タイミングを間違えないで! 解体時の申請をしっかり把握‼
かいたいコラム 建築物の解体工事を行う際には、さまざまな手続きが必要です。届け先も区役所等の自治体や警察署、法務局など複数あります。
いずれも解体工事を円滑に進めていくために欠かせないものですから、どのような内容の申請手続きが必要で、いつまでに行うかもあらかじめ知っておくことが大切です。もしどれか1つでも申請を落としていると、工事全体が進められなかったり、何らかの混乱が生じたりします。
そこで今回は、解体工事で必要になる各種の申請について、その内容や申請期日などについて説明します。
また、それぞれの記述に関連する情報はマトイのホームページ内でも紹介していますので、こちらもどうぞご覧ください。
「よく働く」東京の解体会社マトイ
- 1 家の解体、その前に考えておくべきこと
- 2 家の解体時に必要になるさまざまな申請
- 3 解体の流れとタイミングを合わせて、モレのない申請を
- 4 家の解体前に行う申請・手続き
- 5 相続した家屋を解体する前に行うべきこと
- 6 解体後に行う申請・手続き
- 7 まとめ
家の解体、その前に考えておくべきこと
家の解体は、その後に家の建て替えやそれまでと異なる土地活用、売却などを控えていること、解体工事に多額の費用が掛かることなどから、施主様にとっては大きな決断です。
それだけに慎重に計画して、より良い業者を選び出し、円滑に計画を進めたいもの。そのために、事前の検討事項に次の4点を加えておきましょう。
固定資産税の変化
建物が建っている土地の固定資産税は、特例措置として減税対象となります。しかし更地になると特例はなくなるため、固定資産税が高くなる場合があります。これは1月の時点で建物が存在しているか否かによって評価が変わります。
家屋を解体する場合、その後の計画をしっかりと立てておくことが大切です。なかには土地を売却するために更地にする場合や、それまでと異なる土地活用を計画しているものの何らかの都合でしばらく更地になっている場合などがあります。
1月になっても土地が売れない、土地活用の計画が動かないなどの理由で更地の状態だと、特例措置は適用されずに固定資産税は高くなる可能性があります。この点を考慮して、できるだけ節税につながるように解体計画等を進めたいものです。
解体後の土地活用
前述のように家屋があっても更地であっても固定資産税はかかります。また、その地域が都市計画法の範囲にある土地であれば、都市計画税も課税されることになります。
そのため家屋の解体を検討する際は、解体後の土地活用を含めた計画をしっかり立てたうえで解体計画を進めることが大切です。
土地のメンテナンス
空き家はしっかりと管理しないとどんどん傷みが進んできます。また、防犯・防災上の問題も発生します。 対して“更地” にすると空き家を管理する手間から解放されると思いがちです。
しかし、それは大きな誤解です。家を解体撤去した後、そのままにしておくと敷地内に雑草が生え、ごみを不法投棄される可能性があります。そうならないために、フェンスの設置・補修、草むしりなどの手間や時間が必要になってきます。
更地にする目的を明確にもって、管理の手間を意味あるものとすることが大切です。
補助金の活用
費用の負担をできるだけ軽くしたいとはだれもが思います。
そのための方法はいろいろありますが、その1つが自治体による補助金・助成金の活用です。是非、解体工事や建て替え工事などを行う場合は、その建物が所在する自治体の補助金・助成金制度を確認して、積極的に活用することをお勧めします。
ただし、補助金申請は工事着工前に申請することや、申請しても審査があってその結果によって補助金等を受給できないこともあります。その点を理解したうえで、解体工事等の検討段階から、補助金制度に関する情報収集と申請を組み込んだ計画を立てるといいでしょう。
解体工事や建て替えでは、具体的な計画を立てる以前から、さまざまなことをイメージしたり検討したりすることでしょう。その段階から、不明なこと、あいまいで理解しにくいことなどは少しずつ解消していくことが大切です。
そのようなことがありましたら、どうぞマトイのホームページをご覧ください。また、マトイのサイト内にある「無料相談・無料見積り」もお気軽にご利用ください。
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家の解体時に必要になるさまざまな申請
家屋を解体撤去する際には、さまざまな届け出や申請が必要になります。その種類は主に「解体工事着工前」と「解体工事終了後」に行うものに分けられます。
解体の流れとタイミングを合わせて、モレのない申請を
一般的に解体工事の際の手続きや申請の多くは業者が行い、施主様がご自身で行うものはわずかです。しかし、施主様ご自身もその内容を把握し理解していることで、業者とのコミュニケーション、工事の進行状態の把握、工事費用の交渉などに役立ちます。
解体工事の流れと各種申請のタイミング
解体工事に必要な手続きや申請は、解体工事の流れに沿ったタイミングで行うことが必要です。
Step1 家屋の解体・建て替え等を検討➡申請関連:補助金制度の情報収集・申請
(解体・建て替え等を考え始めた段階の早い時期から情報収集し、申請準備)
Step2 無料見積り・業者の選択及び決定し契約➡申請関連:解体工事前の届け出・申請
(業者が決定し、着工までの間に行う)
Step3 近隣への挨拶回り
Step4 解体工事開始
Step5 整地・完工➡申請関連:建物滅失登記等、解体後の届け出・申請
申請のタイミングがずれるとどうなる?
