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減築をお考えの方に。減築の解体方法、費用などについてご説明します。

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 解体にも、いろいろな種類があることをこのコラムでもお伝えしてきました。今回は、その1つである「減築解体」(以後、減築)について取り上げます。
 この減築という方法を知っていることで、家族構成が変わって今までの家が広くなったとき、古くて大きすぎる実家を相続したために解体を考えているときなど、その対策の選択肢が広がるでしょう。どうぞ、今後の参考になさってください。

減築とは

 「減築」とは聞き慣れない言葉かもしれませんね。減築は「増築」の反対語といえます。家屋や店舗・事務所などの建物の床面積を減らすことです。
 一般の家屋であれば、子どもたちの独立などで家族構成やライフスタイルが変わったことをきっかけに、店舗や事務所などであれば、縮小や分離など事業形態を変えたことで余分なスペースが出たのをきっかけに、減築を考えることが多いようです。減築という方法を知っておくと、解体以外に、古くなったりライフスタイルに合わなくなったりした家屋の対処方法の選択肢が広がります。

減築のパターンのいろいろ

 減築にはいくつかのパターンがあります。一般家屋を例に、どのようなパターンがあるかをご紹介します。

① 平屋の一部を撤去

② 2階建ての1階と2階の一部を撤去

③ 2階建ての2階の一部を撤去

 
④ 2階建ての一部を撤去して吹き抜けにする
 
        
⑤ 2階建ての2階部分を全部撤去して平屋に

減築解体のメリット

 まず、減築のメリットにはどのようなものがあるかについて、みていきましょう。

① 暮らしやすい環境になる
 間取りなどにもよりますが、減築で生活空間が縮小されてシンプルな間取りにすることで、生活動線が短くなって暮らしやすい環境を作れます。特に年齢を重ねていくと、バリアフリーも大切ですが、動線がシンプルで短いことで生活のしやすさや生活効率がよくなることが期待できます。

② 掃除や換気がしやすくなる
 使っていない部屋でも、毎日窓を開けて換気をしたり、掃除をしたりしている方も多いのではないでしょうか。それをしないと、何となくその部分の空気がよどんだような気がしてスッキリしない、という方もいらっしゃいます。
 減築をすることで、不要な部屋がなくなり、自分たちにとって真に必要なスペースだけにすることで、家事の負担を減らせます。

③ 冷暖房効率を高められる
 減築によって隣家とのスペースが広くなった場合、日当たりや風通しがよくなることがあります。また、家屋内の不要なスペースがなくなって縮小されたことで、冷暖房の効率がよくなり、電気代の削減も可能になります。

④ 防犯体制の向上が見込める
 複数階建ての家屋や広い家屋で使っていない部屋があると、犯罪者の侵入口となる死角が多くできます。減築することで、生活空間全体に自分たちの目が行き届くようになると、死角がなくなり安心です。

⑤ 耐震性を高められる
 2階建ての家屋では、1階に2階部分の重さの負荷がかかっているため、地震の影響を受けやすくなっています。そのため、2階を減築して平屋にすると、2階部分の負荷がなくなることから、地震の揺れによる影響を最小限に届けることができます。また、家屋の劣化を抑えることもできます。

⑥ 建て替えより費用を抑えられる
 家屋の広さを狭くしようとする場合、建て替えも検討するでしょう。しかし、建て替えと同じように家屋を狭くする減築では、解体費用や登記費用を安く済ませることができます。

⑦ その後のメンテナンス費用を節約できる
 建物を維持していくには、外装の塗り替えや内装では壁や床の張替えなどが必要です。減築することで、その範囲が狭くなるため、メンテナンス費用が軽くなります。

⑧ 固定資産税を減税できる可能性がある
 固定資産税は、土地や家屋の延べ床面積で決められ、土地や延べ床面積が広ければ広いほど固定資産税は高くなります。そのため、減築で延べ床面積が減ることで、固定資産税を軽減できる可能性があります。

減築解体のデメリット

 もちろん、あらゆることにいえるように減築にも、デメリットもあります。両方を合わせみて、より自分たちにとってのプラス面が大きいか、デメリットが許容範囲であるか、といったことを十分に検討して決めることが大切です。

