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相続した家が未登記建物だったとき! 解体の方法や手続きについて

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 実家を相続したものの未登記だった、ということがあるようです。知人は、お父さんが亡くなった際に遺産を調べていたら地方の別荘用地があり、未登記の建物が建てられていたとのこと。「一体どうしたらいいのか……」と戸惑っていました。
 相続という事態になり、同じように戸惑っている人もいらっしゃるかもしれませんね。
 今回は、相続した家が未登記だった場合の解体について考えたいと思います。

相続した家が未登記だった!その家は解体できる?!

 その建物がきちんと登記されているか、そうでないか、ということは、日常においてあまり考えませんね。それだけに“未登記!”なんて言葉が出てくると、びっくりしてしまいます。まして、これから相続した家を解体して売却しようとか、解体して建て替えよう、などと考えていれば、出鼻をくじかれたような気分になってしまうことでしょう。

未登記建物は解体できます。でも……!

 まず、「未登記建物でも解体できる?」といった心配がわくことでしょう。
 結論を先に言うと、「未登記建物を解体することはできます」。ただし、その建物の所有権を主張する人が他にいない場合に限ります。もしも、相続人が他にいたり、所有権を主張する人がいたりする場合には、その人たちとの話し合いが必要です。それをしないで解体したら、トラブルを引き起こすことになりかねません。
 さらに、もし登記をしている人が別に存在している場合、その人に無断で解体すると建物等損壊罪に問われる恐れがあります。

未登記建物を解体する際に注意すべきこと

 未登記建物とは文字通り、登記していない建物です。そもそも登記とは、その建物の所有者を法的に明確にするものです。ですから、その建物を相続した人が解体しても問題はありません。
 しかし、確実に登記がされていないかを確認することが重要です。なぜならば、前項で触れたように、他の人によっての登記や、口約束だけであったとしても相続や贈与を約束した人が他に存在していた場合などは、トラブルに発展しかねません。

未登記建物の解体で最重要項目は家屋滅失届

 なお、別の人によって登記が行われていた、他に相続する人が存在しない、ということで解体できた場合、もっとも大切なことは家屋滅失届を提出することです。
 通常、登記されている建物を解体撤去した場合には、「建物滅失登記」の手続きを取ります。しかし、未登記建物はそのもともとの登記を行っていないので、建物滅失登記の手続きはできません。
 そこで建物滅失登記と同じように、建物の存在がなくなったことを証明する手続きとして「家屋滅失届」を行います。建物滅失登記と家屋滅失登記の違いは、手続きを行う場所です。建物滅失登記は法務局ですが、家屋滅失届は各市町村の役所の窓口に提出します。自治体によっては郵送や最近では電子申請でも受け付けるところが増えてきているようです。
 いずれかの方法で家屋滅失届をしないと、建物が解体されてなくなったことにならないため、翌年にも固定資産税納付通知書が手元に届く、といった事態を招きます。

 なお、未登記建物に関連する登記の流れや未登記建物の売却について、こちらのコラムで説明しています。解体に関連する事項にも触れていますので、お目通しください。

相続した家が未登記建物だったとき! 解体の方法や手続きについて

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未登記の建物を解体、売却するには。気をつけることや手続きなど。

相続した建物が未登記だった場合に行うべきこと

 では、相続した建物が未登記であったことがわかったとき、どのようなことを行うべきかについてここで説明します。

未登記のままにしておくとどうなるか?

 相続が発生するには、多くの場合、建物だけでなく親族間のいろいろなやり取りも発生して慌ただしい時期があることでしょう。そのため、相続した未登記建物の扱いなども、「大きな問題がないのであれば、未登記のままにしておこうか?」と思う人もいることでしょう。

 確かにその選択肢もないことはありません。ただし、役所からは固定資産税は求められます。その場合、未登記建物を相続していない他の相続人に納税通知書が届いてしまう可能性があります。そういった事態を招かないためには、最低限の手続きとして「所有者変更届」は届け出ておく必要があります。
 その他に、登記をしないでおくことのデメリット等がありますが、これについてはもう少し後で説明します。

まず「所有者変更届」はしておきましょう!

