整地とは? 土地を売る・建てる前に知っておくべき解体後の注意点
かいたいコラム
※弊社コラムに記載の価格は執筆当時のものであり、現在の価格とは異なる場合があります。
整地は解体工事の最終仕上げともいえるものです。とはいえ、どのようにその土地を利活用するかによって、 “絶対に必要”というものではありません。
しかし、土地を売却したり、その上に建物を建てたりする場合に、整地してあるか、いないかで違いが出てきます。
今回は、整地について知っておくべきことについて説明します。
解体工事に関する用語は、一般の方々にとってはわかりにくいものです。まして初めて解体工事をしようとご検討中の方は、用語1つにも不安を覚えることでしょう。
そんなときは、どうぞマトイにお声をかけてください。お問い合わせ段階から、マトイは皆様のパートナーとしてお付き合いさせていただきます。
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整地とは
建物を解体した後の土地には、コンクリートや木くずなどが残っています。それらを重機や手作業で取り除き、きれいな状態にしたら重機で地面を踏み固める「転圧作業」を行います。この作業によってその土地の土壌の密度を高め、土地を安定させます。
この一連の作業を済ませることを「整地」といいます。
解体工事の一連の流れのなかで、整地はどこに位置しているのか? 解体作業の流れを丁寧に説明しているこちらのコラム内で、整地の位置についても説明しています。
整地の目的
整地はただ表面を美しく整えるだけではなく、その土地の機能を最大限に活かす目的もあります。
具体的に、どのような目的があるか説明します。
○土地の安全性と見栄えを整える
建物を解体撤去した後の土地は、地面はデコボコしていたり、コンクリート片や木片などのガラが散乱していたりすることがあります。
そのままの状態では、そこに立ち入る人が転倒してケガをする可能性があります。
また、整地されていない土地は見栄えが悪く、売れにくい傾向にあります。
これらのことから、解体後に新たな土地活用の予定が決まっていなくても、整地しておくことで安全かつスムーズに次の活用に取りかかれます。
○更地売却や再建築時の評価を高める
購入を検討している人が整地されている土地を見ると、「すぐに活用できる」と思います。
また、古い家屋を解体撤去して建て替え新築する場合は、「そのまま建築工事に移るのだから、整地しなくても大丈夫では?」と考える施主様もたまにいらっしゃいます。しかし、その場合、足場が悪く作業員の転倒などの事故が起こりやすく、足場設置や重機搬入に際して地盤補修が必要になったりします。さらにそのコストが追加費用として発生します。整地されていることで新築に向けた設計・施工がスムーズに進みます。
○近隣トラブルを回避する
マトイでは解体撤去作業が終了した土地は、整地の有無に関係なく清掃し、目立ったがれき類や廃棄物を除去します。とはいえ、未整地の地面は凸凹していて雨が降ると泥が道路に流れ出たり、雑草が生い茂ったりします。
こういった状態は、近隣住民にとっては洗濯物が汚れたり、虫の発生頻度が高まったりして迷惑がかかることから、クレームやトラブルの原因になります。
整地を行っておくことで、近隣とのトラブルを防げます。
整地と更地の違い
家屋を解体したり、新たに購入したりする場合、「更地」という整地に似た言葉が出てくることがあります。整地と更地は似た響きをもちますが、内容は全く異なります。
「更地」とは、建築物が何もない土地をいいます。整地されておらず、がれき類が残っていても、建物がなければ更地ということになります。一般的に更地の状態から建物を建てる場合は、整地から始めることになります。
また、建物がないだけではなく「借地権」、「賃借権」、「地上権」などが設定されていない土地も更地となります。
「抵当権」がその土地に設定されている場合があります。しかし、抵当権は土地の使用を制限するのではなく、土地や建物などの資産を担保する権利のため、これが設定されていても更地といいません。
不動産取引のなかで、「更地渡し」という用語があります。これも家屋の処分や土地の売却にあたって走っておきたい言葉です。こちらのコラムで更地渡しについて説明していますので、併せてお読みください。
整地の種類とその費用
整地にはいろいろな種類があります。その特徴と費用の目安について説明します。
粗仕上げ(粗整地)
これは建物を解体撤去した後、がれき類をはじめとした廃棄物や不要なものを除去し、その土地を平らにします。必要最小限のもっともシンプルな整地方法です。