① 工事費用が当初の予定よりも高くなる可能性がある
 減築解体を行う際には、外壁・屋根・柱などの一部に手を加えます。そこで、シロアリの被害があることがわかったり、耐震のために備えていた補強材を撤去せざるをえなかったりといった状況が生じる場合があります。そうなるとシロアリの除去や被害拡大を防ぐための対策、耐震のための新たな補強工事が必要となり、当初予定していた工事費用より高くなってしまうことがあります。全てが事前の調査でわかるものではありませんが、見積りの段階で確認をしっかり行うこと、そういった追加工事の費用も発生しうることを念頭に予算計画をすることなどが必要です。

② 工事中に仮に住む場所が必要になる
 工事内容によって、その家に住みながら工事が進められる場合があれば、そこに住む人は一時的に仮住まいに引っ越すことが必要な場合があります。その場合は、仮住まいのための物件を探して引っ越し費用や賃貸のための費用が必要になります。
減築工事のために仮住まいが必要な場合の留意点などは、こちらのコラムでも説明していますので、ご参考になさってください。

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建て替えたい方必見! 解体から建て替えまでの費用や段取りについてお伝えします

③ 雨漏りなどの欠陥が発生する可能性がある
 減築工事では屋根や外壁に手を入れるため、その後の防水対策などが不十分だと雨漏りなどが発生することがあります。そうした事態が起こらないように、業者選びではしっかりした作業を行ってくれるところ、施工後のメンテナンスについても相談できるところを選ぶとよいでしょう。

④ 収納スペースが減る可能性がある
 減築するということは、当然のことながらスペースが減るということです。家屋内の荷物がそのままの量だと、当然、収納に困ることになります。そうならないように、事前に不要な荷物は処分しておくことが必要です。同時に、収納スペースを増やすなど、しっかりと計画してから工事に取り掛かることが大切です。

⑤ 変更の程度によっては登記申請が必要となる場合がある
 減築によって床面積が変わった場合、法務局で建物の登記簿の変更が必要になることがあります。(10㎡以内の場合は不要)これは1か月以内に行わなくてはいけません。この申請手続きには費用がかかりますが、手続き方法と合わせてその詳細はその建物が所在する自治体によって異なるので、事前に確認が必要です。また、司法書士などにその代行を依頼すると数万円の費用が必要になります。

減築のための解体工事の流れ

 では、ここで減築解体工事を行ううえで理解しておいていただきたいことと、減築のための解体工事の流れについて説明します。

減築のための解体工事を行う際の留意点

 まず、減築のための解体工事はかなり繊細な作業となります。それは次の2つの理由からです。
 ・家屋全ての解体と違い、活かす部分への影響を最小限にし、状態をきれいな状態に保ちながら解体作業を進めなくてはなりません。
 ・残す部分をきれいな状態で解体できていないと、その後のリフォーム作業や出来栄えにも影響を与えかねません。

 こうしたことから、減築を依頼する業者はきちんと確実な仕事をしてくれる解体専門業者を選ぶことをお勧めします。そしてしっかりと現地調査を行い、家屋に構造的な問題点がないかを事前に確認することが大切です。例えばアスベストが使われている、シロアリの被害がある、などがわかった場合は、工事内容が変わってきます。
 アスベストが使われている場合は、特別な方法でアスベストの除去作業が必要になります。マトイでは、アスベスト主任技術者がいますので、責任をもった対応で処理させていただきますので、安心してお任せください。
 なお、アスベストを用いた建物を解体する場合には、適切な除去作業を行うことはもちろん、その使用程度によって決められた届け出をしなくてはなりません。それらについて、こちらのコラムでも説明していますので、ご覧ください。

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解体にまつわる届出を網羅!

減築解体工事の流れ

 減築のための解体工事の全体の流れは、通常の解体の流れと大きな違いはありません。しかし、実際の作業内容に違いがあります。その流れと内容を説明します。

(1)家の一部を解体して小さくしよう!

(2)解体業者を探す

(3)現地調査・相見積り・業者決定

(4)近隣への挨拶

(5)解体工事開始
① 解体部分と残す部分を区分けるために建物内部を養生する
② 建物の外側に足場を組み、養生シートを設置
③ 内装材、ガラス、屋根瓦等を撤去
④ 手作業や重機を使って、建物を切り離しながら解体
⑤ 切り離した部分に雨などが入らないように、ベニヤ板や養生シートで仮補修

(6)解体工事終了

減築に伴う行政への届け出や固定資産税について

 建物を建築・解体する際には、建築確認申請や建設リサイクル法に関する届け出が必要です。また、解体後には登記簿の変更申請が必要になります。また、減築によって延べ床面積が縮小した場合には、その程度によって固定資産税も変わるので、その手続きも必要になります。それぞれについて、ここで説明します。

