度の目安をつかんでおきましょう。以下の表に費用の目安をまとめました。計画の前段階からある程度の費用を把握して計画に取り掛かることが大切です。

舗装の種類 費用の相場
未舗装・砂利など:2,000円~5,000円/㎡
アスファルト舗装:5,000円~8,000円/㎡
コンクリート舗装:8,000円~12,000円/㎡

⑤ 舗装以外にかかる費用
* 区画用のロープとロープを固定するペグ(砂利)や白線(アスファルト)
* 車止め
* 歩道の切り下げ(任意)
* 精算機、ロック板、入出庫バー、防犯カメラ、防犯灯、土留めブロックフェンス、看板等

 予算枠と希望する収益見込み、駐車場経営にかけられる自身の労力、その土地における駐車場ニーズの傾向、どのように駐車場経営を行っていくか等から、具体的にどのような設備を整えていくかを考えるとよいでしょう。

駐車場経営のタイプ

 駐車場の経営方法にもいろいろなタイプがあります。どのように経営することが自分の負担が少なく、都合がよいかを考えておくことも必要です。

① 月極駐車場
 個々の利用者と契約をして、月単位で駐車場料金の支払いを受ける方法です。精算機やロック板などを設置する必要はとくになく、砂利舗装でロープを張って区画分けする程度で、簡単に始められます。契約者が見つかれば月ごとに安定した収益を得やすい点がメリットです。

② コインパーキング
 コインパーキングは稼働率が重要。駅周辺や大型商業施設・事業所などが周辺にあるような場所なら稼働率は高く、駐車場が埋まっている時間が長ければ長いほど収益も大きくなるでしょう。しかし、精算機・ロック板・入出庫バーなど、初期費用が高くなります。

③ 業務委託
 月極駐車場であれば駐車場がある地元の不動産業者、コインパーキングであればコインパーキング運営業者に管理を委託することができます。自身での管理に負担を感じる、住まいと場所が離れていて管理しにくい、といった場合に適しています。

駐車場造設をするなら解体と同時期・同業者がおすすめ

同一業者だから解体から駐車場造設まで無駄なくシームレス

 土地活用として駐車場を造設するならば、解体から駐車場の造設までを一貫して同一の業者に依頼することをおすすめします。これによって効率よく工事を進められるからです。

作業ステップ 解体工事 駐車場造設工事

ステップ1:解体業者を探す 駐車場造設業者を探す
ステップ2:打ち合わせを行う 打ち合わせを行う
ステップ3:周辺への挨拶・工事の説明 周辺への挨拶・工事の説明
ステップ4:必要な重機や機器類の搬入 必要な重機や機器類の搬入
ステップ5:建物の解体工事を行う 駐車場造設プランに沿って整地
ステップ6:瓦礫・廃棄物を処理 駐車場造設プランに沿ってロープ・白線・車止め等を設置
ステップ7:重機類を搬出 重機類を搬出

 各工事の大まかな流れを表にしました。ここに挙げたように、各工事には業者探し、打ち合わせ、周辺住民の方々への挨拶・説明、重機の搬入・撤収など共通する作業が多くあります。業者探しや打ち合わせなどは、施主様にとってかなりの労力と時間を必要とします。また重機や使用工具では両方の工事で共通して使う物もあります。同一の業者に一括して依頼すれば、次のような部分を大幅に減らせます。

① 業者探しの手間と時間、打ち合わせの回数
② 周辺住民の方々への挨拶回りや工事の説明
③ 工事で使用する重機の搬入・搬出の回数
④ 解体工事終了から駐車場工事に取りかかるまでの時間

 使用する重機や工具類の数や運搬コストの削減、工期の短縮から人件費の削減にもつながってトータルの施工費用を抑えやすくなります。同時に、同一の工事業者が一貫して工事に関わることで、施主様のいろいろな相談に責任をもった対応ができることも施主様にとって心強いメリットにつながるはずです。以上のことから、解体から駐車場完成まで、物理的、時間的、心理的に無駄のないシームレスな工事とサポートができるのです。

業者選びは地盤から付き合う解体業者を!

