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建物の老朽化の目安と、自分でできる対策について

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 建物の老朽化は、私たちが年を重ねるに伴って体が変化していくのと同じように、避けて通れないものです。とはいえ、そこで生活したり仕事をしたりしている人たちの快適さや効率性を低下させ、ときには生命の安全さえも侵しかねないものとなります。
 近年、SDGsの取り組みがさまざまな分野で積極的に行われていますが、建築分野では既存建物の「長寿命化」の点で重要視されています。そういったことも念頭に置きながら、建物の老朽化のサインにはどのようなものがあるのか、その見極めや対策について考えてみたいと思います。

建物の老朽化をキャッチするサインはこれ!

 建物の「老朽化」とは、具体的には「経年劣化によって、そのままでは住み続けたり、利用したりできない状態」になることをいいます。では、具体的にどのような変化が現れるのでしょうか? また、どのくらいの年月が経った頃からその変化が起こり始めるのでしょうか?

避けては通れない、建物の経年劣化

 建物の経年劣化は、それぞれに違いはあるものの、年とともに木材は乾燥や湿度の影響を受けて歪みやひび割れなどの変化が現れます。また釘や鉄骨には錆が出てきます。その影響を受けて、壁紙などにひびが入ったり、それが原因で剥がれてしまったりすることもあります。こういった変化は、いうなれば起きて当然の変化といえます。

法的耐用年数から見る建物の老朽化

 建物の老朽化は起きて当然のものといっても、築後どのくらいからその変化は現れてくるのでしょうか?
 目安の1つに、「法定耐用年数」があります。これは本来、確定申告などの際に固定資産税を算出するために国が固定資産に対して設定しているものです。そのため厳密にいえば、老朽化する直接的な期間を示しているわけではなく、「このくらいの期間までならば問題なく使用できる」という期間の目安といった方が適切でしょう。が、築年数から老朽の程度を推測する指標にもなりえます。
 以下に一般住居用建物の、構造別の法定耐用年数を紹介しますので、参考になさってください。

表1 一般的な住居用建物の構造別法定耐用年数

建物の構造 自宅として使用する場合の耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
鉄筋コンクリート造 47年
鉄骨造(骨格材の厚さ:4㎜超) 34年
鉄骨造(骨格材の厚さ:3~4㎜) 27年
鉄骨造(骨格材の厚さ:3㎜以下) 19年
木 造 22年

※参考HP:東京都「償却資産の評価に用いる耐用年数」より
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/info/hyo01_02.pdf

目視でキャッチできる老朽化のサイン

 建物の耐久性はその構造によって大きな違いがあります。表1からも一目瞭然です。しかし構造だけでなく、その建物がどのような使われ方をしているのか、どのような環境に置かれているかによっても耐久性や老朽化は変化します。
 また、それに伴って起こってくる建物の変化には目視でわかるよう範囲の変化と、私たちの目が届かないところで起こっている変化があります。後者の、建物内部の構造体に起こっている変化は、日常のなかで見つけることはなかなかできません。しかし、普段、その家で暮らして目が届く範囲での変化を察知することで、建物の老朽化を見つけることができます。

 そういった目に見える老朽化の変化としては、次のようなものがあります。

*壁 紙(クロス):クラックといわれるひび割れのようなものが現れる、張り合わせの部分に隙間ができる、剥がれる、たわむ
*外 壁:クラック、隙間、外壁材の剥離や剥落
*タイル:クラック、目地割れ、剥がれ、破損
*コンクリート:クラック、隙間、破損
*ド ア:接している床面や壁面にこすれる、開閉が重い、開閉ができない
*床:傾斜や軋みがある
*その他:雨漏りやカビが発生している箇所がある、水回りの土台や柱に腐食や虫食いのような箇所がある、建物が傾斜している

 こういった変化は家屋の壁材や木材などが乾燥や湿潤、収縮・膨張を繰り返すことで建物を傷め、経年劣化となっていきます。
 わずかな変化を察知して、その都度メンテナンスをしていればいいのですが、小さい変化や損傷をそのままにしていると、そこからさらに建物の老朽化が進んでいきます。

建物の老朽化の速度を加速させる要因は?

