家の解体時に庭木の撤去も一緒に頼める?費用の目安や施主の段取りは?
かいたいコラム 庭木を撤去するのは、家を解体して更地にする、建て替えや改築をする、庭の趣向を変える、等々がきっかけになることが多いと思います。ときには、大きくなりすぎて隣家に迷惑がかかるから、ということもあるようです。
いずれにしても、小さな植木ならば簡単に一般ごみとして処分できますが、大きくなればなるほど、処分に悩むようです。今回は、家の建て替えや改築、更地戻し等のために家を解体する際の庭木の処分について考えます。
家を解体するとき、庭木の撤去はどこに依頼したらいい?
庭木を伐採する際、どのような業者に依頼したらいいでしょうか。その候補となる業者を挙げます。
解体工事業者
家の解体を行う解体業者にまず相談してみてはどうでしょう。建物を解体するとともに、ベストな作業の流れで伐採してくれるはずです。
ただし、庭木の撤去は付帯工事の扱いとなり、家屋とは別に費用が発生します。また、解体工事業者は庭木の専門家でないため、植え替えや別の場所などへの移送などには対応しないことが多いです。そうした希望がある場合は別の業者に依頼した方がよいでしょう。
マトイでは他業種とのネットワークをもっていますので、そういったご希望がある際は、まずご相談ください。対応が可能かどうか、前向きに検討させていただきます。なお当社へのお問い合わせはこちらまでお願いいたします。
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造園業者
植木の専門業者として挙がるのは、造園業・植木屋・庭師などです。
造園業は庭全体の設計や保守管理など総合的に関わります。一方、植木屋は樹木の剪定や植え替えを主に手掛けています。さらに庭師になると、樹木の剪定を行いながら庭全体の空間を作ります。
それぞれに微妙に専門とする分野が異なりますが、植木を扱うことについては共通しています。また、地域のなかではそういった区分けは明確でなく、広い意味で「造園業」として庭や植木に関する相談や業務を行っているので、問い合わせてみるとよいでしょう。もしも、庭木の邪魔な部分や育ちすぎた部分を剪定して木は残しておきたい、別の場所に植え替えたい、といった希望があれば、造園業者に相談・依頼することをお勧めします。
その他
水漏れや家電の修理、不用品の改修など、日常生活のさまざまなトラブルに対応してくれる業者として「便利屋」があります。そのなかには庭木の伐採・廃棄に対応してくれるところがあるようです。ただ、必ずしも対応してくれるところばかりではないので、確認が必要です。
また地域に「シルバー人材センター」があります。いろいろな業種で働いて定年を迎えた人たちが登録し、かつてのスキルや特技を生かして働いています。なかには植木の剪定や伐採ができる人もいて、専門業者に依頼するよりも安く仕事をしてもらうことができるので、問い合わせてみる価値はあります。
業者を選ぶ際に注意すること
庭木の撤去等を依頼する業者を選ぶ際に大切なことは、なによりも施主様の立場になって相談や作業をしてくれる業者であることです。そのために注意すべき点を説明します。
① 依頼しようとする業者を口コミやインターネット等で見つけたら、電話やメール等で希望する作業内容ができるかどうか、廃棄処分まで行ってくれるか等を確認しましょう。
② 依頼候補となる業者は、数社選び出して相見積りを出してもらいましょう。
③ 提出された見積り書はしっかりと読み込み、次の点を確認します。
・希望の作業内容(伐採・抜根・移送・植え替え・廃棄物処理・土の埋め戻しなど)は見積書のどこに含まれているか。
・それぞれの費用が高すぎたり、安すぎたりしないか。安すぎる場合は、作業工程のどこかを抜いていたり、廃棄物を不法投棄したりと、必要な処理を省いている可能性があります。