○適した用途:売却前の一時的な土地管理、最低限の雑草対策、建築前の仮整地
○費用の目安:300円~/㎡
砂利整地
転圧機で地面を平らに締め固めた後、その上に砂利を均一に敷き詰めます。
見た印象がいいのはもちろんのこと、雑草が生えにくい、水はけがよくなる、といったメリットに加え、砂利の上を歩いたときに足音が目立つために防犯効果があります。これらの点から、人気の種類です。
○適した用途:駐車場や資材置き場、空き地の、庭の景観整備、売却前などの一時的な雑土地管理。
○費用の目安:1,000円~/㎡
砕石整地
砕いた石(砕石)を敷き詰める整地方法です。
転圧機で締め固めた地面の上に砕石を敷き詰め、その上から再度転圧を加えて安定させます。そのため地盤や耐久性が強化されます。
○適した用途:建築予定地の基礎整備、駐車場や資材置き場、空き地の管理、地盤改良対策
○費用の目安:2,000円~/㎡
真砂土整地
真砂土とは花崗岩が風化してできた砂と粘土が混ざったものです。
転圧した土地にこの自然由来の土を敷き詰め、さらに転圧機で締固めます。整地した場所は淡い茶色で周囲の景観になじみやすく、美しい仕上がりです。水はけのよさがある一方、粘土質も含んでいることから保水性や肥沃度もあります。水はけがよいことから歩きやすくなります。
○適した用途:庭や公園の景観整備、売却予定地の見栄えの向上、自然な仕上がりを保ちつつ雑草対策もできる、高齢者や子どもの歩きやすさを重視する場所の地面作り。
○費用の目安:3,000円~/㎡
アスファルト整地
砕石の上にアスファルトで地面を舗装する整地方法です。
アスファルトは数時間で固まるために、短時間で施工できます。さらに水はけがよく、この後に説明するコンクリート整地よりも費用が安く済みます。
一方、熱に弱く、コンクリートより耐久性が劣り、定期的なメンテナンスが必要になるなどのデメリットがあります。また砕石を敷き詰める工程が加わることから、砂利整地や真砂土整地よりも費用が高くなります。
○適した用途:駐車場、一時的に舗装が必要な場所、水はけを重視した外構整備。
○費用の目安:4,000円~/㎡
コンクリート整地
コンクリート整地は、砕石の上に鉄筋やワイヤーメッシュを設置して型枠を組み、そこにコンクリートを流し込んで地面を舗装します。
耐久性がとても高く、雑草が生えないために土地の手入れが楽になります。その反面、他の整地方法より初期費用が高くなること、照り返しが強くなる、将来撤去する場合に費用と手間がかかる、などのデメリットがあります。
○適した用途:駐車場、施設用地、雑草対策をより徹底したい場所、モダンデザインの外構。
○費用の目安:8,000円~/㎡
防草仕上げ(シート敷)
雑草が生えることを抑えるための整地方法です。これには次の方法があります。
防草シート敷設:防草シートを敷いて光を遮断し、発芽を防ぐ。
防草シートと砂利を加える:防草シートを敷いた上に砂利を敷くことで物理的な重みを加え、雑草の発生をより抑える。
○適した用途:駐車場や犬走り、空き地や売却予定地、庭の雑草対策、公園や施設の外構整備。
○費用の目安:
防草シートのみの場合:1,000円~/㎡
防草シートに砂利を加えた場合:2,000円~/㎡
建て替えなどの場合、整地費用とともに解体費用は大きな課題で、ある程度の目安を付けておきたいものです。解体費用の目安を付ける際に必要になってくるのが、「解体費用の坪単価」です。これについては、こちらのコラムで説明していますので、ご覧ください。
整地費用の留意点
整地費用について考える場合、次のことに留意する必要があります。
○整地費用の相場の変化
前項で説明しているように、整地費用は整地方法の種類、土地の広さ、形状、重機搬入の可否、地域や業者によって異なります。さらに同じ地域で同じ整地方法であっても、その土地の状態によって資材の種類や敷き詰める砕石や砂利などの厚さが異なることがあります。こういったことから、費用も異なる可能性があります。
また地中埋設物の撤去や追加作業が生じた場合には、相場以上の費用がかかることがあります。
○整地費用が解体費用に含まれているか否かを確認
整地費用が解体工事の見積りに含まれているかは、業者によって異なります。
「整地込み」と見積り書に記載されていても「粗整地」を前提としている場合があります。そのため見積り書をよく確認することはもちろん、はっきりしないようであれば業者の担当者に尋ねることも大切です。
