知らないと危険! 解体工事で出る“ガラ”の処分ルールと費用の内訳とは
かいたいコラム
※弊社コラムに記載の価格は執筆当時のものであり、現在の価格とは異なる場合があります。
現在、社会全体がSDGs(持続可能な開発目標)などを挙げ、経済・社会・環境の側面から、よりよい社会を目指す取り組みが進められています。
これについては私たち解体業者も日々、意識して取り組んでいます。その1つが「ガラ」の対処です。今回は、このガラについて取り上げたいと思います。
マトイは、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県で解体工事およびそれに関連した事業を展開しています。家屋等の解体をご検討中の方々は、どうぞお気軽に無料ご相談・無料お見積りをご利用ください。
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さまざまな工事現場で発生する“ガラ”とは
「ガラ」という言葉は、普段の暮らしで耳にすることは少ないと思います。まずは「ガラ」について説明します。
ガラとは
辞書で「ガラ」を引いてみると、「肉をとったあとのニワトリの骨」、「石炭の燃えカスのなかのコークス状のもの」という記載が筆頭にありました。要するに「鶏ガラ」や「(タバコの)吸い殻」に見られるように、本来の使用目的を果たした後に残った「殻」を意味しています。
そして建設業界や解体業界では、建設や解体作業の際に発生する廃材やがれきの総称となっています。
ガラの種類
一般的に解体現場などで「がれき類」として排出される産業廃棄物には、次のようなガラが含まれます。
・コンクリートガラ:建物の基礎、壁、床などからでる砕かれた状態のコンクリート。
・アスファルトガラ:歩道や駐車場など、アスファルトで舗装された舗装面を解体した際に剥がされたアスファルトの破片。
・レンガガラ:外壁や屋根などを解体した際に出る、硬質の素材の破片。レンガ類のほか、瓦や石材などもある。
・モルタルや漆喰ガラ:内装や外装の仕上げ材として用いられているモルタルや漆喰の端材。
・ガラスや陶器、金属ガラ:窓や内装材、構造材の一部のものが他のガラに混在することがある。
・混合のガラ:さまざまなクズが混ざっているもの。それらは「がれき類」としてひとまとめで回収・処理が可能です。ただし、木クズ、金属クズ、ガラスクズ等が一定量混ざっている場合は分別して、それぞれの方法での処理。
ガラに含まれる可能性がある有害物質
産業廃棄物はその種類に応じてしっかり分別し、それぞれの種類に応じた方法で処理をします。これは、ガラにおいても同様です。とくに古い建物には人体や環境に有害な物質が使用されていることがあるため、事前調査や適切な処理が義務付けられています。
産業廃棄物のなかに含まれる可能性がある有害物質として、次のようなものが挙げられます。
【アスベスト】
おもな使用箇所:吹き抜け材、スレート板、けい酸カルシウム板、断熱材など。
特徴とリスク:飛散性があるため、正しい解体方法が義務付けられている。人が吸入することで、中皮腫や肺がんを引き起こす。
【PCB】
おもな使用箇所:トランス、コンデンサ、蛍光灯安定期など。
特徴とリスク:環境ホルモンとして内分泌系に影響を与えることから、厳重な管理が必要とされている。
【鉛、カドニウム】
おもな使用箇所:塗料、配管、電池など。
特徴とリスク:イタイイタイ病の原因ともなった物質で、慢性中毒になると腎臓障害や骨軟化症を引き起こす。
【クロム、ヒ素】
おもな使用箇所:木材防腐剤、塗料など。
特徴とリスク:土壌や地下水汚染のリスクがある。
一般家屋の解体工事で、使用されている可能性が高い有害物質の1つにアスベストがあります。アスベストについては、解体工事着工前の調査が義務付けられています。こちらのコラムで詳しく説明していますので、ご覧ください。
ルール遵守で安心してガラ処分
上記のようにガラのなかには、人体や環境に悪影響を及ぼす物質が含まれていることがあります。そのため、ガラといえどもその管理は一定のルールに則ることが大切です。
ガラを地中埋設物にしない
何よりも大切なことは、適切な方法で処理を行うことです。人体や環境に影響を与える可能性がある物質が付着したガラを地中に埋めることは、そこから有害物質が土壌中に染み入って、環境や人に悪影響を与えかねません。