 実は駐車場工事も手掛けられる解体業者を選ぶことをおすすめするのは、もう一つの理由があります。それは解体業者が最初にその土地の土を掘り、その土地の形や特徴を把握し、駐車場にするという目的を最初から理解して工事を進めることで、駐車場のためのより良い基礎作りができる、という点です。
 例えば株式会社マトイでも駐車場造設を解体工事と共に請けることがあります。その時に次のようなことがあります。

【ケース1】地面を掘っていたら、地中埋設物が出てきた!
 地中埋設物とは文字通り、地中の中に埋まっているものです。建物の基礎部分を作っていた木材やコンクリート、何代か前の建物の古い瓦礫、排水管、井戸など、いろいろなものがあります。
 この地中埋設物が残っている状態で土地を売却すると、それがわかった際に買い主から撤去費用を請求されたら従わなくてはなりません。そのため、売却を前提とした場合は解体時にきれいに処分します。しかし、駐車場をはじめとして施主様自身が引き続きその土地を利用する際は、そのまま残すことも可能ですが、撤去した方が良質な地盤となりますし、後々、土地を売却するようなときにも安心して売却ができます。
 撤去を希望される場合は解体時にほかの廃棄物と一緒に処分できるため、後に続く駐車場工事がスムーズに進められます。ちなみに、後から地中埋設物を処分しようとすると、その量にもよりますが、かなりの追加費用がかかります。

【ケース2】盛土した庭付き家屋を駐車場に。でも残土がたくさん!
 ある古い日本家屋を解体して、駐車場にすることがありました。そのお宅には盛土をして高低差をつけた庭にたくさんの植木が植えられていました。より多くの自動車を停められる駐車場にするには、庭部分の盛土を崩して平坦な土地にしなくてはいけません。
 一般的にアスファルト舗装の駐車場にするには、地面のある程度の深さを掘り下げて、その上に砕石、さらにその上にアスファルトを敷いて完成させます。どのくらいの深さで地面を掘り下げるかはその土地によっても異なります。また駐車場の場合は、水はけをよくするために全体に少し傾斜をつけて整地します。
 このケースでも同様に盛土を除いて平坦な土地にしてから新たに傾斜をつけ、さらに土地全体にわたって15㎝程度掘り下げ、アスファルト舗装を完成させました。これによって出た残土は、解体工事中に出た他のものと一緒に処分できてコストを削減できました。

【ケース3】隣地との間にブロック塀を立てることの説明を施主様に代わって
 ケース2でも触れましたが、平坦に見える駐車場でも少し傾斜をつけてあります。傾斜は隣地との境界線部分を最も高くし、そこにブロック塀を置きます。打ち合わせ段階で施主様と隣地の方へのご挨拶と説明が必要の旨をお話しました。しかし、離れて暮らす施主様にとって隣地で暮らす方とお付き合いがなく、話しにくいとのことでした。そのため施主様に承諾を得て、社員が解体と駐車場工事の説明、ブロック塀を置くこと、老朽化している既存の塀をどのようにするか等のご提案や説明をさせていただきました。 
 隣家の方から「業者の方なので工事の質問やこちらの希望を遠慮なく伝えられました」と喜ばれました。

 今回は土地の有効活用としての駐車場造設と、それをスムーズに進めるためのポイントとについて書かせていただきました。解体工事と駐車場工事の両方を行える業者に依頼することが、施主様の負担軽減とコスト抑制につながります。
 また選ばれた業者としては、着工以前の計画段階から施主様のご相談・ご要望に応え、解体工事から駐車場工事を関わらせていただき、一緒に駐車場完成を見ることが何よりの喜びです。些細なことでも、株式会社マトイにご相談ください。喜んで対応させていただきます。

記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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