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家を解体した後の固定資産税は高くなる? 節税の対策はあるの?

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 家の解体を検討している方々が気になることに、解体後の更地になった土地の固定資産税があるのではないでしょうか。
 今回は解体後の固定資産税について取り上げ、巷でいわれる「家を解体すると固定資産税が6倍になってしまう」といったことや、節税対策などについて考えていきます。

そもそも固定資産税とは?

 はじめに固定資産税の基本的なことについて確認してみましょう。

知っておきたい固定資産税の基礎情報

基礎情報1:固定資産税とは?
 固定資産とは、私たちの周辺にある住宅地や田畑などの土地、住宅や店舗などの家屋、工場にある機械や会社の備品などの総称です。こうしたものに係る税金が固定資産税と呼ばれるものです。

基礎情報2:固定資産税は誰が、どこに納める?
 固定資産税はその固定資産を所有する個人・法人が、固定資産が所在する市町村に市町村税として納税します。
 ただし、東京23区の場合は、都税として東京都に納税します。

基礎情報3:固定資産税はいつの時点を基準に確定する?
 課税の要件が確定する日を賦課期日(ふかきじつ)といいますが、これは税金の種類によって異なります。
 固定資産税の場合は、1月1日を基準にして確定されます。

基礎情報4:固定資産税はどのように使われる?
 固定資産税は使途が定められていない税収である普通税として、日々の生活で利用する公共施設の整備や介護・福祉などの行政サービスなどにも使われています。

固定資産税の計算方法

 実際に私たちが納税する税額はどのように決まるの、気になる点です。それは次のような計算方法で決まります。

固定資産税 = 課税標準額 × 標準税率(1.4%)

① 課税標準額は、その固定資産の評価額(土地の地価公示価格や家屋の価値額を基に算定)を基に、賦課期日(1月1日)の資産価格を決定。

② ①で決められた課税標準額に原則1.4%の税率を乗じた額が税額。しかし、市町村は、必要に応じて1.4%と異なる税率を条例で定めることができる。また税額を減少させる措置が適用されることがある。

③ 土地や家屋の固定資産の評価は3年に1度見直される。次回の見直しは令和6年。

住宅用地特例

 納税者の負担感を和らげるために評価額が急激に上昇した場合など、税負担を緩やかに上昇させる負担調整措置が講じられています。それとともに課税標準額を減少させるための特例措置が適用される場合があります。その1つが「住宅用地特例」です。
 この住宅用地特例は、住宅用の建物が建っている土地についての固定資産税がその面積によって減額されます。例えば200㎡以下の住宅用地では、課税標準額が価格の1/6に、200㎡を超える土地では超えた部分の課税標準額が価格の1/3になります。
 また、都市計画税も同様に200㎡以下の場合は1/3に、200㎡を超えた場合は2/3に軽減されます。

建物の解体と固定資産税の関係

 「住宅用地特例」によって、本来の課税額よりも減額されている固定資産税ですが、建物を解体撤去することによって適用されなくなります。この点にも不安があって、なかなか解体工事に踏み切れないでいる方もいらっしゃるようです。

解体工事に関連する固定資産税の誤解

 家屋の解体工事に関して、ときどき誤解のような情報に接することがあります。

その1
「家屋を解体撤去すると、住宅用地特例が適用されなくなる?!」
 これはそのとおりです。しかし、家屋を解体撤去した後にその土地をどのようにするかによっても税額が変わってきます。
 まず、解体撤去して更地のままの状態だと住宅用地特例は適用されず、敷地分の固定資産税額が標準通りに課せられることになります。それによって敷地分の固定資産税額が増えることになります。

その2
「家屋を解体すると固定資産税が6倍になってしまう?!」
 すでに説明しているように、住宅用地特例の適用によって、家屋が存在しているときの固定資産税は1/6~1/3に、都市計画税は1/3~2/3に軽減されています。その減額がなくなる分、税金が増額されることから“6倍になってしまう!”と理解される方もいらっしゃるようです。
 しかし、実際に増える金額は、その住宅用地が200㎡以下であるか、200㎡を超えるかの特例措置によって減額されていた額が異なり、特例措置がとられなくなった場合の税額もそれに伴って変わります。また、建っていた家屋の大きさなどによっても違ってきます。ですから必ずしも“6倍になる”とはいえません。実際には1倍から3倍程度になることが多いようです。

その3
「傷んで崩壊しそうな建物でも、存在すれば特例で固定資産税を抑えられる?」
 すでに説明しているように、住宅用地特例の適用によって、家屋が存在しているときの固定資産税は減額されています。では、この措置が今後も続くかといえば、そうとは限らない状況にあります。
 とくに社会問題となっている管理が不十分な空き家に対しては、行政が積極的な対策に乗り出しています。その1つとして、後でも説明する「特定空家等」に指定された家屋は、この特例が適用されません。空き家対策等と併せて、家屋等に伴う措置は変わる可能性があります。