解体工事で行う手続きや申請は、工事を問題なく進めていくうえで大切なものです。適切なタイミングでそれらが行えないと過料や懲罰の対象となることがあります。
例えば、解体工事届け出を怠ると最大で20万円、解体撤去後の建物滅失登記を怠ると最大で10万円の罰金が科せられます。
こういった過料以前に、必要な手続きや申請は、無事に解体工事を進め、その後の土地活用を円滑にしていくために欠かせないものです。
手続きや申請が通常通りに行えないことによって、工事自体に支障をきたすこともあり得ます。順調に解体工事とその後の土地活用を進めるために、適切なタイミングできちんと手続き・申請を行う必要があります。
家の解体前に行う申請・手続き
家の解体を始める前に行う申請・手続きは、自治体、警察、法務局などさまざまです。ここで、それぞれについて説明します。
解体工事着工1か月以上前/補助金・助成金の申請
解体工事に対して、空き家対策や防災対策の一環として耐震化促進などを目的に、解体費用助成金を支給する制度を備えている自治体があります。その額は各費用の20~70%で、具体的には申請条件とともに自治体によって異なります。
また、申請から審査後、結果の通知が届くまで1~2か月かかる場合があります。また、申請件数が自治体の予算に達した場合は新たな申請の受付を終了することもあります。それらのことを併せて、解体や建て替え等の話が挙がったら、それと同時に補助金に関する情報収集や申請の準備をしておくことをお勧めします。
なお解体工事に関連した助成金・補助金に関して、手続きの流れや申請時の条件など、こちらのコラムで説明しています。どうぞご覧ください。
着工7日前/解体工事届け出
「解体工事届け出」は「建設リサイクル法」によるもので、床面積80㎡以上の建築物を解体撤去する際、工事着工の7日前までに役所に届け出ます。その際、届出書とともに、分別解体等の計画書、現場の案内図、設計図または写真、工程表、委任状などを提出します。
もしも届け出を怠ると行政指導が入り、それに従わない場合は20万円の過料が科せられます。
解体工事着工前日まで/建築物除去届
これは建築物の統計として必要となる届出で、1年間にどのくらいの建物が解体されているかのデータ収集を目的としています。
この届出は着工前日までに提出することになっていますが、すべての建物の解体に必要なものではありません。建築物または工事部分の床面積が10㎡以内の場合、もしくは建て替えに伴う解体工事では届け出の必要はありません。
しかし、それ以外の場合は届け出が必要で、届け出をしないまま解体撤去したり、虚偽の届け出をしたりすると50万円以下の過料が科せられます。
解体工事着工前まで/道路使用許可申請・道路占用許可申請
「道路使用許可」は解体工事の際に、現場に面した道路に一時的に工事車両を停車して作業を行う場合、管轄の警察署に申請します。また「道路占用許可」は足場や工事車両等が継続して道路を占有する際に申請します。
申請は所轄の警察署に届け出、解体工事着工前までに行います。
原則、道路では道路交通法によって交通の妨害となる行為は禁止されています。そのため、申請をしないと妨害行為となって罰せられます。
解体工事着工の2~3週間前まで/電気・ガス・電話回線の停止
解体撤去する家屋内には、それまでの生活に必要な電気・ガス・テレビやインターネット回線・ケーブルテレビ等などが備えられていることでしょう。これらを解体工事着工前に停止しておくための連絡・手続きをしておく必要があります。
基本的にはそれぞれの契約先に施主様ご自身によって連絡していただくようになります。しかし、お仕事などの都合でできない場合は、業者に相談してください。施主様に代わって、停止等の連絡・手続きをすることが可能です。
なお、この際に注意が必要なのは、水道については解体工事終了後に停止の手続きをする点です。水道は解体工事中も散水などで使用します。そのため、停止するのは解体工事が終了してからになります。その場合でも、自治体によっては工事着工前に水道局への事前の届け出が必要な場合があるので、確認しておきましょう。