昔は、敷地内の建物を解体したら、そのままがれき類を埋めてしまうようなこともありました。自分が所有する敷地内で、そのまま自分が住み続けるのであれば大きな問題にされない時代もありました。しかし、現在はそうではありません。
自分たちがそこに居続けるにしても、環境への悪影響を及ぼす行為は控えるべきです。悪影響があることはもちろん、もし土地を売却する場合には、地中埋設物があるとトラブルになりかねません。
それは地中埋設物が存在する場合、そこに新たな建物を建築する際に支障を与えたり、建てた後に建物の傾きや地盤沈下を引き起こす要因になったりするからです。
ガラを含めた産業廃棄物は適切な方法で処理およびリサイクルすることがとても重要です。
地中埋設物は、どのような現場でもありうるものです。しかし、そのままにしておくことは、その土地の価値を低下させ、後々のトラブルにつながります。こちらのコラムでは、地中埋設物の対処について詳しく説明しているので、参考になさってください。
ガラ処分の根拠となるルール
ガラを適切に処分するためには、そのベースとなるルールがあります。そのルールの基盤となるものは、次の3点です。
廃掃法(廃棄物の処理および清掃に関する法律)
この法律は廃棄物の処理・保管・運搬・処分などに関するルールを定めるものです。
廃棄物を排出する事業者は、その処分等の取り扱いについてこの法律が定めるルールを遵守しなくてはいけません。
コンクリートガラなど、解体現場で排出される廃棄物もこの法律の対象となり、適切に処分・処理する必要があります。なお、無許可の処分や不法投棄は厳しく罰せられます。
建設リサイクル法(建設工事係る資材の再資源化等に関する法律)
建設リサイクル法は、解体工事や建設工事で発生する廃棄物を適切に処理し、リサイクルを促すことを目的にしています。
コンクリート、アスファルト・コンクリート、木材等を特定の建築資材を用いた一定規模以上の建設工事および解体工事では、事前に再資源化の計画を届け出て、この法律に基づいて資材ごとの分別解体と再資源化を義務付けています。
この法律に違反をすると、法で定められた次のような罰則が適用されます。
・未登録で解体工事を施工した場合、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金。
・事前届け出が未提出の場合、20万円以下の罰金。
自治体の処分要領
さらに自治体ごとに、コンクリート塊やアスファルト塊などのがれき類の処分方法が細かく定められています。
解体工事では、廃棄物に関してはもちろん、それ以外のことも含めてさまざまな手続きや届け出が必要になります。こちらのコラムでそれらについて説明していますので、併せてお読みください。
ガラのリサイクルの流れ
前述のような各種ルールに則って、解体工事現場から排出されるガラもリサイクルおよび処分されます。その流れは次のとおりです。
廃棄物処分やリサイクルは、解体工事の際の大きな課題です。解体工事を控えて不用品の処分にお困りの方もいらっしゃるでしょう。マトイでは、不用品の処理も含めて解体工事をお請けしていますので、どうぞお気軽にお声掛けください。
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ステップ1 分別・一時保管
現場で廃棄物として排出されるときには、さまざまな種類のものが混在した状態です。
作業員は解体作業を進めながら、コンクリート、アスファルト、木材、ガラス類、金属類というように分別をします。分別を適切かつしっかり行うことによって、廃棄物処理のコストを削減でき、リサイクル率も高くできます。
このような現場での分別を「一時分別」といい、分別したものはそれぞれに現場の敷地内に種類ごとに保管し、ある程度まとめておきます。このとき、飛散したり雨水などがかかったりしないようにシートをかけたり、専用コンテナに入れたりして適切に一時保管します。
ステップ2 収集・運搬
分別した廃棄物は、種類ごとに中間処理施設へ運搬します。
この運搬は、「産業廃棄物収集運搬許可」が必要です。もし、解体工事を行っている業者がこの許可を取得していなければ、廃棄物運搬のために許可を取得している業者に依頼することになります。それによって廃棄物運搬に多少時間を要したり、解体工事の進行に影響を受けたりすることがあります。