 繰り返しになってしまいますが、建物の老朽化は避けて通れない自然な変化ともいえます。しかし、そこに別の要因が加わることで、老朽化の速度を速めてしまいます。その要因について次に説明します。

放置・空き家状態のままにしておく

 「人が住まない家は傷みが早い」という話をよく聞きます。これは単に住む人がいなくて空き家状態になっているからということだけではありません。人が住んでいたとしても、きちんとした生活の営みをしていない場合は、空き家と同様に建物は傷みます。
 では「生活の営み」とはどのようなことでしょうか?
 それは私たちが普段行っているような、掃除、窓や扉の開け閉めをする、建物と外との出入りをすることで行われる換気などです。水回りなども普段の掃除や炊事を行い続けていることで、排水管の汚れの沈着は最小限にとどめられます。そういったことを行っていなかったり、ごくごく少量もしくは稀にしか行わなかったりすると、排水管に汚れは沈着し悪臭を放って痛みも進みます。
 建物への人の出入りや掃除、炊事といった生活の営みを日々、行っていることが、建物の維持につながっているのです。

シロアリの侵入

 そして建物にとっての大敵である「シロアリ」も老朽化を早める要因です。とくに、築年数が長くなっている木造建物ほどそのリスクは高くなっていきます。それは、シロアリが建物の柱や床といった木造の部分を餌にしてボロボロにしてしまうからです。こういったシロアリによる被害を受けると建物の強度はガクッと下がって、ひどい場合には倒壊することもあります。
 予防策として、建物を建築時にシロアリ予防のための加工を行っておくことや、専門業者による定期的なシロアリ診断をしてもらい、もしシロアリやその成虫である羽アリ等を発見したらすぐに駆除してもらう、などがあります。
 もし普段の掃除をしているときなどに、おがくずのような木屑を発見したら、それはシロアリなどの害虫によるものの可能性があります。役所や専門業者に連絡し、駆除等の相談をしてください。

カビの発生

 高温多湿の気候である日本は、カビが発生しやすい環境です。さらに近年の建物は、建物自体の密閉性や気密性が高くなっていることから結露が発生しやすい状況にあります。この結露、発生したら速やかにぬぐい取っておければいいのですが、それができなかったり、行わないままでいたりすると、カビの温床になってしまいます。
 カビは私たちの目につく場所だけでなく、壁の内側などにも発生します。そのため、壁の内側などに発生したカビはすぐに対処できません。そうなると、壁の内側に発生したカビが壁紙やその奥にある断熱材の中まで増殖して部屋中に悪臭を放ったり、内装を腐らせたりすることになります。

害虫・害獣の侵入

 また気になることとして、虫や動物が住み着くということがあります。害虫としては、すでに説明しているシロアリ同様に、木材部分を餌にして柱や床を侵食していくものがあります。
 害獣としては他に、ハクビシンやアライグマが住み着いていた、なんていうことも耳にしますね。人の気配が少ないと、こうした動物が住み着く可能性が高くなります。そうなったとき、その動物たちの食べたものの残りや排せつ物などによって、木材や鉄骨などが腐食し、それが長期にわたることで倒壊を引き起こすことにもなりかねません。

 マトイへのお問い合わせのなかには、「1つの建物のなかの部分的な傷み」についていただくことがあります。例えば、「同じ建物のなかでもとくに床の傷みがひどい部屋だけをリフォームしたいが、部分的な解体に応じられる?」といったものです。その場合は、内装解体という種類の解体で対応させていただきます。
 建物の老朽化に伴う解体やリフォームについて、なんらかの疑問点などがありましたら、お気軽にマトイまでお問い合わせください。直接解体に関係ない場合でも、皆さんにとってよりよい方法を一緒に考えさせていただきます。
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老朽化が進んだ建物を放置しておくことの危険性