電気の停止に際してはブレーカー、メーター、引き込み線などの撤去が、ガスではメーターガス栓などを手動で占める作業等があるため、停止の連絡は余裕をもって着工の2~3週間前くらいにしておくといいでしょう。
工事着工の1週間前/近隣住民への解体工事の説明
これも広い意味では大切な申請・手続きの1つになり、近隣の方に工事について理解と協力をいただくために欠かせません。これは挨拶回りの際に一緒に行います。
近隣の方々に解体工事に関する説明や協力をいただくための大切な機会である挨拶回りについては、こちらのコラムで詳しく説明していますので、どうぞご一読なさってください。
工事着工前/粗大ごみ回収申し込み等、家具・家電・私物の処分
解体する家屋内の家具や不用品を工事着工前までに処分しておくことは、最終的な廃棄物の排出量を減らして、全体の費用を抑えることに役立ちます。
そのため、着工前までに地域の粗大ごみ回収や不用品の買い取りなどを利用して家屋内の不用品や大型家具を施主様ご自身で処分します。ご自身での作業が難しい場合は、業者にご依頼ください。
解体する家屋内に残った不用品等の処分について、こちらのコラムでも取り上げています。どうぞこちらもご一読なさってください。
工事着工の14日前~直前/アスベスト除去に関する届け出
2006(平成18)年以前に建てられた建築物には、アスベストを含んだ建材等が使用されている可能性があります。そのため家屋の解体に際して、事前にその使用状況を調査し、使用レベルに応じた届け出を行います。
アスベストが使用されているか否か、使用されている場合のアスベストのレベルなどを事前に調査し把握することは、安全な解体工事作業を行うために欠かせません。この事前調査については、こちらのコラムで詳しく説明していますので、どうぞお読みください。
アスベスト除去工事開始の14日前まで/レベル1~2:特定粉塵排出等作業実施届出書
事前調査結果によって使用されているアスベストの粉塵性がもっとも高いレベル1,そして次に高いとされるレベル2の場合、建物の大きさに関係なく必要となる届出です。大気汚染防止法に基づいて、アスベスト除去作業開始の14日前までに自治体に届け出ます。
アスベスト除去工事開始の14日前まで/レベル1~2:建設工事計画届
前述の特定粉塵排出等作業実施届け出書と同様に、アスベストの粉塵性がもっとも高いレベル1,レベル2の場合に建物の大きさに関係なく必要となる届出です。
この「建設工事計画届」は労働安全衛生法に基づくもので、アスベストの除去工事開始の14日前までに労働基準監督署に届け出ます。
アスベスト除去工事開始前まで/レベル2:建築物解体等作業届
これは石綿障害予防規則に基づく届け出で、建物の大きさに関係なく使用されているアスベストのレベルが2の場合に必要になる届出です。
解体工事着工の7日前まで/レベル1~3:事前届出書
建設リサイクル法による届け出を解体工事着工の7日前までに自治体に提出します。
アスベスト除去工事開始前まで/レベル1~3:事前調査結果報告書
建物にアスベストを含有した建材や吹付が行われているか、その程度はどの程度かを事前調査することとともに、その調査結果の報告が大気汚染防止法および石綿障害予防規則で義務付けられています。
事前調査結果は労働基準監督署にアスベスト除去工事開始までに報告します。
なお、アスベストのレベルや届け出について、こちらのコラムでも詳しく説明していますので、ご一読なさってください。
相続した家屋を解体する前に行うべきこと
親族の家を相続する、ということがあります。そうした方のなかには、すでにご自分の住まいがある、相続したけれど痛みが激しく活用予定はない、などの理由から解体を考えている方もいると思います。
相続した家を解体する場合には、次の点を確認しておく必要があります。
登記簿謄本の確認
実家や親族の家を相続する場合、まず登記を確認することが重要です。
