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許可なしで解体工事を行った場合、問題となることとは?

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 さまざまな事業を行うには、それぞれに必要な許可や免許などがあります。解体工事も同様です。
 しかし、必要な許認可を取得せずに事業を行う業者もなかにはいます。そして残念なことに、そういった業者のなかには、無責任な仕事の引き受け方や仕事をする業者がいるのです。
 要するに事業を行うのに必要とされる許認可を得ていることは、業者が事業を責任もって行う最低限の条件なのです。
 今回は、解体業を行うために必要な許認可とそれを持たない業者について取り上げます。

解体業に必要な解体工事業許可もしくは解体工事業登録

 最初に、解体業を行うために必要な許認可についてご紹介します。これについては、解体工事を考えている方々が、依頼する解体業者を選ぶ際、最初に抑えるべき条件です。
 解体業を行うのに必要な許認可は、「解体工事業許可」か「解体工事業登録」のいずれかです。この2つは、請ける解体工事の規模やエリアなどに若干の違いが出てきます。

 こちらのコラムでは、ここで説明する解体工事業許可及び解体工事業登録に加え、解体工事に必要な他の許可や資格についても説明しています。併せて、お読みください。

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解体業スタート! 許可の取り方と必要な資格などをご紹介

建設業許可による解体工事業許可

 
 解体工事業許可は、建設業許可によるものです。
 建設業許可はその名称通り、建設業を営むための許可ですが、工事請負額が500万円を超える場合は、この許可が必要です。また、これには営業所を複数の都道府県に置く場合の「大臣許可」と、1つの都道府県に営業所を置く場合の「知事許可」の2種類があります。あくまでも営業所が地域をまたいで異なる都道府県に複数置くか否かの違いであって、営業する地域の制限があったり、営業する内容や条件が異なったりすることはありません。
 なお、解体業許可には解体工事を含めて次の29種類があります。

*土木一式工事
*建築一式工事
*大工工事
*左官工事
*とび・土工・コンクリート工事
*石工事
*屋根工事
*電気工事
*管工事
*タイル・れんが・ブロック工事
*鋼構造物工事
*鉄筋工事
*舗装工事
*しゆんせつ工事
*板金工事
*ガラス工事
*塗装工事
*防水工事
*内装仕上工事
*機械器具設置工事
*熱絶縁工事
*電気通信工事
*造園工事
*さく井工事
*建具工事
*水道施設工事
*消防施設工事
*清掃施設工事
*解体工事

解体工事業許可を取得する方法

 
 解体工事業許可を取得するには、まずそのために次の要件を満たす必要があります。
① 解体工事業者としての役員や個人事業主としての経験が5年以上。
② 解体工事業に関する資格、または10年以上の実務経験。
③ 契約の締結や実務の履行に際して誠実性がある。
④ 着実な事業運営のための資金力がある。
⑤ 欠格要件に該当していない。

 なお、解体工事業許可を取得するにあたっては、次のような流れで進めていきます。
ステップ1 申請書類はじめ必要書類の入手。
ステップ2 欠格要件に該当するか否かを確認。
ステップ3 書類作成。
ステップ4 営業所を置く都道府県の担当窓口に書類を提出。
ステップ5 申請手数料の支払い。
ステップ6 許可通知書の到着・許可取得。

建設リサイクル法による解体工事業登録

 解体工事を行うための許認可のもう1つが、「解体工事業登録」です。
 これは建設リサイクル法に基づくもので、500万円以下の工事をうける場合、その工事を行う都道府県での登録が必要です。そのため、登録地域以外での都道府県での解体工事を行う場合は、工事現場となる地域の都道府県にその都度申請する必要があります。
 ただし、「解体工事業」「土木工事業」「建築工事業」のいずれかの建設業許可を取得している場合、この登録は不要です。
 また、工事内容が建物を支える構造部材の取り壊しにならない、取り壊す床面積がゼロ、もしくは付帯工事のみ、といった場合は解体工事業登録が不要となります。

 実際に建造物の解体工事を行う際にも、建設リサイクル法による解体工事の届け出が必要になります。こちらのコラムで、その届け出等について説明していますので、参考になさってください。

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解体工事の届出が不要? そういったケースもあるの?