 「特定空家」や「空き家対策等特別措置法」は空き家を所有している方々にとってはとても重要なことです。次のコラムで取り上げていますので、どうぞお読みください。

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空き家と固定資産税の関係

 年々増加している空き家ですが、さらに空き家を適切に管理されないままの状態で放置していると、老朽化による倒壊の危険性、動物が住み着いたり害虫が発生したりする、ゴミの不法投棄、不審者の侵入や放火等防犯面でのリスクの高まりなどが考えられます。これによって地域社会に、さまざまな支障を与える可能性があります。
 こういった空き家が増加する原因の1つに、住宅用地特例が挙げられています。家屋・土地の所有者にしてみると、老朽化していたとしても家屋が存在していれば税金の優遇措置を受けられるため家屋はそのまま残しておきたい、という気持ちも大きく関係します。

家屋を解体しなくても固定資産税が上昇することがある⁈ 東京都の場合

 では、家屋をそのままにしておくことで、特例措置がそのまま適用され続けるかというと、そうではなくなってきています。行政でも特定空家等に対して住宅用地特例措置の適用を止めるほか、さまざまな対策を講じ始めています。
 東京都では、「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって固定資産税の賦課期日である1月1日までに特定空家等に該当して区からの勧告を受けた家屋の所有者が、それに対して必要な措置を講じなかった場合、特例措置の適用対象から除外します。それだけでなく、家屋を強制代執行として行政によって解体撤去された場合、所有者にその多額の代金が請求されることになります。
 そうなると、所有者には高くなった固定資産税の負担はもちろんのこと、解体撤去費の支払いも加わって、負担はさらに大きなものになってしまいます。
 一方、勧告に対して必要な措置を取った場合、区がその報告を受けて確認し、特定空家等でなくなったことを認めた日以降の1月1日をもって、あらためて住宅用地特例措置の適用の可否が判断されます。また一定の要件を満たして新しい住宅に建て替えると、特例措置が継続される場合があります。
 もちろん、勧告を受けていなくても家屋の解体撤去を予定している、住宅として必要な管理を怠っている、などして今後人が居住する見込みがないようなものについては、住宅用地の特例措置が適用されない場合があります。

固定資産税見直し時期を視野に、解体のメリットを活かした目標設定!

 ここまで説明したように、住宅用地の特例措置の適用はその家屋の状態等によっても変わり、また空き家に対する行政の対策も変わりつつあります。こうしたことから、いままでのように空き家を所有し続けることのメリットは薄れつつあるといえるでしょう。
 そこで目を向けたいのは活用していない家屋を解体することのメリットと有効活用です。

注視したい家屋解体のメリット

 家屋の解体を検討する際、住宅用地特例がなくなって固定資産税が高くなる点に注目しがちです。しかし、解体することのメリットにも目を向けてみる価値もあります。
 家屋、とくに使っていない空き家の解体では、次のようなメリットがあります。

① 家屋を維持していくための手間・時間・費用の負担から解放される。
② 家屋の倒壊や破損、敷地内へのゴミの不法投棄や不審者の侵入等の不安が解消される。
③ 売却処分をする際、更地にした方が売却しやすく、価格も古家付きよりも高くなる可能性が高い。

 このように適切に管理し続けることの不安や近隣への配慮のプレッシャーといった心理面、維持するための時間やそれにかける労力といった物理的・身体的負担から解放されるメリットがあります。経済的な負担の増減も大切なポイントではありますが、それ以外の点も含めて検討することをお勧めします。

 家屋を解体撤去するメリットは、適切に管理されてなかったり老朽化が激しかったりする家屋であればあるほど、大きくなります。そういった家屋を解体する場合のメリット等を、こちらのコラムで詳しく説明していますので、お読みください。

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家屋解体に伴う税負担等を軽減する対策

 家屋を解体することで特例が外され税負担が増えることで、使っていない家屋の解体を躊躇している方は少なくないと思われます。
 でも、家屋の解体を検討する際、それらの負担を軽減する方策があります。これらの活用を検討材料に取り入れながら考えることで、それぞれの事情に合った最善の対策が見つけられます。

節税対策となる解体後の土地の有効活用

 更地にすることで、固定資産税の特例が適用されずに本来の税額になって税負担が増えてしまいます。しかし、次のような対策で土地を活用することでその税額を減らすことができます。