何代か続いている家の場合、登記名義の書き換えが行われずに親や祖父母のままである場合があります。そうなると、さかのぼっての相続登記が必要です。
相続した家屋や土地を活用する段階で慌てないためにも、相続した段階で登記簿謄本を確認しておきましょう。
相続した家屋が未登記だった、ということはときどきあるようです。そのような場合に行うべきことなどについて、こちらのコラムで取り上げています。どうぞお読みください。
法定相続人同士の話し合い
相続登記が行われていないで登記名義人が先代や何代か前の人のままだと、法定相続人の数が増えます。
このように相続人が何代かにわたって複数名いる場合は、1人の判断で解体や解体費用の負担方法を決めたりするとトラブルになりがちです。そのため、相続する家屋の取り扱い、解体する場合は費用の負担や家屋解体撤去後の土地の取り扱いなどについて、相続人同士で話し合うことが大切です。
抵当権の有無を確認
その家に抵当権設定が付いているかどうかの確認も必要です。もし抵当権設定が付いている場合、解体撤去にあたってその抵当権者との話し合いによって承諾を得ることが必要です。
解体後に行う申請・手続き
解体前の申請・手続きに続いて、無事に解体工事が終了した段階で行う申請・手続きがあります。
解体撤去から1か月以内/建物滅失登記申請
建物を建てた際には、法務局に登記の手続きを行います。同様に、その建物を解体撤去した場合は、その建物の存在が無くなったことの登記を行う必要があります。その申請が、「建物滅失登記」で、これは不動産登記法で定められているものです。
この手続きは法務局で行いますが、マイナンバーカードを所持している人はオンラインでも申請が可能です。また、委任状を作成すれば代行でも手続きは可能です。
なお、建物滅失登記の申請に関する詳細は、こちらのコラムで説明しています。どうぞ参考になさってください。
相続人による建物滅失登記申請
建物の所有者が死亡して解体撤去を行った場合、その建物を相続した人が建物滅失登記を行います。
この場合の手続きは、通常の手続きと同様ですが、次の追加書類が必要になります。
*相続人本人の戸籍謄本。
*亡くなった建物所有者の戸籍謄本または除籍謄本。
さらに住民票の除票を必要とする自治体があるなど、それぞれの自治体によって必要となる書類等が異なります。申請に際してはその自治体の法務局のホームページや電話での問い合わせなどで確認するといいでしょう。
家屋滅失届
解体した建物のなかにはもともと登記されていなかったものがあります。その場合、「家屋滅失届」を自治体の税務課に提出します。この手続きは、自治体の税務課のホームページから申請用紙をダウンロードできますので、そこに必要事項を記入して税務課に提出します。
水道の停止
解体工事が完全に終了したことを確認したら、水道を停止します。
水道の停止については、工事中の水道代を施主様と業者のどちらが負担するかについて事前に話し合っておくことが必要です。
まとめ
今回は解体工事に必要な申請や手続きについて説明しました。
これらは解体工事の計画段階から解体工事の流れに沿ってどのような申請や手続きが必要なのかを理解しておくと、解体工事の全体像の把握にも役立ち、ご自身でできること、逆に業者に委任できるものなどが理解できてきます。このことからご自身でできることを行うことで費用を抑えたり、逆に業者に依頼することで費用はかかるものの時間を有効に使うことができたりします。
特に経済的な面では、補助金を活用する場合は事前の情報収集を早い段階、家屋解体を考え始めた段階から始めておくことで、時間に余裕をもって申請準備や申請を行え、経済的メリットを得られます。
是非、今回のコラムも有効に活用なさってください。
なお、より具体的なイメージの計画を立て、行動をスムーズに進められるように、マトイの無料見積りや無料相談をご利用ください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
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