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解体後の木材、家の思い出を残すためにも再利用できます

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 家を解体する理由はさまざまです。しかし、長年暮らしてきた家や自分が育ってきた家を解体するときの気持ちは複雑でしょう。たくさんの思い出が刻まれている家をできれば残したい気持ちと、解体しなくてはならない事情を抱えてのせめぎ合いもあるかもしれません。
 そんなとき、愛着ある家の一部を、新しい家に取り入れてはいかがでしょうか。その方法として、古い家で使われていた木材や建具を再利用することについて取り上げます。

古い家の思い出を活かした、さまざまな例

 古い家の材料は、いろいろな形で新しい家に取り入れられます。その例をご紹介します。

解体する古い家の木材をフル活用して家を新築

 「古民家を移築」ということはたまに聞くことがあります。しかし、一般の家屋を移築するのは、建築規制や敷地の広さなどの問題から難しいことが多くあります。移築までいかなくても、基礎や土台、骨組みは新しくし、古い家の梁や床板、建具など利用可能なものを取り入れて新築できます。もちろん、古い木材だけでは足りない部分は新しい木材を利用しますが、懐かしさが漂う落ち着いた雰囲気の家ができるでしょう。逆に、デザインによっては、とても個性的な家ができるかもしれません。

古い家の梁を新たな家を支える梁に

 家の重さを支える梁や大黒柱は、古い家の場合は今では手に入れることが難しいような太くて良質な木材を使用していることが多くあります。そうした部分を、新しい家でも同様に梁や大黒柱に使用するのもいいでしょう。

大きく曲がった柱をオブジェのように玄関の柱木に

 古い家を造り上げてきた木材のなかには、ときに曲がったりうねったりしたユニークな形だけど、まだまだ状態のよい柱を見つけることがあります。そういったものを見つけたらオブジェのように玄関ポーチの柱木や室内のアクセントになるように設置してみるのはどうでしょうか。意外に、現代的な表情となって雰囲気に溶け込みます。

古い建具や網代天井を使ってオーダーメイド感のある室内に

 一枚板に繊細な細工を施した欄間や板戸、竹などの天然材料を織り込んで作られた網代天井等は、いまではなかなか入手できません。まさに職人の手仕事によって造られたものは、是非とも今の生活に取り入れたいものです。そういったものを取り入れることで、オーダーメイド感がぐっと高まった家になります。

手延べガラスを室内ドアにはめ込んでゆらぎ感のある景色を楽しむ

 一般的に窓などに使われている透明のガラスは均一の厚さでできているため、向こう側の景色がそのままきれいに見ることができます。しかし、昔の手延べといわれる手作りのガラスは厚さが均一でないことから、そこから見る景色は独特の揺らぎがありました。そういったガラスは、現在ではなかなか入手できません。そのほか昭和時代に多用されていた柄付きのガラス板などがあれば、室内ドアや小窓、備え付け家具のアクセントとして部分的に取り入れると個性的な表情を楽しめます。今では見る機会が少なくなった、手延べガラスの向こう側の風景や、さまざまな柄を通して入り込んでくる光の変化を楽しめます。

解体後の木材を再利用するメリットとその見極め

 古材の利用例を先にお伝えしましたが、古い建物に使われていた建材は、そのもの自体も同じように長い年月を経ています。それが問題なく使えるのでしょうか? その点に不安を覚える方もいらっしゃることでしょう。

古い家に用いられた木材は貴重な自然乾燥木材

 古い建物に使われている木材は、長い期間をかけて自然乾燥していきます。そうして自然乾燥した木材は、そこに含まれている樹脂を保った状態で、その木材本来の美しさを損なっていません。また、家の材料として使われてきた間に、生活環境のなかから生まれる湿気、煙、油、摩擦などの影響を受けて、さらに独特の風合いやしなやかさや強度を備えてきました。
 一方、現在使われている木材の多くは、高温で強制的に水分を飛ばして乾燥させたものが主流です。こうして加工される木材は量産しやすく、反りや割れが少ないために加工しやすいというメリットがあります。その反面、無理に乾燥させるために艶やしなやかさは失われ、強度は年々減少していきます。さらに弾力性や木材の呼吸する働きも低下することから、室内の湿度を調整する働きも弱くなりやすいというデメリットがあります。
 古い建物に使われてきた木材のなかには、もちろん環境によって朽ちていたり、虫食いがあったりして使えないものもあります。しかし、解体後もじゅうぶんに利用できる木材もたくさんあるのです。できれば人との暮らしとともに長い年月をかけ、よりその魅力を蓄えてきた古い木材を再利用するのも豊かな暮らしにつながるのでないでしょうか。

古い木材を再利用することのメリットとデメリット

 もちろん、古い木材を利用することにはメリットもデメリットもあります。それぞれを検討して、ご自身に合った活用方法を考えるとよいと思います。
<古い木材を利用することのメリット>
① 新しい木材よりも強度がある。
② 新しい家の雰囲気に重厚感や落ち着きある風合いを加えられる。
③ 環境にやさしい建築ができる。
<古い木材を利用することのデメリット>
① 計画どおりの木材が揃わないことや、場合によっては古い木材に合わせて新しい木材を加工する必要が生じる場合がある。
② 解体場所から作業場所や保管場所などへの運搬や保管が必要となり、そのための手間や費用が必要となる。
③ 解体では手作業で行う部分が多くなることから、再利用に必要とする木材の量によっては解体費用が高くなる場合がある。
④ 古い木材を使って家を建ててくれる業者や職人を探す必要がある。

