廃屋でも固定資産税は安いまま? 住宅用地の特例が外れるケース
かいたいコラム
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時々、長い間放置されてきたと思われる廃屋のようになっている空き家を見かけることがあります。そんな状態になっていても、固定資産税は「住宅用地の特例」が適用されているのでしょうか?
今回のコラムでは、廃屋の扱い、行政の判断のポイント、管理不全空き家や特定空き家と固定資産税との関係などについて説明します。
マトイでは東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県での解体をお請けしていますが、施主様にとっての「困った!」、「どうしたらいい?」といったことのご相談にも対応しています。
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住宅用地の特例の基本情報
住宅が建っている土地には、固定資産税を軽減する「住宅用地の特例」が適用されます。住宅を解体撤去して更地にすると、この特例が適用されなくなり、空き家の管理や解体の判断に大きく影響を与えます。
ここで住宅用地の特例について、その仕組みの基本と適用条件を整理します。
住宅用地の特例について考える際、固定資産税の基本情報を把握しておくことが大切です。こちらのコラムを、その参考にご覧ください。
住宅用地の特例とは?
これは、住宅が建っている土地について、固定資産税を引き下げる制度です。
住宅が建っていれば、居住の有無にかかわらず「住宅用地」として扱われ、税負担が軽減されます。
ただし、住宅を解体したり、管理不全空き家や特定空き家の勧告を行政から受けたりすると特例が外れ、固定資産税が増額となる可能性があります。
住宅用地の特例による課税標準の割合は?
住宅用地の特例は、土地の区分に応じて課税標準の割合が異なります。「土地の区分」は、土地の広さによって次の2つに分かれます。
〇小規模住宅用地(200㎡以下)= 課税標準が1/6に軽減
〇一般住宅用地(200㎡超)= 課税標準が1/3に軽減
住宅用地の特例が適用されることで、住宅が建っている土地の固定資産税は、更地よりも低く抑えられるのです。
住宅用地の特例が適用されるポイントは?
住宅用地の特例が適用されるためには、次の条件を満たしている必要があります。
〇住宅として利用できる建物が、その土地にある
空き家であっても、建物が残っていれば適用の対象となります。
〇居住のための構造を備えている
トイレ、浴室、居室、台所など、住宅として必要な構造が整っていること。物置や倉庫、事務所などは該当しません。
〇行政からの勧告を受けていない
管理不全空き家や特定空き家に該当し、行政から勧告を受けていると、特例が適用されなくなる可能性があります。
廃屋も特例の対象になる?
住宅用地の特例は「住宅として利用できる建物が存在するかどうか」で適用の可否の判断が分かれます。
では、かつては住居として使われてきたものの、現在は荒れ果てて廃屋になっている場合はどうでしょうか?廃屋が特例の対象になるかどうか、行政判断のポイントと具体的な事例を整理します。
特例の対象になるかどうかを判断するポイント
行政による住宅用地の特例の判断では、建物の構造や使用・管理の状況、今後の使用見込みなど、複数の要素が考慮されます。
以下の点を総合的に見て、住宅として認めるか否かを判断します。
〇住宅としての構造が残っているか
居室・台所・浴室・トイレなど、住宅としての基本的な構造が確認できるか
〇居住の用に供することができる状態か
倒壊の危険がなく、住宅としての実体が残っているか
〇著しい破損や腐朽がないか
破損や腐朽によって安全性が失われている場合は「住宅として認められない」と判断される可能性がある
〇行政から勧告を受けていないか
「特定空き家」や「管理不全空き家」に該当し、勧告を受けると翌年度から特例が外れる。
これらを総合的に見て、自治体が「住宅として認めるかどうか」を判断します。
こんな廃屋も特例の対象になる?
廃屋だからといって、必ずしも特例が適用されなくなるとは限りません。その状態によって、特例が維持される場合と外れる場合があります。住宅としての状態に加え、今後の使用見込み等を含めて特例の対象になるか否か判断されます。
以下に典型的なケースごとに行政判断の傾向を整理します。
著しく破損し、倒壊寸前の家屋
「著しい破損」や「倒壊寸前」といった状態は具体的には、屋根の大規模な崩落、外壁の脱落、顕著な家屋の傾きなどがある状態です。こういった状態に対して行政は、
〇住宅としての安全性が失われている
〇生活機能が完全に喪失している
としてこれらの状態を「居住の用に供することができない」と判断する可能性が高く、特例が外れるケースが多く見られます。
雨漏りや腐朽、基礎の損壊で居住困難な家屋
雨漏りや腐朽が進み、床が抜けている、基礎が崩れているなどの状態がある場合、「住宅としての実体が失われている」と判断されて特例が外れる可能性があります。
ただし以下のような場合には、行政が「住宅としての構造は残っている」と判断し、特例が維持されるケースもあります。
〇建物の形が保たれている
〇居室や住宅設備の構造が残っている
長期間放置されて、使用の見込みがないと判断できる家屋
長期間放置されていても、
〇建物に倒壊の危険がない
〇住宅としての構造が残っている
といった場合には、空き家でも特例が適用されることがあります。
しかし、行政が「管理不全空き家」や「特定空き家」と判断して勧告を行った場合や、「生活機能が完全に失われ、住宅としての実体がない」と判断された場合、翌年度から特例が外れる可能性があります。
こちらのコラムでは、古い家の対処法や解体費用等について解説しています。廃屋の対処の参考としてお読みください。
管理不全空き家や特定空き家に指定された家屋の扱い
管理不全空き家や特定空き家に指定されると、行政からの扱いが一段と厳しくなり、所有者の負担やリスクが大きく変わります。