 では、さまざまな要因で老朽化が進んでしまった建物をそのままにしておくと、どのようなことが起こるでしょうか? それには、次のような危険性があります。

老朽化が進んだ家に住み続ける危険性

 老朽化による変化はすでに説明してある通りです。
 例えば、壁紙が剥がれていたり汚れていたりする場合は、「ああ、この家も古くなってきたなぁ」といった程度で済むかもしれません。
 しかし、それ以上の老朽化が起こると、そこでの快適さや暮らしやすさが大きく低下し、不便・不自由な状況を引き起こしてしまいます。例えば、立て付けが悪くなって隙間風が入ってくる、なんて状態では、冬季であれば暖房をつけてもなかなか暖かくならない、夏季は冷房が効きにくい、といった不自由さが起こります。
 さらに、健康や安全性にも大きな影響を与えかねません。例えば、叩き部分のコンクリートに入ってしまったクラックに足を引っかけて転倒する、ということも起こりえます。また、家の傾きに至っては、精神的に大きなストレスになるだけでなく、何もしていなくても疲労感の増加、めまいや頭痛、吐き気、食欲不振などを引き起こすことも指摘されています。
 建物の老朽化は単に建物だけの問題ではなく、そこで暮らしたり過ごしたりする人にとって大きな影響を与え、安全や健康を脅かす危険性があるのです。

老朽化がさらに進行する危険性

 老朽化した建物をそのまま放置しておくと、老朽化によって起こった建物の傷みがさらに進行してひどくなっていきます。これは、砂浜に作った砂山と同じです。せっかく積み上げた砂山も、ちょっとしたひび割れをそのままにしておくと、そこから水が入って一瞬にして崩れてしまいます。
 例えば、屋根材の一部が剥がれたままにしておくと、そこから雨水が入り込んで屋根裏の木材を濡らして腐食させてしまったり、壁の内部にその水分が入り込んでカビが発生したり、壁紙を剥がしてしまったりします。また、お天気がよくなると、一度湿った部分が乾燥によってひび割れる、ということがあります。
 この繰り返しによって、老朽化によるダメージが新たなダメージを生み、さらに老朽化を促進させるのです。

第三者へ影響を与える危険性

 建物の老朽化はそこに暮らし人たちだけの問題ではありません。
 「古い建物の外壁が剥がれ落ちて、通行人にけがをさせた」というニュースを時折耳にすることがあると思います。このように、建物の老朽化はその近くの人たちにも影響を与える可能性が大いにあります。
 そして、もしそのような事態が起こった場合は、その建物の所有者に損害賠償責任が発生する可能性があるのです。その点もしっかり理解したうえで、建物を管理する必要があります。

老朽化の変化に気づかない危険性

 そして、大きな社会問題になっている空き家は、建物の老朽化を促進させてしまう要因をすべて抱え込んでいる状態の建物です。そのなかでもっとも問題となっている点が、多くの場合、定期的にしっかり管理する人がいないという点にあります。
 定期的にその家の状態を見て、管理する人がいないということは、その建物が老朽化していく変化に気づけません。老朽化を進行させる要因云々という以前の、根本的な問題です。もしも適切な管理ができないのであれば、できるだけ早い段階で対策を講じる必要があります。

老朽化の進行を遅らせて、建物の快適さを保つための対策

 日々の生活や社会活動のホームベースとなる建物は、できるだけ快適な状態に保っておきたいものです。そのためにも、やむを得ないものとはいえ建物の老朽化を遅らせるとともに、その影響をできるだけ最小限にとどめておきたいもの。
 そのためには日ごろからどのようなことを心掛けるべきでしょうか。

定期的なメンテナンス

 定期的なメンテナンスは、老朽化の進行を最小限にとどめるために最も基本となり、重要なものです。もちろん定期的なメンテナンスには日常の清掃も含まれますが、それ以外に一定の周期ごとに点検を行ったり、交換したりといったものがあります。
 以下に、その一例として木造一軒家における定期的なメンテナンスについてご紹介します。

