解体をする際、家の中をどこまで片付けたらいい?
かいたいコラム 家の解体工事に際して、負担に感じるものの1つに「家の中に残っているものを片付ける」作業があります。もちろん、業者に任せることもできますが、だとしても残しておきたい品々の分別作業があるとともに、業者に支払う手数料や処理費用が必要になります。
そのため残置物の量は、解体工事の費用に影響するものなので、できるだけ施主様側で処分することが全体の経費を抑える大きなポイントとなります。
そこで業者を上手に利用しながら、できるだけ施主様の労力や費用を抑えながら、家のなかにあるさまざまなものの片付ける要点を取り上げます。
解体前、どこまで片付ける?その目標設定
解体工事にあたって、家のなかに山のようにあるさまざまなもの。できれば施主様側ですべて片付けられるといいのですが、それは施主様の事情によって変わってくるでしょう。
片付けには、時間も労力も、そしてそのやり方によってはお金もかかります。それらを考慮しながら、どこまで片付けたらいいのか、その目標設定を考えてみましょう。
残置物の片付け作業は、解体工事を始めるために大切なものです。ただ、それ以外にも行うべきことはいろいろとあります。その流れに沿って片付け作業を行うことも大切です。こちらのコラムでは、家の解体工事を始める前に行うもろもろのことについて説明していますので、こちらも参考にして片付け作業の計画にお役立てください。
理想的な片付け目標
片付けを行うにあたって、工事進行をスムーズに、そして経済的負担も可能な限り少なくする片付けの状態は、“自分たちで家のなかを空っぽにする”ことです。
この「空っぽ」の状態が、家の解体工事にあたっての理想的な片付け目標になります。
事情に合わせた目標設定
しかし、現実的にこれはかなりハードルの高い目標です。例えば、大きな洋服タンスを自分たちだけで、粗大ごみの収集場所に出すのは重労働。もし女性だけの家庭や高齢者だけの家だったら粗大ごみさえ自宅前に出せないことがあるかもしれません。このように、施主様ご一家の家族構成や仕事の関係によっても、解体工事前の片付けがどの程度できるか、という点は変わってきます。
時間もマンパワーもある場合
時間もマンパワーも整っているというのは少ないケースですが、施主様側に片付けにあてられる時間の捻出が可能な人がいて、しかも手伝えるマンパワーがそろっていることがあります。
この場合は自分たちで片付けの計画を立て、役割分担をしながら片付けていることで、前項に挙げたほぼ「空っぽ」の状態まで皆さんで片付けることは可能でしょう。
ただ、電化製品などは廃棄処分が他の廃棄物とは別にリサイクルの手続きが必要であったり、電気配線にも関係する場合があるので、注意が必要です。
時間確保が難しい場合
共働きの家庭や商店などを家族経営しているといったケース、仕事が忙しくてなかなか時間確保が難しいといった場合があります。
こういう施主様の場合は、あとで説明するような業者を活用しながら片付けを進めることができます。それでも、まるっきり人任せにはいかず、施主様として行うべきことがあります。それは業者に処分等を依頼するものの選定、それに合わせた業者への依頼、自分たちだけで行う物品の片付けのスケジュールや段取りを決めることです。
なお、業者を利用する場合、電化製品の処分に必要なリサイクル料に業者への手数料が加わって割高になるため、事前の見積りや確認が必要です。
時間はあってもマンパワーが足りない場合
さまざまな事情で、片付け等を行う時間はあるものの、それを手伝ってくれる人がいない、という場合もあります。自分だけでやる気はあっても、やはり大きな家具や重たいもの、そして家のなかにあるさまざまなものを1人で片付けるのは至難の業といえます。
ただ時間があるのであれば、片付けに充てる期間を長く計画に入れ込んで、コツコツと進めていくことも可能です。問題になるのは、大きな家具や重たいものの搬出です。これらのなかで必要なものは引っ越し業者や運送業者に依頼し、不用品については不用品回収業者等を利用できます。
さまざまな家族構成やライフスタイル、そして事情を抱えて家の解体工事に臨まれるとき、疑問点や問題点に対してどのように対処すべきか迷われることでしょう。
そんな施主様に対して、マトイでは残置物の処分等も含めて無料見積りをさせていただいています。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
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解体費用にも影響する残置物とその処理について
同じ廃棄物でも、一般の廃棄物と産業廃棄物とでは処理費用が大きく異なります。例えば、衣類を例に挙げてみましょう。
不要になった約1㎏の衣類を廃棄する場合、地域のごみ回収日に出せば費用はゼロ円です。せいぜいかかったとしても、不要になった衣類を入れる袋が10円前後かかる程度です。
しかし、解体する家に置いたままにした場合、解体業者によって他の廃棄物と一緒に産業廃棄物として処理されます。衣類のようなものは繊維くずとして扱われ、その処理費用は1tで約40,000円以上かかります。これは1㎏40円~ということになります。
もちろん、ほかのものについても残置物としてそのままにしておくと、産業廃棄物として扱われて、かなりの処理費用が解体費用に加算されることになります。“ちりも積もれば……”ということで、解体費用をできるだけ抑えるためにも不用品等は自分たちで処分するほうが経済的です。
こちらのコラムでも、解体に際しての廃棄物の取り扱いや処理方法について説明していますので、どうぞお目通しください。
家の中にあるものはどんなもの?
