二階建てを平屋に減築! どれくらいの費用がかかる? メリットは?
かいたいコラム 昔は二世代、三世代が生活を共にする大家族が一般的でした。でも、近年は核家族が主流になっています。お子さんたちが成長して社会人となって独立し、ご夫婦の2人暮らしをしているご家庭も増えています。
そういった家族構成の変化の際、検討に上がるリフォームとして「減築」があります。今回は、二階建て家屋の二階部分を解体撤去して平屋にする場合を通して、減築のメリットや費用などについて考えます。
マトイでは、建物全体を解体撤去することから、リフォーム等のための部分的な解体工事にも対応しております。東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県で作業させていただきます。どうぞお気軽に無料ご相談・無料お見積りをご利用のうえ、ご依頼ください。
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二階建てを平屋に減築する人たちの理由
平屋に改築するケースとして、高齢になった方やお子さんたちが皆独立されたご夫婦が、その後の暮らしやすさや転倒などのリスクを減らすことを目的に行うことがよく知られています。
また若い子育て世代の家庭でも、親族から引き継いだ二階建ての家を平屋にリフォームするケースも見られます。主な理由は、平屋は見通しのよい間取りにすることで、子どもたちの気配や様子がわかりやすく、コミュニケーションも取りやすい、という点にあるようです。
このように平屋がもつメリットを、年代とは別にそれぞれのライフスタイルや家族構成に併せて取り入れています。
減築のパターンや減築のための解体工事の流れなどの基本情報を、こちらのコラムで説明しています。こちらもどうぞお読みください。
二階建てを平屋にするメリットとデメリット
平屋に減築することにはさまざまなメリットがあります。同時にデメリットも……。また同じ平屋であっても、間取り次第でそのメリットを活かせない事態も生じます。
まずは平屋のメリットとデメリットをしっかり把握することが大切です。
平屋と2階建てでは、解体撤去時にも費用などに違いが出てきます。こちらのコラムで、その違いについて説明していますので、参考になさってください。
二階建てを平屋にするメリット
二階建ての家を平屋にするメリットについてご紹介します。
日々の動線が楽になる
日々の暮らしの動線が楽になること、これが一番の平屋のメリットになるでしょう。二階建ての家の場合は、階段を上ったり、降りたりする動きが1日のなかであります。リビングと寝室が1階と2階に分かれていたり、お掃除のときなどは掃除機を持ちながら階段を上り下りしたり……、ということもあったかもしれません。
でも、平屋の場合はそういった生活行動が1階だけで完結でき、階段を使った動作がなくなって移動の動線がシンプルになり、掃除をはじめとした家事も楽になります。
階段の昇降に伴う事故やケガのリスクを回避できる
平屋にすることで多くの場合、階段がなくなります。もちろん、施主様のこだわりを活かした設計の間取りで段差やステップが作られることはあるかもしれませんが、1階と2階を結ぶ階段はなくなります。
高齢者や小さな子どもがいる家では、階段では転倒したり、ケガをしたりするリスクが高くなります。とくに高齢者は年を重ねるごとに足腰の筋力が低下し、日常的につまずきやすくなっていきます。筋力を必要とする階段の上り下りではなおさらです。
階段がなくなることで、転倒・転落などの事故や踏み外しなどによるケガなどのリスクを減らすことができます。
家屋の耐震性が向上する
大地震による発災が懸念されている現在、家屋に対する耐震性の向上は重要な課題となっています。
耐震性の面でも平屋はその構造から力を発揮しています。大地震の際に懸念されることの1つに、上層階の重さによって下層階部分が潰れる可能性があることです。この点で上層階部分がない平屋は、そのリスクがほとんどないことから、耐震性も高まっているといえます。
大地震が頻発している現在、建物の耐震性の強化は安全を守るための大きな課題です。家屋のリフォームに際しては、建て替えたほうがいいか、もしくはリフォームがいいかと悩む方も少なくないでしょう。
こちらのコラムでは、建て替え新築とリフォームの違い、その関連情報をまとめています。どうぞ参考になさってください。
固定資産税が安くなる
不動産を所有している人は、毎年、固定資産税や場所によっては都市計画税なども併せて納めていることと思います。
これら固定資産税とは、建物の延べ床面積によって決定します。そのため、二階建てから平屋に減築し、全体の延べ床面積が減った場合は節税につながります。
不動産を所有している方は固定資産税等を毎年支払っていますが、なんとかその負担も軽くしたいものです。そんな固定資産税と建物解体の関係や節税に関する情報を、こちらのコラムにまとめてあります。
メンテナンスの費用を抑えられる
家屋は定期的なメンテナンスが必要になりますが、屋根や外壁等を修繕・メンテナンスする場合、複数階建ての家屋では足場の設置が必要になります。
この足場設置は安全な工事を実施するためにも必要であり、それだけにある程度の費用がかかります。ただし、平屋建ての場合は高所であっても梯子などで対応可能なために足場を設置する必要はありません。その分、メンテナンスの費用を抑えられます。
二階建てを平屋にするデメリット
もちろん、平屋は前述のようなメリットだけでなくデメリットもあります。その主なものは次に挙げられます。
生活音が気になりやすい