マトイは東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県での解体工事を行っています。解体工事をご検討中の方、それに向けてのお困りごとを抱えている方、どうぞマトイの無料ご相談・無料お見積りをお気軽にご利用ください。
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土地利用に適した整地方法
整地する場合、その土地をどのように利用するかによって適した整地方法があります。その一例をご紹介します。
○更地として売却する場合
家屋を解体撤去するケースのなかには、更地の状態にして土地売却を計画している場合があります。
工事終了後に掃除をしていたとしても、解体後の土地は凸凹した状態です。そういった状態よりも、地面を平らに整地していると印象はよく、買い手がつきやすくなります。しかし、売り主にしてみればできるだけ費用を抑えたいものです。また、買い手がどのような土地利用をするかによって、適した整地が異なります。
そのため、粗整地もしくは雑草が生えにくくなる砂利整地などを施行しておくといいでしょう。最低限の整地をしておくことで、接する土地・家屋との境界線が明確になるので、測量時のトラブルも防げます。
○駐車場や資材置場として使う場合
駐車場として使う場合は砕石整地や真砂土整地などが適しています。
駐車場の場合は、重量がある自動車が出入りすることから、地盤の強度が求められるからです。
真砂土整地は見た目も美しいのですが、 砕石整地やアスファルト整地などと比較すると強固さが低くなります。軽自動車程度の駐車場であればまだいいのですが、自動車の出入りが頻繁な駐車場や大型車両や重機などを駐車する場合は、さらなる強度が必要になります。
○新築住宅を建てる前の整地
建て替えで解体後に新居を建築する場合は、どのような家屋にするのか、その建築設計に伴った整地計画が必要になります。また、地盤調査によって“補強が必要”となった場合には、整地と一緒に地盤の補強工事を行うとコスト削減につながります。
未整地の土地が抱えるリスク
整地は“100%必要”というものではありません。しかし、すでに説明している整地の目的などを考慮すると、行うことを強くおすすめします。なぜならば、整地が行われていない土地には、次に説明するようなリスクがあるからです。
地盤が軟弱で不安定
整地の基本として「転圧作業」があります。これは転圧機などを使用して、地盤を固めて表面を平らにする作業です。
これが行われていない地盤は軟弱で、もしもそのままで建物が建てられたとしても後に建物が傾く不動沈下などを引き起こす可能性があります。
排水不良による浸水や地盤劣化
未整地の土地は排水機能が十分でないことから雨水が溜まりやすい状態です。そして土壌中にいつまでも過剰な水分があることから、ぬかるみや地盤の崩壊が起こる可能性が高まります。
自然災害に対する脆弱さ
前述の排水機能が十分でないことから、地震や豪雨などの自然災害が起こったときには、地滑りや土砂崩れなどが起こる可能性も高くなります。
異物混入から地中埋設物発生の可能性
凸凹した状態の地面は、日光や風雨に晒されることで乾燥して土埃が発生したり、さらに土壌が削られたりします。ときにゴミを不法投棄されたり、風に飛ばされたりしてきた廃棄物が土壌中に入り込んだまま地中埋設物となる可能性があります。
その量にもよりますが、地中埋設物は地盤の強度を不均一にして建物の安全性に影響を与えます。更地の状態で維持しておく場合も、整地をしておくことで地中埋設物のリスクを抑えることができます。
地中埋設物は工事進行や費用の追加などに影響を与えます。しかし発見された場合、それらは適切に除去しなくては、後々のトラブルにつながりかねません。そんな地中埋設物の対処法について、こちらのコラムで説明しています。どうぞ参考になさってください。
整地にあたって、施主として心がけること
整地は家屋解体においての最終仕上げであると同時に、その土地を安全な資産価値のあるものとする重要な工程です。この点を踏まえて、施主として心がけておきたいことを説明します。
○補助金の積極的活用を検討
ここまで説明してきたように、整地はその後の土地をよりよく活用するための重要な工程です。
施主となった方々はいろいろな点を考慮しながら、整地を行うか否かを決定することでしょう。そこで、費用を理由に整地を行わないことを選択することは、とても残念なことです。その選択は土地がもつ可能性を狭めてしまうことだけでなく、将来起こりうるトラブルのリスクを高めてしまうからです。