④ そのほか見積り書を検討して感じた疑問点などを確認してください。このとき、対応が不親切だったり、説明がきちんとなされなかったりしたら依頼候補から外した方がいいでしょう。
こちらのコラムにも業者を選ぶ際のポイントや見積り書を読み込む際の留意点などの説明を行っていますので、ご一読ください。
庭木撤去の流れと施主様が行う場合の留意点
つぎに、庭木の撤去をどういった流れで行うのが適切かを説明します。ご自身で作業をしたいとお考えの方もぜひご参考にしてください。
庭木撤去の流れ
庭木の撤去は次のような流れで進めます。
① 伐採する方向を決める
木を倒す方向を決めますが、その方向に隣家を含めて建物がないか、人が通行する可能性はないか、運搬するときに支障はないか、木がある場所は水平か斜面かを見定め、作業員の退避スペースを確保したうえで判断します。
② 枝を切り落とす
枝があると葉や小枝などが倒れる際に周囲に飛び散って、周辺の建物や人に迷惑をかける可能性があります。そのため、可能な範囲で枝を切り落としておきます。そして、その際に出た廃棄物や周辺にある不要なものなどが倒れた木の衝撃で飛び散ったり、作業員がつまずいたりすることがないように整理しておきます。
③ 木を切る
木の根元に近い場所にチェンソーもしくはノコギリで直角三角形(くさび型)の切り込みを入れます。この切り込みは倒す側に幹の直径1/4程度の長さ(太い木の場合は1/3程度)まで入れます。木が傾き始めたらすぐに退避し、木が倒れるのを確認します。
*太い木の場合はこのほかに、反対側に切り込みを入れたり、くさびを差し込んだりして倒します。しかし、そういったことが必要なくらい大きな木になると、専門業者に任せた方が安全かつスムーズに撤去できます。
④ 根を掘り出す
⑤ 撤去した木や根をまとめて処分する
なお、家の解体時は、着工の1週間前ぐらいに近隣の家に、解体の挨拶や工期などを伝えます。解体と一緒に庭木の伐採をする場合は、それも込みで挨拶をすることになります。しかし、家の解体と庭木の伐採を別々に行うような場合は、隣家に挨拶をしておくと余計なトラブルを防げるでしょう。そういった点も、伐採を行う業者と事前に打ち合わせておくことをお勧めします。
ご近所への挨拶回りについては、こちらでも説明していますのでご覧ください。
施主様が庭木の伐採を行う場合の留意点
さほど大きな木でなければ、施主様ご自身で撤去することもできます。その際の留意点について説明します。
① 撤去に必要な道具をそろえる
・服装……長袖、長ズボン(もしくは防護ズボン)を着用(切り落とす枝や葉などで体を傷つけないため)
・ゴーグル
・作業用手袋
・ヘルメット
・安全靴
・ノコギリ
・チェンソー
・スコップ
・ロープ
・滑車
・はしご、脚立
・ごみ袋
② 天気の良い日を選んで行う
雨の日の作業は足元が滑るなど危険です。それだけでなく、木が水分を吸っていつも以上に重くなるため、作業の困難さが増します。また、伐採した木を処分する際、重さによって費用が変わるため、できるだけ乾燥して軽い方が費用も軽くなります。
③ 自分で撤去できる木を見極める
あまりに太く、高さがある木は専門業者に任せた方がいいでしょう。自分で伐採できる木の大きさの目安は、地面からの高さが3m、太さ20㎝までといわれています。それ以上のものは高所からの転落や作業ミスなどのリスク回避や安全のためにも専門業者に任せることをお勧めします。
④ 少しずつ切る
根元から一気に木を切ると、木が倒れるときに枝や葉が飛び散って危険です。そのため、最初に枝を切り落とし、木の高さ2/3あたりの位置から切ると、安全に作業を進めることができます。
⑤ 撤去した木や根は正しく処理する
根を含めた伐採済みの木は、きちんと廃棄できる状態に整えて処分します。
撤去した庭木の処分方法
庭木の撤去を業者に依頼した場合は、業者に処分を依頼することができます。解体業者に家の解体とともに庭木の撤去も依頼した場合は、他の廃材とともに処分することになります。しかし、ご自身で撤去した場合は、処分もご自身で行うことになります。その方法は次の通りです。