平屋の場合は、そのフロア全体が生活空間となって寝室も、リビングも、トイレや浴室などの水回りも同じフロア内に存在することになります。そのため、それぞれのエリアで起こる生活音が、他の場所にも響きやすい環境です。
二階建てのように複数回に生活空間がわかれていると、それぞれのフロアで発生する生活音はあまり気になりませんが、平屋の場合はそれとは少し異なります。それだけに、設計の際には、浴室やトイレ、キッチン、リビングなどの配置を吟味する必要があります。
陽当りや眺望が悪くなる可能性が高まる
おおくの立地環境では、周囲にも他の家屋や建物が存在していることでしょう。そのため、陽当りや眺望はその影響を受けますが、複数階建てにすることによって陽当りや眺望の良さを確保している場合もあるはずです。
しかし、減築して平屋にした場合、それ以前よりも陽当りが取りにくくなったり、周りの家の壁しか見えない、といったような環境になったりする可能性が高くなります。その分、窓を大きくして彩光をよくしたいと思っても、プライバシー保護の点から思うようにできないこともあります。
生活音対策や間取りの工夫と併せて解体範囲など、リフォームの際にしっかり検討すべき課題です。マトイでは、これらの点においてもはじめのお問い合わせの段階から、お客様とのコミュニケーションを通してご提案させていただいています。
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二階建てから平屋に減築する際の留意点
より暮らしやすさを求めて減築するのですから、前述の平屋のメリットを最大限に生かしたものにしたいですよね。
そのためには、次のような点を心がけましょう。
○窓の配置は、彩光や風通し、プライバシー保護の面を考慮。
とくに平屋の場合、窓の配置はじゅうぶんな配慮が必要です。
例えば、隣家をはじめとした周辺の建物が高層ならば、陽当りや日照時間、風の流れもしっかり調べたうえで、窓の位置などを決めましょう。また、建物周辺の人通りの激しさや通行人の視線なども考えたうえで、窓の位置や外構の仕様なども検討し、彩光・風通し・プライバシー保護を図りましょう。
○そこで暮らす人の1日のスケジュールに伴う動線、生活音を十分に検討。
平屋のメリットである動線の良さは、間取りによっても変わってきます。1日のスケジュールに伴う動線がスムーズにいくような間取り、そしてトイレや浴室などの水回りやリビング等での会話の声などが騒音とならない配置が必要です。
この点がしっかり計算されていないと、平屋でも生活音が騒音となってじゅうぶんに安らぐことができない住まいになってしまいます。
○減築しても広々とした印象の間取りや意匠の工夫で開放感を演出。
2階建てを平屋に減築する場合、延べ床面積はそれ以前よりも狭くなります。でも、だからといって窮屈な印象になるのは絶対に避けたいものです。
そのため、着工前の設計段階から吹き抜けを設ける、壁ではなく低めの間仕切りにする、壁の配色を圧迫感のない色彩にする、などの工夫をしましょう。
○通常のリフォーム工事よりも費用がかかる。
2階部分だけを解体撤去するケースが通常よりも費用がかかるのは、たんに解体撤去するだけでなく、
*1階部分をリフォーム工事が計画通り行えるように保ちながら2階部分を解体撤去するための手間がかかること、
*新しく天井や屋根を設置する必要があること、といった理由があります。
そのため、見積りをとって予算計画をしっかり立てることが大切です。
基本的な解体工事の流れを、こちらのコラムで説明しています。どうぞお読みください。
二階建てを平屋にする費用の相場
2階建てを平屋に減築する場合、次のような工程が必要になってきます。また、各工程の減築面積100㎡当たりにかかる費用の相場も併記します。しかし、これらの費用はそれぞれのケースや業者によって異なるため、まずは参考価格としてご覧ください。
表 減築の工程と減築面積100㎡当たりの費用の相場
工 程 | 費用の相場 |
解体・補強工事 | 約300万円~ |
外壁・屋根工事 | 約200万円~ |
耐震補強工事 | 約200万円~ |
断熱補強工事 | 約100万円~ |
電気配線工事 | 約10万円~ |
水回り設備交換 | 約200万円~ |
内装工事 | 約200万円~ |
合 計 | 約1,210万円~ |
これらの費用は、もとの家屋の大きさ、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造といった構造の違いによっても大きく変わってきます。さらに平屋部分の間取りや意匠をどのようにするかによっても違ってくるため、減築を検討中の方は思い描いているプランと現状の家屋の広さや構造などを業者に見てもらい、見積りを出してもらうことをお勧めします。
解体工事の費用の相場を知る方法などについて、こちらのコラムで解説します。どうぞお読みください。
東京都の減築リフォームで活用可能な補助金・助成金のご紹介
前述のように減築リフォームでは高額な費用がかかります。その負担を軽減するために役立つものに自治体の補助金・助成金制度があります。
減築や改築の際に利用できる補助金・助成金制度の代表的なものとして「耐震補助金」と「省エネリフォーム補助金」があります。
減築を行う場合は、耐震補強を行って現在の耐震基準まで耐震強度を引き上げる必要があります。そのため「耐震補助金制度」の適用となるかをはじめ、補助金額、申請期限、要件、手続きの流れ等について、家屋が所在する自治体に前もって確認しておきましょう。
また、省エネが見込まれる設備設置などについては、以下にある国からの補助金があります。
・子育てエコホーム支援事業
・先進的窓リノベ事業
・給湯省エネ事業