実は空き家や老朽家屋の解体、そして空き地の利活用に対して支給可能な補助金・助成金制度を設けている自治体があります。自治体制度の有無やその詳細は自治体によって異なるので、建物解体や建て替え、所有する空き地の整地を考え始めた段階で、その物件が所在する自治体に補助金制度があるか否か、さらに活用のための詳細を調べることをお勧めします。
これによって経済的負担を抑えることができます。
○整地の範囲と希望の仕上げ状態(整地の種類)を業者に明確に伝える
解体工事や整地を行う場合、業者への依頼段階で整地の範囲や希望する仕上げ状態、加えてその場所をどのように活用するかを伝えてください。
施主様が整地は不要と考えている場合、逆にコンクリート整地を希望している場合などがあります。しかし、施主様の当初のプランが、必ずしも目的に最適なものとは限りません。
いずれの場合もその場所をどのように活用するのか、施主様の計画を伝えることで業者は、その目的に最適な整地の方法を業者は提案するはずです。それから費用面での話し合いを進めることが、土地をよりよく活用することにつながります。
○地中埋設物撤去に関する確認
とくに解体工事では、古い基礎や浄化槽、古井戸、配管などの地中埋設物が発見される場合があります。地中埋設物は原則として撤去しますが、その際は追加費用が発生します。同じことは、整地の段階でも起こりえます。
施主様の立場として、困ることは何の報告もなく埋設物を撤去されて追加費用を請求されることでないでしょうか。そういうことが起こらないように、業者との契約段階で地中埋設物が発生した場合の対処や報告、その場合の追加費用の目安などを確認しておくといいでしょう。
○排水勾配や水はけを確認
整地によって排水勾配を付けるなどして、雨水が溜まりやすい土地に対する水はけをよくすることができます。これはその土地の水はけをよくするだけでなく、隣地に水が流れ込むことで起こりうるトラブルを未然に防ぐことにもなります。
整地に際しては、その土地の水はけの傾向などを業者として確認しますが、施主様からも水はけに関して把握している情報を業者に伝えておくといいでしょう。
○境界線の明示と近隣に対する配慮
隣地との境界線は、通常、境界識や境界ブロックで示されています。
整地によって土地の高さが変わることがあり、この境界の目印となっていたものに影響が出ることがあります。そのため、業者はもちろんのこと、可能であれば隣地の住民の方にも立ち会っていただき、境界標や境界線の確認を行うことが大切です。
○整地費用の内訳の把握
見積り書が提出されたら、整地費用に関しての項目も確認しましょう。
見積り書に整地費用が記載されているか否か、「整地込み」と書かれている場合、その内容はどのような整地なのかを確認します。「整地込み」と書かれている場合、粗整地であることが多いです。
また整地に関する記載がない、または「別途請求」とあった場合には、最初の見積り段階で、詳しい内容を提示してもらうようにしましょう。
○整地後の土地活用を見据える
ここまで説明してきたように、その土地をどのように利活用するかによって整地方法は変わってきます。その目的によっては整地と同時に地盤調査や地盤強化を図ったほうがいい場合があります。売却予定の場合は、シンプルな粗整地や砂利整地で十分でしょう。しばらく、更地のまま所有しておくようであれば、防草仕上げをしておいた方がいいかもしれません。
このように、この先の土地活用を見据えて整地方法を検討してください。
まとめ
整地は土地の利活用をしていくうえで、その根本を支える重要な作業です。
なぜなら、その役割には「土地の見た目を整える」だけでなく、「地盤を安全な状態で安定させる」、そして「トラブルを未然に防ぐ」といったものがあるからです。
これらの整地がもつ役割を十分に発揮するためには、その土地の利活用に合った整地方法を選択することです。しかし、その選択は施主様だけでは難しく、業者に土地をどのように利活用するかを伝え、相談することが大切です。
そのためには、誠実に施主様の要望や相談に応え、作業に当たる業者を選ぶことです。マトイでは「よく働くマトイ」を信条として、施主様に寄り添った丁寧な仕事を心掛け、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県で解体工事およびそれ付随したサービスを提供しております。どうぞお気軽にお声をかけてください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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