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階上解体って何? その方法とより安全な工事について

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 今回、取り上げる「階上解体」という言葉、皆さんはお聞きになったことはありますか?
 「建物の上の部分だけを解体すること?」
 私自身も、当初は何のことだかさっぱりわからずに、その言葉から勝手なイメージを抱いていました。解体業や建築業に携わっている人以外にとっては馴染みのない言葉で、なかなかわかりにくいと思います。
 階上解体とはビルの解体方法の1つですが、ビルオーナーの方以外でも身近な場所で見かけるビルの解体風景にも、工法などを知ることでちょっとした好奇心がわいてくるかもしれません。

階上解体について

 解体と一口にいっても、解体するものによって工法や工事にかかる日数、使用する重機などが異なってきます。そのなか、今回、取り上げる階上解体はビルの解体工法の1つです。

「階上解体」という解体工法

 階上解体は、「大型クレーンで重機をビルの屋上に吊り上げて、ビルの上部から順番に解体していく」といった解体方法です。
 最初に取り掛かった上層階の解体が終了したら下の階に向けて床に穴を空け、そこから解体で発生したコンクリートガラを落とし込んでスロープを作って重機を下の階へと移動させ、次の解体に取り掛かります。
 外側から解体風景を眺めると、解体中のビルの上で重機が解体作業をしている様子が見えます。
 この工法は、敷地いっぱいにそのビルが建っていて大型重機を設置するスペースを確保できない、またはスペースがあったとしてもビルのクレーンが最上部まで届かない、といった場合に用いられます。
 しかし、こういった理由以外でも、階上解体はビル解体の一般的な工法として多く用いられています。

「階上解体」の課題

 階上解体を行う際の課題として挙がってくるのが、解体するビルの耐荷重です。
 重機をビルに乗せて解体撤去作業を行う階上解体では、そのビルが重機の重量に耐えられるかどうかが大きな課題になってきます。
 ビルのなかにはスラブと呼ばれている鉄筋コンクリート造の床の部分に、十分な鉄筋が入っていないような粗悪な造りのものがあります。それを把握しないで重機をビルの上に吊り上げ、積んでいくと床の崩壊を招く恐れがあります。
 このためにとても重要になってくるのが、次項でも説明する工事着工前の現地調査です。ビルの状態をしっかり見極め、それを基にした解体計画に沿って正確かつ慎重な作業を行うということが大切になります。
 解体するビルの状態をしっかりと事前の現地調査で確認し、重機の重さに耐える力が弱いことがわかれば、床面にサポートジャッキを入れるなど補強作業を行って安全に解体工事を進めていきます。

ビル解体に用いられる、その他の工法

 階上解体のほかに、ビルの解体工事には次のような工法があります。参考までにご紹介しておきます。

① 地上解体

 階上解体とは逆の工法です。超大型の重機である「超ロング解体機」や「超ロングビーム」などを地上に設置して、ビルの上部から順に解体していきます。階上解体と異なり、床面の強度が弱かったとしてもそれに関係なく工事が行えます。

② ブロック解体

 タワークレーンのような大型のクレーンをビルの一番上に取り付け、ビルを階ごとのブロックにして地上へと吊り下げ、地上で解体します。高さに関係なく行われる工法で、高層ビルの解体で用いられています。

③ だるま落とし式解体

 これは東京赤坂にある有名ホテルの解体工事の際に取り入れられた工法で知られています。一番下の階のフロアの柱をジャッキで補強後、柱を切断し、壁や天井を解体します。そしてその部分の解体が終了したら、ジャッキを下げて次の階の解体へと移ります。傍目からは、解体中のビル全体の様子にさほど大きな変化が見られないけれど、徐々にビルが低くなりながら解体されていきます。

④ 上部閉鎖式解体

 建物の上部に天井クレーンを設置して、上の階から囲い解体し、ガラなどの廃棄物も解体しながらクレーンで下ろしていきます。そのため、騒音や粉塵の発生が低い工法です。
 このように解体工事ではさまざまな工法があり、それぞれの工法や建物に応じた重機や工具を用います。が、一般家屋よりも頑健に造られているビルの解体工事では、さらにその種類も多様です。こちらのコラムで、重機やその扱いにおける注意点などをご紹介していますので、ご覧ください。