再利用できる木材とできない木材の見極め

 古い木材が再利用できるかどうかは、次のような点を見極める必要があります。
① 古い木材の強度、耐久性などに問題はないか。
② それぞれの木材にひび割れや反り、歪み、経年劣化による損傷などがないか。
③ 利用目的に合わせた長さ、幅、厚さのサイズが確保できるか。
 再利用にあたっては、このような点を見極めてそれぞれの木材を選ぶ必要があります。この見極めは素人では難しく、大工や工務店・建築会社のプロに見てもらう必要があります。

再利用する際の流れ

Step1/解体工事前に再利用可能な部材を選ぶ
 古い建物を解体する前に、建築工事を行う業者に再利用可能な木材を選んでもらうとともに、施主様が是非残して新しい家に取り入れたい部分(例えば梁、大黒柱、欄間など)も合わせて確認。解体時にその部分を取り外したら別に保管しておいてもらう。
Step2/古い家から取り除いた部材や建具を、建て替え業者の作業所まで運搬し、木材の処理を行う
 取り除かれた部材を、建て替え業者が作業する場所に運搬し、次のような処理を行います。
① 水洗いを行い、布、ワイヤーブラシ、電動工具、薬品などを用いて汚れを落とす。
② キズや破損の有無を確認し、節などに穴が開いていたら必要に応じて埋木(うめき)などの処置を行って補修する。埋木とは木材に空いた穴に他の木材を埋め込んで補修する方法のことをいう。
③ 木材の仕上げ作業を行う。油を引いて木材の自然の色を活かす、紅ガラ・墨・膠・柿渋などを使って用途に応じた色を出すなどの方法がある。
④ 建て替える家での利用方法やデザインに応じて、カットしたりスライスしたりして丁寧に加工する。
⑤ 建て替え工事の進捗に応じて、適宜、再利用する部材や建具を取り付ける。

再利用する際に注意しておきたいこと

 古い建物に使われていた木材や建具を再利用することは、思い出や家族の歴史を引き継ぐことにもなります。また、まだまだ使える状態のよい木材を引き続き活用することは、循環型社会においては有意義な取り組みでもあります。
 しかし、解体段階から新しい家に建て替える段階において、手間もコストもかかります。その点をじゅうぶんに検討し、以下のことにも注意して判断することが大切です。

予算と利用スペースをしっかり計画

 前述したように、コストがかかります。
 例えば、使いたい柱が1本だけだとしても、それを取り外すには周辺を解体しながら取り外し作業を進めていきますが、その柱を傷つけないように手作業で少しずつ作業を進めるようになります。重機を利用しても大丈夫な部分でも、再利用する柱に瓦礫が飛んで傷つけないように養生したり、細心の注意を払って重機を操作したりするなどの手間がかかります。その後も、新しい家に取り入れられる状態に加工するにもいくつかの作業が必要になります。
 古い家の木材や建具を再利用する際、次のようなことがコストを増やす要因となります。
① 解体から再利用のための処理までのほとんどが手作業となる。
② 古い木材を新たに加工しなおしたり、新しい木材を組み合わせたりして使うことも多く、高い技術力が必要になる。
③ 新しい建材の色合いや質感を選択する際の幅が狭まる傾向にある。
 そのため、どこに古材や建具を利用するか、それにはどのくらいの費用が必要になるかを解体から建て替え費用を含めて、予算や業者の選択、利用スペースや利用方法などの具体的なプランを立てて進めていくいことが大切です。

保管場所を確保

 再利用のために取り除いた木材や建具は、解体場所から建築業者の作業場などへと運搬され、再利用するための処理が行われます。しかし、業者の作業場が遠い、再利用する木材等が作業場に入りきらない、処理した後の木材などを新しい建物に取り入れるまでの保管場所がないなどといった場合は、保管場所を確保する必要があります。その場合、保管場所の費用が必要になります。業者の作業場に保管しておくことについても、有料となる場合があるので、確認が必要です。

業者の選定と依頼時に注意すること

 業者の選択は、解体工事においても建て替え工事においても、古材を再利用することを伝えて、その経験がある業者に依頼するほうが安心です。そうしないと、通常の解体同様に解体したなかから木材を選ぶとなると、どれも傷だらけで使えないということが起こりかねません。
 再利用できる木材かどうかの見極めや、古材や建具の再加工や新しい家への取り付けなどには高い技術力が求められます。まずはインターネットや建築雑誌などで古材を再利用した建築経験のある業者を選択します。そこから直接、問い合わせたり、古材を利用した建築実績などを見せてもらったりして、さらに数社に絞り込んで相見積りを取り、慎重に比較検討して決定しましょう。
 なお、相見積りなど業者選びのポイントはこちらにも説明していますので、ご一読ください。

解体後の木材、家の思い出を残すためにも再利用できます

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どこから手を付けたらいい? 解体工事の進め方

まとめ

 多くの人にとって、家を建てたり建て替えたりするのは一生に一度あるかないかの大仕事です。そんな一大事業に、それまで親しみ、思い出が刻まれた古い家の一部を再利用するのは、とてもよい考えだと思います。
 しかし、普通に家を新築するよりも費用がかかってしまうことも事実です。それだけに、ご自身やご家族の気持ちをしっかり確認すること、そしてどこにどのように古材や古い建具を取り入れるかを具体的にイメージして、実際に新しい家での使い道があるかどうか、使い勝手はどうかを建築業者とともにじゅうぶんに考えてください。そのうえで再利用したら、納得のいく素敵な家ができるはずです。
 マトイでも「この柱は残しておいてほしい」「この建具は新しい家で使いたい」と施主様からご相談をいただくことがあります。そんなとき、「ああ、この柱(またはこの建具)が、新しい家に収まってご家族の歴史を引き継いでいくのだなぁ」と心が温まり、大切に取り外させていただいています。解体だけでなく、そういったご相談もどうぞお気軽にお寄せください。喜んでお力にならせていただきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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