一言に「片付け」といっても、家のなかにはさまざまなものがあります。そして廃棄に際しては、それぞれに応じた廃棄の仕方があります。まずは、家の中にどのようなものがあるのか、あらためて把握しておくと片付けもしやすくなるでしょう。
あらためて家の中にあるものを再チェック
あらためて家にどのようなものがあるかを見てみましょう。以下に挙げているものは、一般的なものの数々です。
① タンス、本棚、棚、ベッド、テーブル、ソファーなどの大型家具
② 衣類やカーテン、タオルなどの布製品
③ 食器や調理器具
④ 冷蔵庫、エアコン、テレビなどの大型家電
⑤ プレイヤーやアイロン、調理用ブレンダー、ドライヤーなどの小型家電
⑥ 食器やガラス製品
⑦ 冠婚葬祭などでいただいた使わないまましまわれている贈答品
⑧ ストックしてあった飲み物、缶・瓶詰、レトルト食品、各種調味料など
⑨ 本や書類などの紙製品
⑩ 布団やシート類
⑪ その他
このほかに、人によって趣味の品々やお子さんがいる方であれば玩具や教科書・参考書など、それぞれのライフスタイルに応じたものがあるでしょう。さらに、実家のように何世代もの家族が過ごしてきた家には、代々の思い出の品などが詰め込まれているはずです。
片付けるものを分類する
あらためて見ると、家のなかにはさまざまなものが積み込まれています。その種類と数の多さに驚き、「どこから手を付けたらいいんだ!」と戸惑うことでしょう。そこで、必要でとっておきたいものとそうでないものの分類の基準をおおまかに決めておくと、その先の片付けがしやすくなります。
必要なもの、手放したくないものを選択
最初に「必要なもの」と「手放したくないもの」をピックアップします。さらに、それらに適した収納スペースの確保ができるか否か、という点で選別を進めていきます。
収納スペースの確保ができないものについては、残念ですが、処分すべきものとします。
不用なものを分類
次に、要処分として残ったものを、適切に処分できるように分類します。
処分方法には、廃棄物として処分するほかに、買い取りサービスやリサイクルショップ、ネットオークションなども活用しましょう。そのうえで、残ったものを廃棄物として次のようにわけます。
【一般ごみ】
食品類・紙類・布類・プラスティック製品類・靴・鞄など、家庭から排出される小型の可燃物です。
これらは解体する家が所在する自治体で決まった分類方法でわけ、それぞれの回収日として決められた日に出しておきます。なお、新聞紙やペットボトル等は、できる限り資源ごみの日に出すようにしましょう。
【粗大ごみ】
自転車・ソファ・テーブル・本棚などは、自治体の粗大ごみ回収に出せます。
【家電製品】
家電製品については、エアコン・冷蔵庫・洗濯機・乾燥機・テレビなど、そしてパソコンをはじめとした28品目の小型家電は、それぞれ家電リサイクル法や小型家電リサイクル法といった法律に基づいてリサイクルするための回収方法が定められています。
家電製品に関する法律および処分方法については、こちらのコラムをお読みください。
片付けの負担を少なく、スムーズに進める対策
できれば片付けは、あまり無駄な労力や費用をかけずに進めたいもの。それには計画的に、そして可能な業者のサービス等の利用も検討するといいでしょう。
業者を活用して負担軽減
業者を利用するというと、「費用がかかるのではないか?」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、買い取ってもらうサービスもあり、利用することで収入を得られて、経済的負担の軽減に役立てることもできます。
各種買い取りサービスを利用
残置物の片づけをする際、利用したいものの1つが買い取りサービスです。これにはいくつかの種類があります。
① 骨董店や骨董専門の買い取り業者
古い家や骨董収集の趣味を持っている方がいらした家では、年代物の骨董がある場合があります。また一見、骨董品といわれるようなものではないものでも買い取ってもらえるものがあります。例えば、昔、何かの景品として付いていたおもちゃや銀行や郵便局などからもらった貯金箱などなども状態によって買い取ってくれる業者があります。「古いから捨てる」というのではなく、古いものも、その種類に応じた業者に見てもらうことで買い取りの対象となります。
② 古書店・貴金属買い取り店