階上解体って何? その方法とより安全な工事について

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解体で使用する重機はどんなもの? 安全対策、音の対策についても

ビル解体の流れ

 ビルの解体は前述のようにどのような工法で解体するかの違いはありますが、その流れは、以下に記したように一般家屋の場合と大きな違いはありません。しかし、規模が大きくなるために費用はさらに高額になり、現地調査に必要な時間や工期も長くなります。

① 現地調査
② 相見積りによる見積り書の確認と業者の選定
③ 業者との契約
④ 選定された業者による詳細な現地調査
⑤ 近隣への挨拶回り
⑥ ガス、電気、通信など、インフラ設備の撤去に関する諸手続き
⑦ 足場と養生の設置
⑧ 解体計画に沿った工法による建物の解体
⑨ 整地
⑩ 施主様による現場の最終確認
⑪ 工事費用の支払い(支払い方法や支払時期は、着手金としての前払い金が必要になるなど、業者との取り決めによって変わってきます)

階上解体を行う際の安全対策

 どのような建物でもそうですが、安全対策は欠かせません。とくにほとんどが鉄骨造や鉄筋コンクリート造で、一般家屋と比べて規模も大きなビルの解体工事ではなおさらです。
 そこで、私たち業者は、ビルの解体工事に際して、安全を保つために次のような対策を取っています。

【入念な現地調査】
 階上解体では、床が崩壊するなどの1つの事故が、さらに大きな被害をもたらすことにつながります。それだけに建物の躯体の構造や強度等を現地調査の段階で、設計図と照合したり、あらためて計測をしたりしてしっかり把握します。
 とくに地中杭をはじめとした地中埋没物や建物の傾きやゆがみなどに対して、必要に応じて電磁波レーダーによる鉄筋探査やひずみ計を用いた計測なども行います。さらにアスベスト使用の有無も必ず確認しておきます。

【現地調査時の調査データの正確な分析に基づいた解体計画の立案】
 現地調査の結果、必要であれば追加調査なども行います。そしてそれぞれの結果から床面の耐荷重などを正確に割り出し、必要に応じてスラブ間に強力サポートや四角支柱などを設置するといった補強作業、アスベスト除去作業等を含めた解体計画を立てます。

【解体計画の共有】
 綿密な事前調査データに基づいた解体計画は、作業に携わるスタッフ全員に周知徹底することが大切です。全員が解体計画を理解し、それに沿った行動をすることで安全が担保されます。

【現場責任者や作業主任者の配置】
 解体計画の共有とともに、現場全体の状況を把握・管理する現場責任者や作業主任者を選任・配置します。工事全体の進捗状況の把握、工事の進捗に応じた安全対策の確認と対応、外部との対応等を担い、安全確保に努めます。

【交通誘導員やガードマンの配置】
 さらに現場周辺の道路には、交通誘導員やガードマンを適正に配置します。これは、現場付近を通行する人の安全確保のために欠かせないことです。さらに、関係者以外の人の現場立ち入りはとても危険です。相手の安全と、円滑な工事進行のためにも、関係者以外の人が無断で工事現場に立ち入ることを防ぐためにガードマンの配置が必要です。

【近隣住民の方々への挨拶と工事の説明】
 解体工事自体、騒音などで近隣の方々へ少なからず迷惑をかけますが、ビルの解体工事となるとなおさらです。そのため、近隣の方々への説明は欠かせません。その際に工事期間や工事方法などの説明を丁寧に行います。これによって、近隣の方々の注意喚起や理解を求めやすくなります。

安全なビル解体工事遂行のために私たち業者が日々心掛けていること

 前述のような安全対策のほか、解体工事に携わる者の1人ひとりが、作業に当たって安全管理・安全対策のために心がけていることがあります。それは次のようなことです。

【解体計画の熟知徹底】
 現場ごとの解体計画を、しっかり把握すること。そして日々の作業内容については、毎朝の作業開始前のミーティングで確認を行います。

【作業に適した服装】
 とくに解体現場は、コンクリートの塊やガラスの破片、先端が鋭利になった瓦礫などが山積みになっています。そのなかで作業するために、長袖の作業着、ヘルメット、安全靴、防塵マスク、保護メガネ、などを適切に着用します。