① 駐車場やコインパーキング、ゴルフ場や運動場、資材置き場などにすることで地目を「雑種地」に変更。
 地目には農地、住宅地、商業地などいろいろな種類があり、それぞれの地目によって地価が評価されます。
 そのなかで土地の利用目的が限定されていない雑種地は、他の地目に比べて地価が低く評価される傾向にあります。雑種地にすることによって固定資産税を抑えられるとともに収益が得られ、固定資産税を経費に計上できます。

② 農地に転用。
 土地を農業用途に利用する場合の優遇措置があり、標準税率よりも低くなって税額が抑えられます。

③ 解体後に住宅やアパートなどに建て替える。
 これによって住宅用地の特例の適用対象ととなります。ただし、新たに建てた家屋の固定資産税も発生するため、なかには節税になりえないケースも出てくる可能性があります。

④ 土地を公益のために直接占用する固定資産にする。
   これによって、固定資産税および都市計画税の減免を受けることが可能になります。
公益のための固定資産には次ものが挙げられます。
・町会事務所
・地域の講演所
・幼稚園や保育園
・病院
・学校
・社会福祉施設
・学校や病院、社会福祉施設等に付属する寄宿舎、等々

助成金・補助金、優遇措置等の活用

 自治体ごとに、解体や建て替え等に利用できるさまざまな助成金・補助金、および優遇措置を備えています。それらを活用することで、税負担や解体費用の負担をかなり軽減できます。

【解体工事に活用可能な助成金・補助金】
 自治体では、街の景観保持、防犯、家屋倒壊による危険性排除、地域の衛生環境保持等の点から、解体に際して補助金や助成金制度を備えています。これらを上手に活用することで、解体費用の負担を軽減できます。
 制度の名称や若干の内容は自治体ごとに異なりますが、主に以下のようなものです。

① 老朽危険家屋解体工事補助金
② 危険廃屋解体撤去補助金
③ 木造住宅解体工事補助金

 また、それぞれの申請要件なども自治体によって異なりますので、事前に家屋が存在する自治体の制度を確認しておきましょう。

 こちらのコラムでも解体工事に関連する助成金や補助金について取り上げていますので、ご覧ください。

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【税の優遇措置】
 空き家の譲渡所得の3,000万円控除。相続した家屋や敷地を売却した場合、一定の要件に当てはまるときには譲渡所得の金額から3,000万円まで無税になります。この特例は現時点(2023年9月)では2027(令和9)年12月31日まで適用されます。

解体等の計画時に留意したい、固定資産税の見直し時期

 家屋を解体する際、留意したいのがその時期です。すでに説明しているとおり賦課期日である1月1日の時点で家屋があるか否かによって特例措置の適用の有無が判断され、それ以降の降の期間の固定資産税等の額が変わります。
 なかには予定に反して、売却目的で解体工事をして更地にしたもののなかなか売れず、解体の時期によっては1年近く、もしくはそれ以上の期間、高くなった固定資産税を支払い続けることになります。もし売却を目的に解体を行うのであれば、買手が見つかってからの方が増えた税金を支払う期間が少なくできます。
 建て替えなどを検討しているものの、なんらかの理由で解体から次の建築工事まで期間が開いてしまうような場合があります。このときも、1月1日の時点で更地であれば、その後に建物があったとしてもその年の固定資産税は高くなってしまいます。
 また、土地や家屋の固定資産の評価は3年に1度見直され、それを反映して固定資産税等も変わります。次の見直しは2024(令和6)年になりますが、このときの評価によって固定資産税等も変化します。
 これらのタイミングを考慮しながら対策の計画を進めることが大切です。

 空き家対策としての解体工事やそれに続く取り組みなどを効率よく進めていくためには、計画が重要です。こちらのコラムで解体工事に要する期間について取り上げています。どうぞ参考になさってください。

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まとめ

 税負担は国民の義務であり、避けて通れないものです。しかし、できればその負担を減らしたいと多くの人は考えるでしょう。とくにあまり使用していない空き家に対してはなおさらです。
 空き家対策も含めて固定資産税等について取り上げた今回のコラムですが、空き家が社会問題となっている現在、特定空家に対して住宅用地の特例を外す措置を、特定空家以外の管理不全空き家等にも拡大する動きが出てきています。
 そのため空き家を所有する方々にとって、その対策は必須です。
 どのような対策がベストであるかは、それぞれの所有者の方の事情によって異なります。より積極的にさまざまなことに取り組む意識や環境が備わっている方であれば、建て替えをして貸家やアパート経営などの事業を始めることも可能でしょう。
 そういう状況になく、日常的な管理にもかなりの負担が生じている方の場合であれば、売却を検討する方がいいかもしれません。
 マトイでは解体工事のみならず、そういった土地活用に関するご相談にも対応させていただいています。どうぞ、お気軽にお声をおかけください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
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