マトイでは、産業廃棄物収集運搬許可も取得しているので運搬も円滑に進み、工事進行に影響を与えることもありませんので、ご安心ください。
ステップ3 中間処理(破砕・選別)
収集された産業廃棄物は、中間処理施設に運ばれます。
ここでの分別は「二次分別」となります。種類ごとに破砕機にかけて細かく砕かれ、磁力選別機などによって金属などの異物は除去され、リサイクル可能なものが抽出されます。
ステップ4 再資源化
破砕され異物を取り除かれたガラは、再生砕石、再生アスファルト、再生骨材コンクリートなどに加工され、再利用されます。
解体工事現場で排出されるがれき類の処分について、こちらのコラムでも詳しく説明しています。こちらも併せてお読みください。
ガラの処分にかかる費用の目安
コンクリートガラ等のがれき類の処分費用は、種類、状態、量、処理業者と大きな違いがあります。
コンクリートガラ 7,000円~/㎥
アスファルトガラ 8,000円~/㎥
分別されていない瓦礫 2万円~/㎥
ガラ処分にまつわるトラブルを避けるために
解体工事でのガラを含めた廃棄物処理は、解体業者が責任をもって行います。とはいえ、何らかの事態が発覚した場合は、施主としての責任が問われる場合があります。
所有する建物を解体する場合は、施主として廃棄物にまつわるトラブルにどのようなものがあるかを、あらかじめ把握しておく必要があります。
ガラ処分にまつわるトラブルとその対策
解体工事での廃棄物を介したトラブルには、次に挙げるようなものがあります。
○不法投棄
原 因:マニフェスト未交付、業者のモラルの欠如。
対 策:業者との契約段階で、マニフェスト交付の確認を行う。
○追加費用の発生
原 因:地中ガラ発見とそれに伴う追加工事。契約内容の曖昧さ。
対 策:契約書の精査や追加工事・追加費用発生時の対応を業者に確認。
○近隣住民からの苦情による工事中断
原 因:工事による騒音、振動、粉じん対策の不十分さ。
対 策:近隣住民への事前挨拶と説明の実施。騒音や粉じんなどの十分な対策。
○隣家の損傷
原 因:重機の操作ミスや養生をはじめとした廃棄物の管理不十分。
対 策:着工前の現場および周辺の写真撮影。および業者の各種許可と保険加入の確認。
○契約外の作業の発生と請求
原 因: 契約段階の工事範囲の不明確さ、工事中の業者と施主とのコミュニケーション不全。
対 策:工事範囲、費用、追加作業等の扱いについて、契約書を確認。
マニフェスト制度について、こちらのコラムで詳しく説明していますのでお読みください。
マトイがガラ処分で大切にしていること
ガラを含めた廃棄物の取り扱いについては、業者それぞれのモラルの質が表れると思います。
私たちマトイでは、マニフェスト制度に則った流れで廃棄物対応を行い、産業廃棄物運搬収集運搬許可を取得して、産業廃棄物および中間処理施設まで責任もって廃棄物運搬を行っています。
具体的には、解体前に解体部分の材質等を確認し、区画ごとに解体を進め廃棄物の混合を最小限に抑え、現場状況に合わせてコンテナを使用し、一時保管場所を確保するなどして分別を徹底して処理作業の効率化や処理費用の削減を図っています。
まとめ
解体工事における廃棄物処理は、私たち業者にとって重要な作業の1つです。
廃棄物処理は、地球環境を守るうえで重要な役割を担っています。しかし、もっと身近な視点からいうと、私たち業者がしっかり廃棄物処理を効率よく行うことは、工事自体を円滑に進め、効率よく廃棄物処理を行うことで、施主様の負担の軽減につながります。
このような地球規模の視点と施主様の負担軽減といった身近な視点の両面から、マトイでは廃棄物処理に臨んでいます。また、施主様ご自身でも、身近な課題として廃棄物処理に関心をもっていただき、知っていただくと幸いです。
今後も“施主様のよりよいパートナー”として、そして“よく働くマトイ”として、誠実な解体工事を進めていきます。
東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県で解体をご検討中の皆様、どうぞお気軽にマトイにお声掛けください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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