表 木造一軒家に対する定期点検と補修・交換等の目安

部位 点検 補修・交換等の目安
外 壁 モルタル・窯業系サイディング  10年ごとに塗り替え
目地(シーリング) 5~10年ごとに打ち替え
木部・鉄部 5年ごとに塗装
屋 根 スレート瓦 10年 20年を目途に葺き替え
本 瓦 10年
トタン屋根 10年で塗装、20年を目途に葺き替え
雨 樋 10年 20年を目途に交換
防水工事 10年を目途にやり替え
内 部 浴室・洗面所・キッチン・トイレ 10年 10年を目途に本体交換
壁 紙 10年を目途に張り替え
25年を目途に張り替え
10年を目途に表替え
30年を目途に新調
玄関・窓まわり 20~30年を目途に取り替え
設 備 給湯器 10年を目途に本体交換
給排水 10年 30年を目途に全体やり替え
床 下 シロアリ対策 5年ごとに実施

リフォームで耐震性・耐候性・耐久性を高める

 できれば建築当初から、耐震性、厳しい暑さや寒さ、湿気などに対する耐候性、そして耐久性の高い家を建てたほうが、あとからそれらを補強するよりも安心感やコスト面では優れています。
 しかし、そうはいってもなかなか思うようにはいかない現実があります。そんなときは、建物の耐久性、老朽化対策、快適性の追求と何よりも安全性などを考えて、是非とも計画的にこれらを補強するためのリフォーム等を取り入れていくといいでしょう。その費用は決して安いものではありませんが、それによって建物の老朽化の影響を最小限にとどめ、快適な状態を維持できます。
 なお、リフォームに際して必要なこと等をこちらのコラムで説明しています。どうぞご一読なさってください。

建物の老朽化の目安と、自分でできる対策について

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リフォームに先立って行う内装解体。木造住居での段取りや費用について

建て替え

 老朽化の程度にもよりますが、築年数がかなり経過していて、建物自体の傾斜などが表れている場合は、建て替えを選択するのがベストといえます。建て替えの場合は老朽化した建物を解体撤去することが前提となります。もちろん建て替えには相当の費用がかかりますので、そのときの事情や近い将来のライフスタイルなども検討しながら考えることをお勧めします。
 家の建て替えについては、こちらのコラムで詳しく説明しています。今回のコラムと併せてお読みください。

建物の老朽化の目安と、自分でできる対策について

かいたいコラム

家の建て替えの流れについて。費用はいくら? どんなものにかかる?

住み替え

 住み替えという選択もあります。しかし、住み替えの場合は、老朽化した建物をどのように扱うか、という問題が生じます。老朽化した建物をそのままにして別の建物に住み替えるというのは、新たな空き家問題の種を播くことになります。
 住み替えとともに、
*老朽化した建物の大型改築(フルリノベーション)を行って、貸家にする
*老朽化した建物を解体撤去して更地にし、借地として貸し出す、もしくは売却する
*老朽化した建物はそのままにして、古家付き土地として売却する

等の選択肢があります。
 住み替えなどに際して、それまでの建物をそのままにして空き家にしておく場合、その管理状況によっては、以下のコラムにあるようなさまざまなデメリットが生じます。こういったことはぜひとも避けたいものです。そのためにも、住み替えをする場合は、必ず老朽化した建物の取り扱いをどのようにするかもしっかり計画することが重要です。

建物の老朽化の目安と、自分でできる対策について

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他人事でない空き家問題は、デメリットを知って早めの対策を!

まとめ

 建物と私たち人の体は同じといえます。同じように年を重ねるなかで、さまざま所に故障が現れたり、劣化したりします。私たちはそういった変化に気遣いながら、病院に行ったり、サプリメントや化粧品などを使ったりしてメンテナンスを行いながら、なんとか若々しさを保って、活動的でいられるための努力をしています。建物も同様に、メンテナンスが必要であることやそのポイントについてお伝えしました。
 建物と私たちの暮らしは、ともにあります。老朽化や快適さを保つための選択には、解体という選択肢もありますので、ご検討の際のご相談相手の1つとしてマトイも心に留めておいていただけると幸いです。
 どうぞお気軽にお声掛けください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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