 未登記建物を相続した際、まず行っておくべきことは「所有者変更届」です。
 未登記建物を誰かが相続する事態が発生した場合、何人かいる相続人の誰かに納税通知書が届きます。相続する人が1人の場合は、その人に届きます。
 しかし、複数名存在する場合は、通知する側としては相続人のうちのだれが建物を相続するのかはわかりません。そのため、相続していない人に納税通知書が届いてしまうことが起こりえます。
 このような行き違いが起こらないように、未登記建物を相続した場合は、その人が役所に「所有者変更届」を出すようにしましょう。
 なお、所有者変更届の手続きには、次のものが必要です。

① 遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されているもの)または、それぞれの実印を押印した「私は建物を相続していません」ということを証明する承諾書。

② 相続人の印鑑証明書。
 自治体によってはその他に必要なものがある場合もあるので、事前に確認するようにしてください。

登記することのメリットとデメリット

 「ここまで登記しないで来たのに、なぜわざわざ登記しなきゃならない?」と思うこともあるでしょう。そこで、未登記建物のままにしておくことのメリットと登記することのデメリットには、どのようなものがあるかを見てみましょう。

■未登記建物のままでおくことのメリット

 未登記建物のままにしておくことのメリットは、登記するために生じる手間と経費が掛からない、という点にあります。
 登記を自分で行う場合、必要書類をそろえたり、登記のために法務局に出向いたりと、する負担がかかります。また、そういった手続きに慣れていれば別ですが、普段、登記や申請手続きなどに慣れていないと、必要書類や図面を準備するだけでも時間や手間がかかって大変です。
 この負担を軽減するために登記を土地家屋調査士に依頼すると、15万円前後の費用が必要になります。
 こういった時間的および経済的な負担から免れる点は、未登記建物のままでおくことのメリットといえます。

■未登記建物のままでおくことのデメリット

 どうするかはメリットだけでなく、デメリットも合わせて検討することが必要です。
 では、未登記建物のままにしておくことのデメリットには、どのようなものがあるかを考えてみましょう。

① 所有権を証明できない。
 そもそも登記は所有権を証明するものです。その登記がされていないということは、「自分が相続した建物」「自分が建てた家」と主張しても、法的に認められません。
 例えば、借地に建っている家を相続した後、なんらかの理由で地主に建物ごと立ち退きを要求されたとします。その建物が登記されているものであれば、「建物買い取り請求権」を行使して地主に建物を買い取ってもらうことができますが、未登記建物であった場合、それは難しくなります。そのため、自分の負担で建物を解体撤去するしかありません。

② 過料に処される可能性がある。
 まず、建物を建てたときは「表題登記」といわれる登記を行うことが、法律(不動産登記法第164条)によって決められている義務です。これが行われていない場合は10万円以下の過料の支払いを要求される場合があります。もしもそうなった場合、登記する費用よりも多くの金額となる過料を負担することになります。

③ 融資を受けにくい。
 例えば、ローンを組んで相続した家の建て替えや大規模なリフォームをしようとする場合、建物を担保にします。その際、未登記建物では住宅ローンを組んだり、融資を受けたりすることが難しく、建物の表題登記および所有権保存登記を行う必要があります。

④ 売却が困難。
 所有者はもちろん、その家を買おうとする人にとっても、その家が登記されているか否かが大きく関係してきます。家を購入しようとする人の多くは、購入する家を担保に住宅ローンを利用します。しかし、その物件が未登記の場合、ローンの利用が難しくなるのです。それでも購入したい場合は一括払いをすることになりますが、そういう買い主を探すのはかなり難しく、売却できるまで時間がかかる可能性があります。そして、売却できるまでの間、その家の固定資産税を支払い続けなくてはなりません。
 建物の売買を検討する際、自身が所有する土地に建っている建物か、借地に建っているものかによって、計画の進め方や留意点が異なってきます。さらに借地の場合は、建物の売却に伴い借地権を地主に返す場合もあるでしょう。そんな計画をしている方は、借地を返す際の流れなどについて説明しているこちらのコラムをご覧ください。必要な情報が見つけられるはずです。

相続した家が未登記建物だったとき! 解体の方法や手続きについて

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借地を返すときの流れは?

メリット・デメリットとともに知っておきたい未登記建物の固定資産税

 未登記建物の相続後の扱いをどのようにしようか検討している際、前項にあるような未登記のままでおくことのメリットやデメリットを考えることと同時に、固定資産税がどのようになるかについても知っておくことが必要です。
 不動産に関する税金は主に固定資産税ですが、それとともにその土地や家屋が市街地に位置する多くの場合、都市計画税も課せられます。
 これらの税金が、未登記建物の扱いによってどのように変化するかは、次の通りです。

【未登記建物がそのまま存在している場合】
 登記・未登記に関係なく、土地と家屋に対する固定資産税が課せられます。これは登記とは別に、役所は建物の所在をさまざまな方法で把握して課税しているからです。

【未登記建物を解体した場合】
 建物が存在しないため、所有する土地だけの固定資産税が課せられます。よって、支払う税金の額は少なくなります。
 ただし、これは役所に「家屋滅失届」を行うことが前提です。この届出を行わないと、役所はその建物が存在しているものとして固定資産税等の徴収を続けます。