① 地域のゴミ回収時に可燃ゴミとして出す
枝や木をゴミ袋に入る程度の大きさに切り、ゴミ袋に入れて可燃ゴミとして出します。このとき、ゴミ回収員がケガをする原因になりますので、入れすぎて袋が破けたり、枝が飛び出したりしないように注意してください。
また、自治体によっては伐採した木くずは粗大ゴミ扱いになることもあるので、事前にその地域のゴミの分別を確認しておきましょう。
② クリーンセンターに持ち込む
廃棄物の量が多かったり、撤去した木が大きくて適当な大きさに切れなかったりする場合は、自治体のクリーンセンターに直接持ち込むことも可能です。その場合、費用が発生しますが、それは重さで決まります。もし廃棄する木くずが雨などで濡れて重さが増している場合は、乾燥させてから持ち込むことをお勧めします。
クリーンセンター持ち込みに際しての料金および手続等は自治体によって異なりますので、事前に電話をして確認してください。
③ 業者に引き取ってもらう
造園業者、不用品回収業者、便利屋などのなかで、有料で回収してくれるところがありますので、問い合わせてみてください。
④ 土は別に処分する
土はゴミとして処分に出せない自治体が多くあります。自治体に土の廃棄についてどのようにしたらいいかを確認してください。もし出せない場合は、園芸用の土を取り扱っているホームセンターや造園業者などに問い合わせてみてください。土や砂利を回収してくれるところがあります。
廃棄物の分別や処理方法については、それぞれの自治体の方法に則って行うことが大切です。こちらのコラムでも廃棄物について説明していますので、ご一読ください。
庭木撤去を業者に依頼することのメリットとデメリット
では、業者に依頼するためのメリットとデメリットを考えたいと思います。
【メリット】
① 業者、とくに植木屋等の専門業者は、施主様の植え替え等の要望に応えてくれる。
② スムーズに効率よく、かつ安全に計画通り作業が進む。
③ 施主様がチェンソーなどの専門用具をそろえる必要や、ケガなどのリスクや負担がない。
【デメリット】
① 費用がかかる。
② 解体業者以外の業者に依頼する場合は、依頼の手間が増えてしまう。
庭木撤去費用の目安
庭木の撤去には、「伐採にかかる費用」「抜根にかかる費用」「その他の費用」の3つ費用が生じます。
【伐採にかかる費用】
伐採にかかる費用は、庭木の高さによって変わってきます。
庭木のサイズ | 費用の目安 |
低木(高さ1.5m程度まで) | 5,000円~ |
中木(高さ1.5~3m程度) | 1万5,000円~ |
高木(高さ3m以上) | 3万円~ |
【抜根にかかる費用】
抜根にかかる費用は、根の一番大きな部分の直径によって変わってきます。
根のサイズ 費用の目安
直径15㎝程度まで | 5,000円~ |
直径15㎝以上 | 1万円~ |
【その他のことにかかる費用】
重機を使用した場合や、伐採した庭木の運搬や処分の費用が必要になります。
・伐採や抜根に10tのクレーンを使用した場合……10万円前後の追加費用
・10tのユンボを使用した場合……5万円前後の追加費用
・運搬や処分費用として……伐採した庭木1本分の3~5割程度の金額
家の解体に伴う庭木処分に関するQ&A
家屋解体に伴う庭木の撤去では、さまざまな疑問や不安も出てくることでしょう。ここでその一部をご紹介します。
庭木を残した状態で家だけを解体することはできる?
家のあるその場所を、更地にして売却するような場合は庭木を残すことはできません。すでに買主が決まっていて、その方の了解が得られれば別ですが、そうでなければ基本的にはすべて撤去することになります。
しかし、施主様やその関係の方々がそのままそこに住み続けるような場合は、ご希望に応じて庭木を残して、家だけを解体することはできます。
思い出のこもった古い木を別の家に植え替えることはできる?