【建築確認申請】
 建築確認申請とは、家屋を建築したり、大きな修繕や改築工事をしたりする際に自治体に必要な書類を提出し、建物がその土地の地盤や建築基準に適合しているか否かの確認を受けるためのものです。そのため、減築であってもその家屋の周辺環境や、どの程度手を入れるかによって建築確認申請が必要か否かがわかれます。まずは、業者や自治体の担当窓口に確認するとよいでしょう。

【建設リサイクル法】
 解体工事で建設リサイクル法の対象となる場合は
① 特定建設資材(コンクリート、コンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)が使われている建物
② 解体する建物の床面積の合計が80㎡以上
となります。工事を始める7日前までに届け出ることが必要です。

【家屋登記簿の変更申請】
 減築工事が済んだら、法務局でその建物の登記簿の変更申請を行います。これは変更から1か月以内に申請が必要です。法律としては、「減築」という言葉は使ってなく、「除却」という言い方をしています。この除却部分の床面積が10㎡を超える場合には届け出が必要となります。この届出を行うことで、固定資産税も現存する床面積に応じた額になります。

【減築後の固定資産税】
  固定資産税は、土地や建物の延べ床面積の合計から算出されます。いくら部屋の多くを使っていないとしても、部屋数が多く、延べ床面積が広ければ、その分、固定資産税は高くなります。ですから、減築して床面積を減らすことで、固定資産税を軽減することができます。
※各届け出に際しては、その申請方法や必要書類等がそれぞれの自治体によって異なります。事前に確認して行ってください。

減築解体にかかる費用に関連して

 実際に減築をしようと考えたとき、もっとも気になることはやはり費用のことだと思います。それによっては、減築ではなくて建て替えを選ぼうと考える方もいらっしゃるでしょう。

減築の費用の相場

 減築に関する費用の相場を、お伝えすることはできません。なぜならば、減築する建物の構造、補強工事の有無やその内容、アスベストやシロアリなどの被害の有無や老朽化の程度等々によって、費用の幅は大きいからです。
 やはり、複数社から見積りを取ったうえで、どのくらいの価格で工事が可能かその傾向を把握し、建て替えの費用と比較して判断することをお勧めします。

減築のために使える助成金など

 減築するにしても、建て替えをするにしても、高額な費用が必要になることに変わりはありません。それでも、できるだけ負担を軽くしたいとは、だれもが考えることです。
 減築工事では、通常の解体や立て替え、改修のときのように、次のような補助金やローンが使えます。

【耐震補助金】
 2階建てを平屋に、平屋の一部を減築する、耐震を高めるために壁に筋交いを入れる、というように建物の安全性を高める工事であることが認められた場合、耐震改修工事として補助金を申請することができます。事前に業者にその意向を伝え、耐震診断を行って可能な耐震対策を取り入れてみてはどうでしょうか。

【環境配慮型住宅リノベーション補助金】
 断熱工事や窓ガラスを複層ガラスに交換したりする際に、申請が可能です。これは減築に限らず、建て替えや新築などの際にも使えます。こういった環境配慮の対策を取っておくと、その後の暮らしやすさが格段と高まります。

【住宅ローン・リフォームローン】
 ローンを組むことで費用を返済しやすくなります。減築で利用可能なローンの種類として思いつくのは、リフォームローンです。しかし、住宅ローンの方が県債期間も長期で組むことができるため、毎月の返済額を抑えることができます。ローンの利用を検討している場合は、あらかじめ建築会社やリフォーム会社に伝えておくといいでしょう。

まとめ

 家族構成の変化やライフスタイルの変化に伴って、快適で効率的な生活空間のあり方は変わってきます。そんなときに、検討したいのが減築です。
 しかし、すでに説明したように、必ずしも減築が適切な選択肢というわけではありません。手を入れる部分が多くなればなるほど、費用はかさみます。そうなると「建て替えをした方がいいかも……」と、悩むことも出てくるかもしれません。
 そんなとき、ここで説明した減築のメリット・デメリット、そして施主様ご自身のライフスタイルを合わせて十分に検討することが大切です。もし、「専門業者の意見を聞いてみたい」ということであれば、どうぞお気軽にご連絡ください。いずれにしても、減築は住まいの快適性を追求するものです。皆様が不安やストレスなく、安心かつ効率的に暮らせる家づくりのお手伝いをさせていただきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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