【未登記建物を解体し、土地も売却した場合】
 売却によって得られた利益に対して、譲渡所得税がかかります。しかし、土地・家屋の固定資産税を支払い続ける、という状態はなくなります。

相続を機に登記

 登記することのメリットは、その建物の所有者が明確になる、そして登記によって売買やその際に必要となる融資が受けやすい状況になる、という点が大きいと思います。また、それによって相続した家屋の活用の可能性が広がるため、未登記建物を相続した場合には、それを機に登記するとよいのではないでしょうか。

未登記建物の相続で必要になる2つの登記

 土地や建物は、登記によってそれぞれ個別の不動産登記事項証明書の情報がまとめられています。この不動産登記事項証明書は、土地や建物の状態を示す「表題部」と、それらをだれが所有しているかを示す「権利部」に分かれています。相続を機に未登記建物の登記を行う場合、「建物表示登記」と「所有権保存登記」の2つの登記を行う必要があります。
 建物表示登記と所有権保存登記を行うことで、その建物の所有者としての権利を守り、売買などの対象とすることができます。

【建物表示登記】
建物の物理的な現状(所在・地番・目的・面積・登記日時など)を示す登記

【所有権保存登記】
誰がその建物の所有者なのかを示す登記。

登記の際の留意点

* 相続人が複数存在する場合は、相続人全員で遺産分けの話し合いを行い、未登記建物の相続人を決定しておくことが必要です。また、その結果を「遺産分割協議書」に記載し、かつ、相続人全員の署名と実印の捺印をします。なお、相続人が1人だけの場合は、この必要はありません。

* 遺産分割協議書に相続対象となる建物を記載する際、登記されているものであれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積等を記載しますが、未登記建物の場合は納税通知書に記載されている情報をそのまま省略せずに記載し、最後に「未登記のため、〇〇市長発行の令和〇〇年固定資産納税通知書の記載による。」といった文言を加筆しておきましょう。

* 未登記建物を相続した場合、その建物を相続した人の名義で最初から登記することになるため、相続登記は必要ありません。(相続登記は登記されている建物等を相続する場合、亡くなられた方の名義から相続人の名義に変更する場合に行うものです)

* 登記手続きを第三者に依頼する場合は、表示登記は「土地家屋調査士」、所有権保存登記は「司法書士」に依頼することになります。

 なお、登記・未登記に関係なく、相続した家を解体する際に知っておくべきことについて、こちらのコラムで説明しています。参考に、ご一読なさってみてください。

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相続した家の解体は? 費用や手続きはどうする?

登記の有無はこうして確認

 もし、不動産を相続する場合、まず行うべき大切なこととして、それが登記されているか否かを調べることです。その方法には、固定資産税納税通知書を調べる方法と法務局で確認する方法があります。

【固定資産税納税通知書から確認】
 固定資産税納税通知書は、毎年6月ごろに送られてきます。同通知書の書式等は自治体ごとに異なりますが、記載内容は同じです。そのため、通知書を確認し、次のような状態であれば未登記ということになります。

* 建物に関する欄に「未登記」と記載されている。

* 「家屋番号」と書かれた欄が空欄になっている。建物が登記されると、法務局では家屋番号を割り振ります。その番号がないということは未登記であることを意味します。

 しかし、ごく稀に記載内容が間違っていることがあります。ちょっと二度手間のようではありますが、固定資産税納税通知書を確認した後、法務局での登記内容の再確認を行うと、より確実で安心できます。

【法務局で確認】
 建物が所在する法務局の戸籍課で登記簿(全部事項証明書)の交付を申し込みます。これを申し込んで取得できれば、登記されているということです。未登記の場合は取得できません。なお、この申し込みはオンラインでも可能ですが、対面やオンラインのいずれの場合も、本人確認のため運転免許証やマイナンバーカード等がです。

まとめ

 建物や土地を相続するというのは、人生のなかでも大きな出来事だと思います。しかし、図らずもそれが「登記されていない!」ものだったとしたら、慌ててしまうのは当然でしょう。不動産の扱いに慣れている人であればまだしも、そうでない多くの人にとっては気持ち的にも負担になることと思います。
 その場合、まずは相続した家や土地の扱いをどのようにするべきか、そして未登記という問題にどのように対処していくべきかを1つ1つ考えて、対処していくことが必要です。とはいえ、その取り組みを1人で行うのは大変。私たちマトイでは、そんな段階からでも皆さんのお力になれます。
 解体工事はもちろんですが、それ以前の検討段階からどうぞお気軽にお声を掛けてください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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