書籍類は古本として買い取ってもらうことが可能です。廃棄する前に古書店などに問い合わせてみるといいでしょう。同じく貴金属も、貴金属専門とする買い取り店で査定を受けたり、買い取ってもらったりできます。
③ リサイクルショップ
衣類や装飾品、食器類などを買い取ってもらえます。
④ 不用品回収業者
とくに回収内容を限定することなく、不用品を買い取ってくれる点で、依頼者側の手間は省けます。しかし、回収業者のなかには「高価買い取り」「無料査定」などとうたっておきながら、実際には高額請求するような業者もいるため、注意が必要です。
フリマサイトに出品
荷物を送る手間はかかるものの、買い取り業者が引き取ってくれないようなものや小さなアクセサリー類などでも買い手が付く場合があります。さらに地元に特化したフリマサイトであれば、交渉によっては直接受け取りに来てもらうことも可能です。
親族や知人・隣人に無償で譲る
買い取りサービスやフリマサイトとともに活用したいのが、親類や知人に無償で譲ることです。また「ご自由におもちください」と書いたメッセージとともに、家の前に不要なものを並べて必要な人にもち帰ってもらう方法もあります。
自分にとって不要で意味のないものであっても、人によってはそれを必要としていることもあるのです。
地域の粗大ごみやごみ回収を活用
前述の買い取りサービスやフリマ、そして知人や友人に譲るなどの方法をとったうえで、残ったものの廃棄処分に移ります。これには地域のごみ回収を利用するのが、最も経済的です。その際は自治体によって決められている分類方法、および「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ごみ」といった内容ごとに決められている収集日等を守って、利用するようにしましょう。
また粗大ごみについては、それぞれの自治体窓口に連絡をして申し込みます。そのうえで指定された日時および場所に粗大ごみを運び出します。
なお、これまで粗大ごみを出す際には、事前にコンビニや金融機関等で粗大ごみ収集シールを購入し、廃棄物にそれを貼付していました。でも、最近は粗大ごみの処理手数料の電子決済が可能になってきました。手数料の支払い方法についても、粗大ごみの申し込みの際に確認しておくようにしてください。
解体業者に依頼
それでも回収しきれないものなどもあります。有料にはなりますが、廃棄物のなかには解体業者が処分したほうが安くつくものがあります。もちろん、その逆で高くつくものがありますので、ここで説明します。
【解体業者を利用するといいもの】
タンス・テーブル・木製ベッド・棚といった木製の家具、スチールラック・スチールベッドなどの金属製品は自分で処分するよりも、解体業者に依頼したほうが安く済みます。
木製製品は、家の解体時にまとめて壊して一緒に処分でき、多くの場合、業者の無料サービスとなります。また、金属製品については、金属スクラップとして買い取り業者に買い取られるために費用は発生しないからです。
もし、これらを自分たちで処分しようとすると、粗大ごみとして出すか、不用品回収業者に処分を依頼することになります。いずれの場合も処分費用が生じます。
※分量や材料により異なる場合があります。詳細は解体業者にご相談ください。
【解体業者を利用すると費用が高くなってしまうもの】
これには、本・雑誌、そして意外にも調味料の瓶類があります。
実際、これらのものは地域のごみ回収や資源ごみ回収の際に出せるものですので、そちらを利用したほうが断然、経済的です。
とくに注意したいのが調味料の瓶類です。よくキッチンの棚などに置かれたままの状態になっているのを見ます。これは「片付けるのが大変」というよりも、「その存在を忘れている」、「キッチンの引き出しや棚を見忘れている」といったことが多いようです。
マトイでは、無料見積り・無料相談に対応しているほか、解体工事をご依頼いただいた際には担当させていただく営業スタッフが、事前の打ち合わせの際に残置物の処分等のご相談を受けるとともに、施主様が片付けに際して見落としがちな点等についてもお伝えしています。ご不明の点やご不安な点など、お気軽にお話しください。
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家の解体前の片付けを進めるときのポイント