庭木を別の場所に植え替えできるかどうかは、その撤去作業を行う業者によってわかれます。
解体業者が家の解体と一緒に庭木の撤去を行う場合は、難しいかと思います。
基本的に解体業者は建造物の解体が専門です。庭木は生き物であり、それなりの知識に裏付けされた技術をもって植え替え作業を行わなければ、大切な木を枯らせてしまうことも考えられます。
もし最初からそのようなご希望がある場合は、植木屋等の専門業者に依頼した方が良いでしょう。
3代に渡って庭にあった立派な枝ぶりの庭木。売却は可能?
年代物の庭木は貴重です。できれば引き続き四季折々の変化を楽しみたいものですね。その意味からも、造園業や植木屋に相談してみる価値はあると思います。
ただ、率直な意見を申しますと、最近では和風の庭を新たに作ったり、和風の庭木を庭に配したりする家は減りつつあります。その点からも「売却」が可能かどうかは難しい問題です。買い取りは難しくても、撤去作業は先方負担で引き取ってもらうことができるかもしれません。交渉の価値はあります。
また、地域の掲示板やSNS、お友達同士のコミュニティなどで告知することで、希望する方が出てくるかもしれません。その場合は、金額や撤去・搬送・植え替え費用などを交渉して話を進めるとよいでしょう。
庭木を伐採するに際して、お祓いやお清めといったことは必要?
結論からいうと、してもいいし、しなくてもいい、といえます。これは施主様のお考え次第です。木を伐採するときにお祓いやお清めを行うのは、木にも神様や精霊が宿っているという古来の考えによるものです。もし「行わないとなんとなく心配」「ちょっと気になる」という気持ちがあるようでしたら、行っていいと思います。行う場合は、伐採を行う業者に事前にそのことを伝えると、準備してくれます。
なお、お祓い等についてはこちらのコラムでも説明していますのでご覧ください。
庭木とともに庭石の撤去も依頼できる?
もちろん可能です。マトイでは、庭木や庭石の撤去も家の解体と一緒に行いますので、最初の現地調査を行ったうえで、それらの費用も合わせて見積りを提出させていただきます。これは他の解体業者でも同じだと思います。
マトイでは庭木等がある家を庭木や庭石を含めて解体する場合、多くは建物に近い場所にある植栽を先に取り除いてから家の解体に取り掛かります。さらにその他の植栽や大きな庭木などは建物と一緒に撤去していきます。この順番は、現場の状況や業者によっても変わります。
なお、庭木や庭石を別の場所に移したい、敷地内の別の場所に移し替えたい、といったご希望がある場合は、造園業者や植木屋に依頼した方がいいかもしれません。ただし、その場合、家を解体する解体業者と庭木や庭石を撤去する業者との打ち合わせが必要です。その調整を施主様が行うか、業者間で行ってもらうかは、見積りの段階で話し合うことが必要です。
庭石の撤去については、こちらで説明していますのでご一読ください。
まとめ
庭木の撤去作業は、庭石や倉庫と同様にご自身で行うにはさまざまなリスクがあります。その点をじゅうぶんに理解したうえで判断してください。その結果、ご自身で行おうと決めた場合は、装備をしっかり整えて安全に配慮して行いましょう。少しでも不安を感じたり、大きめの庭木などがあったりした場合は、無理をしないで業者に任せることをお勧めします。無理してご自身で行った結果、ケガをしたり、隣家の壁や自動車などを傷つけたりしたら元も子もありません。
なお、マトイでは、建物の解体はもちろんのこと、庭木・庭石・倉庫・カーポート・塀等々の付帯設備を含めて、解体に関係する諸々のご相談にも対応させていただいています。どうぞこちらまでお気軽にご連絡ください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。
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