このように空き家の状態によって税制優遇の有無や行政措置の内容が左右されるため、どの段階で何が起こるかを理解しておくことが重要です。
管理不全空き家の場合
特定空き家の予備軍として位置づけられている管理不全空き家は、「このまま放置すると危険が顕在化する可能性がある」状態として行政が早期に介入できる対象です。
この指定を受けると、自治体から次のような措置が行われます。
〇助言・指導による改善要請
〇雑草除去や簡易補修など、軽度の改善を促す通知
〇近隣からの苦情が増えた場合の追加調査
この段階では、強制力のある命令や行政代執行は行われません。まずは改善のための助言や指導が中心となります。
また管理不全空き家に指定されたとしても、直ちに住宅用地の特例が外されるわけではありませんが、「住宅として利用できない」と判断される可能性が高まります。そして行政の助言や指導を受けても改善が見られないまま状態が悪化し、自治体から勧告が出ると、その時点で特例が外されます。
管理不全空き家について、こちらのコラムで詳しく解説していますので、併せてお読みください。
特定空き家の場合
特定空き家は、倒壊の恐れや衛生面での有害性、そして景観の著しい悪化などの問題がすでに顕在化している状態です。
行政から特定空き家の指定を受け、それに対応しないでいると、勧告➡命令➡行政代執行(行政による強制的な解体や撤去)と進んでいきます。勧告が出されると住宅用地の特例は外れます。
特定空き家について、こちらのコラムでも詳しく説明しています。併せてお読みください。
家屋の状態による税額の変化
家屋の状態は、税金の特例が適用されるか否かに直結し、税負担を大きく左右する要素です。家屋の老朽化や危険性が増すほど、特例が外れて税負担が一気に増える可能性が高まります。
老朽化した家屋の放置は、税負担や解体費用の増大につながる可能性があります。定期的な管理を行うこと、もしくは利活用予定がない場合は解体撤去を検討することをお勧めします。その場合は、お気軽にマトイにお声掛けください。
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特例が外れることによる固定資産税の変化
住宅用地の特例は、住宅が建っている土地に対して適用される大幅な減税制度です。
「住宅用地の特例による課税標準の割合は?」の部分でも記しているように、小規模住宅用地で1/6、一般住宅用地では1/3に固定資産税が軽減されます。見方を変え、この特例が外れると税額は本来の額に戻りますが、所有者にとっては税負担が大きくなります。
都市計画税の変化
固定資産税のほかに、所有する土地や家屋に課される税金に都市計画税があります。これは市街化区域内の土地や家屋に課せられる税金で、以下のように軽減されます。
〇小規模住宅用地:1/3に軽減
〇一般住宅用地:2/3に軽減
特定空き家に指定され、勧告を受けると都市計画税に対するこの特例も外れることから、固定資産税と合わせて総負担が大きく跳ね上がります。
特例に関する誤解を知っておく
固定資産税等に対する特例については、皆さんが誤解しやすい点がいくつかありますので、その代表的なものをここで説明します。
〇空き家でも特例は続く
空き家でも、管理不全空き家や特定空き家に指定され、行政から「勧告」を受けた場合、住宅用地の特例が外されます。
〇建物を壊すと特例がなくなる
家屋を解体して更地にすると、住宅用地の特例は外れます。だからといって老朽化した家屋を放置しておくと、管理不全空き家や特定空き家となり、勧告を受けると建物が存在しても特例が外されます。
〇特例が外れると固定資産税は6倍になる
住宅用地の特例が外れると、課税の計算方法は本来の計算法に戻ります。そのため「6倍になる」というのは誤解です。「最大で6倍になる可能性がある」ということです。
6倍というのはあくまで計算上の最大値であり、実際の税額は土地の評価額や負担調整措置によって大きく異なります。
住宅用地の特例見直しの可能性
近年、管理不全空き家および特定空き家が増加するなか、空き家が大きな社会問題になっています。空き家増加には住宅用地の特例が、それを助長しているとの指摘もあります。
そのため、国は住宅用地特例のあり方を継続的に検討しています。管理不全空き家ができて勧告によって特例が外れるようになったのも、検討による結果の1つです。
国は空き家の増加や問題の改善に向けて税制見直しを含めて継続的な検討を行っています。それを受けて管理不全空き家や特定空き家などの自治体の判断基準は厳しくなり、空き家を放置するほど税負担や行政リスクが増大する流れになっています。
自治体による判断の違いと確認の重要性
管理不全空き家や特定空き家の指定は法律で基準が定められていますが、実際の運用は自治体によって異なります。 同程度の老朽化の状態でも、ある自治体では「管理不全空き家」と判断され、別の自治体では「特定空き家」と判断されることがあります。
こういったことから、所有者自身が把握している空き家の状態だけで「うちは大丈夫」と判断するのは危険です。所有する空き家がある自治体の担当部署に、「現在の状態はどの区分に該当する可能性があるか」、「改善しない場合、どのような行政措置があり得るか」を早めに確認しておくことが、特例解除や勧告を避けるためのポイントになります。
まとめ
空き家の状態は、住宅用地の特例の適用可否や行政からの扱いに直結し、税負担やリスクに大きく関係します。
今回のコラムで説明してきたように、建物が残っていても住宅としての構造や安全性が失われている場合、特例が外れる可能性があります。その基準は自治体によって差があるので、所有する空き家の状態について早めに自治体へ確認し、必要な対策を講じることが重要です。
もしも活用の予定がない家屋であるならば、解体撤去をしたり建て替えをしたりして、売却や利活用を検討してはいかがでしょうか?
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
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