片付けの際に買い取り業者を活用することで家の中に埋もれていたものを必要な人に届け、しかも経済的な負担を減らせます。是非、上手に活用したいものです。
この点も含めて、実際に片付けを進める際のポイントをまとめましたので、参考になさってください。
解体前の片づけを進める流れ
片付けを実際に始めるに際しては、次のような流れで進めていくといいでしょう。
① 買い取り業者を選んで査定・買い取りを依頼。
② 親類や知人などに譲る。
③ 残った不用品の片づけを開始。
④ 自分たちでは片付けられないものの片づけを業者に依頼。
業者依頼および片付けのポイント
買い取り業者の依頼を含めて片付けを行う際のポイントを説明します。
① 買い取り業者は、できるだけ処分するものに応じて使い分ける。
買い取り業者でも、扱う商品に得意とするものがあります。不用品の内容に応じた買い取り業者を選ぶことで、そうでない買い取り業者よりも良い条件で引き取ってもらえます。
古い器・骨董品・家具など……骨董店・古道具屋
アクセサリーなどの貴金属類……質屋・ブランド品買い取り業者
古書・専門図書……古書および専門図書を扱う専門書店
和装着物類……着物を専門とする古着屋・買い取り業者
② 片付けを始める前に買い取り業者に査定・見積り等を依頼し、買い取ってもらう。
③ 自分たちで片付けが難しいものがはっきりしてきたら、解体業者や不用品解体業者に見積りを取ったのちに依頼
効率よく片付けていくためのルールと「捨てるものリスト」
実際に片付けを進めていく際には次のルールを決めて、それに沿って進めていくと効率が上がります。
① その日1日で片付ける範囲を決める。
一気に「家全体の片づけをする」と思うと、それだけで疲れてしまいます。もともと家の片づけは1日でできるものではないので、その日その日を単位にして進めていきましょう。
② 30分間(体力・気力に自信がなければ15分間)を作業時間の単位として、片付けに集中する。
「人が集中できるのは15分」といわれています。片付けでも同じことが言えますが、この場合、ちょっと奥まった所にあるものを持ち出したり、何かの準備をしたり、埃を拭いたりしているとあっという間に過ぎてしまい、本来の片付けに充てられる時間がわずかになってしまいかねません。そのため30分としていますが、もしもう少し短い時間の方が集中しやすい、ということであれば短くしても問題ありません。
③ 30分間片付け作業を行ったら、小休憩する。これを繰り返す。
「小休止」とはあいまいな表現ですが、ちょっと水分補給をする、外の空気を眺めながら深呼吸をする、片付けてきれいになった部分を眺めて成果を感じる、などのひと時です。
④ 片付けでは、手元近くに「燃えるゴミ用」「燃えないゴミ用」の袋を置いて進める。
ごみを捨てに行く、ごみ袋を交換する、といった無駄や時間を省きます。
⑤ 片付けの基準を決めて、深く考えずにそれに沿って進めていく。
片付けの基準として、以下の「捨てるものリスト」を参考に、深く考えずにリストの条件に合うものをサクサク捨てていきます。なお、これに、ご自身の基準を加えてオリジナルなものを作ってもいいですね。
捨てるものリスト
1.明らかにごみとわかるもの
2.何年も放置されてきたもの
3.破損・故障して本来の機能を果たせないもの
4.期限切れのもの
なお、こちらのコラムでも買い取り業者利用時の注意点や廃棄物の処理費用などについて説明していますので、どうぞご覧ください。
まとめ
毎日の暮らしで発生する散らかりを片付けることも、仕事をしたり、子育てをしたりしていると大変です。さらに解体工事前の片付けとなると、長年の暮らしの積み重ねが1軒の家に詰まっているので、かなり負担も大きくなります。
計画を立ててコツコツ進めていくことが大切……といいますが、それでも当事者の負担の大きさは変わりません。
そんなときはどうぞ、マトイにご相談ください。マトイでは、当社が持つネットワークを活用しつつ、施主様の「こまった!」「どうしたらいい?」といったご相談に対応させていただいています。その関係はご依頼前のお問い合わせの段階から生まれます。解体工事をお考えの方は、どうぞお気軽に弊社にお声掛けください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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