ビルの解体を依頼する際のポイントや注意点

 解体工事の流れを見てもわかるように、ビルの解体といっても施主様が行うことや工事の流れは、基本的に大きな違いはありません。しかし、規模が大きくなること等から、工事依頼や工事進行に際して次のようなことを心掛けておきましょう。

① 依頼する業者は、建設業、トビ・土木工事業、解体業といった許認可がある業者を選びましょう。

② 業者選びは、相見積りによって複数の業者から検討します。

③ 解体工事費用がさらに高額になるビル解体では、見積り金額に重点を置いて業者を選びがちです。しかし、見積り金額の内訳の確認、業者の対応の良し悪し、なども見ながら業者を決定してください。
 解体業者の探し方から業者を選ぶ際のポイントについて、こちらのコラムでも取り上げています。どうぞご一読なさってください。

階上解体って何? その方法とより安全な工事について

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解体業者はどう探す? 探し方の段取りや計画について。

④ 関わる業者数が増えると、トラブルの発生率も上がる傾向にあります。解体工事では、アスベストに関しては、一般建築物石綿含有建材調査員による事前調査や取り扱い作業について石綿作業主任者の配置が必要です。また、発生した産業廃棄物の搬出には産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。もし依頼する業者にこうした有資格者や許認可がなければ、その部分を他の業者に任せるようになります。マトイでは、石綿作業主任者をはじめ、営業スタッフ全員が一般建築物石綿含有建材調査員の資格を有しています。また、産業廃棄物収集運搬業の許可も得ているので、工事の進行をよりスムーズに進めることができます。
 アスベストに関しては、こちらのコラムでも詳しく説明していますので、どうぞご覧になってください。

階上解体って何? その方法とより安全な工事について

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家の解体を考えるとき、知っておきたいアスベストのこと

⑤ 解体後に新たな建物の建築や施設設置などを計画している場合、解体工事も含めて建設会社に依頼することが多いと思います。もちろん、その方が業者選びにかける時間や手間など、施主様の負担は少ないと思われます。しかし、この場合の費用には中間マージンが含まれています。もし、費用を抑えたいとする場合は、分離発注によって中間マージンの分を安くすることができます。この判断は手間を省きたいか、少しでも費用を抑えたいか、施主様のお考えによって変わるところです。
 分離発注については、こちらのコラムで詳しく説明しています。ご一読のうえ、検討の際の参考になさってください。

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解体工事は解体会社に直接依頼がオトク! 分離発注についてまとめました

まとめ

 一般的な住宅よりも大きく、鉄筋コンクリート造や鉄骨造などの頑丈な造りであることなどから、ビルの解体撤去は工期も長くなり、現場周辺に暮らす近隣の方々への影響も大きくなります。そのため、綿密な解体計画とともにより多くの安全対策や周辺への配慮が必要です。
 そういったことをしっかり心掛けながら、安全で施主様の納得がいく工事を行うには、どのような業者に依頼するかが大きなカギとなるでしょう。
 今回のコラムでは、ビルの解体工法として一般的な階上解体を切り口に、安全なビル解体のために業者がどのような点に注意しているかなどについても説明をしました。この点なども、施主となる方々の業者選びに役立てていただけると幸いです。
 ビルの解体工事では、「建物の状態と周辺環境に合った工法」、「安全対策」、「施主様、近隣の方々、そして職員間の細やかな配慮」が大切です。この3点をつなげるものは、なによりも「コミュニケーション」だとわたしたちマトイは考えています。
 細やかでよりよいコミュニケーションを常に心掛けながら、日々の作業に向き合っています。どうぞ、わからないこと、業者に望むことなど、皆さまの忌憚のない声をお聞かせください。そうして皆様とのよりよい関係を築きながら、質の高い解体工事を行っていきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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