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
・次世代省エネ建材の実証支援事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
自治体の補助金・助成金制度とこれらを併せて利用することで、経済的負担をかなり軽くできます。
家屋解体時の費用・段取り・補助金等について、こちらのコラムでも解説していますので、参考になさってください。
〈例〉東京都練馬区の耐震化助成制度
東京都では、リフォームに際して要件を満たした耐震化工事を行った場合、申請によって補助金を支給する自治体が多くあります。その1つとして、練馬区の耐震化促進制度による住宅に対する助成をご紹介します。
○事業名:耐震化促進事業助成
○概 要:
練馬区内の戸建て住宅または長屋、2階建て以下の分譲マンション、2階建て以下の賃貸住宅、延べ床面積が1000㎡未満の賃貸住宅に対して、無料簡易耐震診断、耐震診断実施設計、耐震改修工事と耐震化の支援を実施。
○助成の対象要件:
・1981(昭和56)年5月31日までに着工した建築物(旧耐震建築物)であること。または、1981(昭和56)年6月1日から平成12年5月31日までに着工した、平屋建てまたは2階建ての 木造(在来軸組工法)建築物(新耐震建築物)であること。
・原則、違反がない建築物であること。
・建築物の所有者が申請すること。
・建築物所有者が住民税等を滞納しないこと。
○防災まちづくり事業実施地区内の住宅の耐震化支援制度による助成として:
耐震改修の助成率=3/4
助成金の上限=270万円
○2000年基準を満たさない木造住宅*に対する耐震化支援制度による助成として:
耐震改修の助成率=2/3(住民税非課税世帯等は4/5)
助成金の上限=130万円(住民税非課税世帯等は150万円)
*2000年基準を満たさない木造住宅=現行の耐震基準を満たしていない、1981(昭和56)年から2000(平成12)年までに着工した在来軸組工法の木造建築物。
耐震改修を実施した住宅に対する税の減免
なお東京都では、練馬区をはじめとした23区内で耐震化のための建て替え・改修を行った住宅に対して、固定資産税・都市計画税の減免を行っています。改修における概要は以下の通りです。
○改修による減免の要件:
・2026(令和8)年3月31日までに耐震改修工事が完了していること。
・耐震改修後の家屋の居住部分の割合が当該家屋の2分の1以上であること。
・耐震改修に要した費用の額が1戸当たり50万円を超えていること。
・現行の耐震基準に適合した工事であることの証明を受けていること。
○減免される期間と税額:
改修完了日の翌年度1年度分※について、住宅1戸当たり120㎡の床面積相当分までの固定資産税・都市計画税が全額減免。
※住宅が通行障害既存耐震不適格建築物に該当する場合は2年度分。
練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度
耐震化支援とともに、環境保全の側面から省エネ促進に対する支援も行っています。練馬区の場合は、この「練馬区カーボンニュートラル化設備設置等補助制度」です。
この制度では、練馬区内の既存住宅等に省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を設置・改修した費用の一部を補助します。さらにこの制度は、東京都や国およびその他団体による補助金制度と併用が可能です。
○申請者の区分:
練馬区に居住する「区民」、練馬区内で事業を営む「事業者」、練馬区内でマンション等を自らが管理している「管理組合」の3者が申請可能となります。
○補助対象となる設備:
・太陽光発電設備
・蓄電システム
・エネファーム(家庭用燃料電池システム)
・エコキュート(自然冷媒シートポンプ給湯器)
・V2H(ビークル・トゥ・ホームシステム)
・LED化改修
・改修窓(窓の断熱改修)
○補助対象となる経費:
補助対象設備の購入費、その設置等に係る消費税を除いた工事費。(搬入費、撤去費、処分費、一般管理費、手数料等は含まれません)
表 補助対象設備の種類と補助上限額等
「令和6年度 練馬区カーボンニュートラル化設備等補助制度のご案内」より引用。
まとめ
今回のコラムでご紹介したように、2階建ての家を減築して平屋にするということにはメリット・デメリットがあります。
平屋というと生活しやすい環境が整っているように思いがちですが、“生活音が気になる”といったデメリットは、意外だったのではないでしょうか? 確かに、静かな環境を保ちたい寝室や書斎の近くにトイレやキッチンなどがあって、自分の都合に関係なく生活音が響くのは嫌なものかもしれません。しかし、行動の不自由さを抱えている方やご高齢の方などにとっては、トイレが近くにあることは生活のしやすさにつながります。
このようにデメリットになるようなことも、そこで暮らす人の状況によってはメリットになる場合もあり、その逆もありうるものです。
マトイでは東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県を中心に解体工事をはじめリフォーム等も承っておりますが、それぞれのお客様のご要望とライフスタイルを踏まえながらご相談対応及びご提案をさせていただいております。どうぞお気軽にお声かけください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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