解体工事業登録を取得する方法

 
 解体工事業登録を取得するための要件は、次の2つです。
① 登録する都道府県の申請基準を満たしている技術管理者を配置。
② 登録する都道府県が設けている登録拒否事由に該当していない。

 なお、解体工事業登録を取得する際の流れは、次の通りです。
ステップ1 必要処理を入手。
ステップ2 登録条件を確認。
ステップ3 必要書類を作成・準備。
ステップ4 必要書類一式を申請都道府県の担当窓口に提出。
ステップ5 登録が完了。営業所および解体工事現場ごとに、省令で定める事項を記した標識を掲げて事業活動を行う。
 

解体業許認可を取っている業者の選び方

 
 正式な許認可を得て事業活動を展開している業者であるかどうかを確認することは、しっかりした業者を選ぶための第一歩です。そのためには、次のような点に留意してください。

〇解体工事業許可を得ている場合は「許可番号」、建築リサイクル法に基づいた解体工事業登録を行っている場合は「登録番号」がそれぞれの業者に与えられています。ホームページを開設している業者であれば、ホームページの「会社概要」部分に許可番号や登録番号が記載されていることを確認しましょう。
〇ホームページ以外では、業者の事務所内に建設業許可のプレートが掲げられていたり、現場に登録番号などが掲示されていたりするので、現場や会社を訪ねてそれらから知ることができます。
〇このほか、各都道府県のホームページや国土交通省の「建設業者・宅建業者等起業情報検索システム」からチェックすることも可能です。

 解体業者を選ぶポイントは、許認可を得ているか否か以外にもさまざまなポイントがあります。こちらのコラムでも、そのポイントについて解説していますので、どうぞお読みください。

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解体業者はどう探す? 探し方の段取りや計画について。

無許可で解体業を行った場合はどうなるか?!

 無許可で解体業を営んでいる業者はたくさんいるわけではありませんし、もし無許可であっても粗悪な仕事をしているとは断言できません。しかし、必要な許認可を得ずにいる業者のなかには、無責任な仕事をしている業者が存在しているのも事実です。
 では、もしも無許可で解体工事を行った場合、どのようなことになるでしょうか。それについて、以下で説明します。

業者の立場

 
【解体工事業許可を得ずに500万円を超える建物の解体工事を行った場合】
 この場合、「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金刑」が適用されます。これには無許可営業のほか、虚偽・不正の事実に基づいて許可を受けた場合等も含まれます。その他に、次のような罰則もあります。
〇許可申請や変更届、経営状況分析申請等において虚偽申請をした場合は、6か月以下の懲役、または100万円以下の罰金。
〇現場に適切な人員配置を行った場合などは100万円以下の罰金。
〇各種義務を怠った場合は10万円以下の過料。

【建設リサイクル法に基づく登録をしないで解体工事業を行った場合】
 この場合、「1年以下の懲役、または50万円以下の罰金刑」が適用されます。また、それ以外にも次のように、必要な対応を取らなかった場合も罰則が適用されます。
〇技術者や事業所の地域等の変更届をしなかったり、虚偽の届け出を提出したりした場合:30万円以下の罰金。
〇技術管理者を選任しなかった:20万円以下の罰金。
〇事業所と解体工事現場に標識を掲げていない、帳簿備付けがされていない、帳簿に虚偽が認められた:10万円以下の過料。

依頼者側の立場

 
 もしも業者の見極めを間違ってしまい、許認可を得ていない業者に解体工事を依頼した場合、施主様の責任はどうなるか? 心配になることでしょう。
 これについては、施主様に対する直接的な罰則次項があるわけではありませんが、中には責任次項が定められている場合があります。
 例えば産業廃棄物の処理です。無許認可であることを隠し、低料金で仕事を請けたものの、廃棄物を不法投棄したようなとき、場合によっては依頼者である施主様の責任を問われることがあります。
 また、解体工事着工前にはアスベストの事前調査が必要ですが、これには解体する建物のアスベストの使用状況を業者に伝える責任が施主様にはあります。しかし、その点もあいまいにして、法令で決められている事前調査や報告義務を業者が怠った場合など、依頼主の責任を問われる可能性があります。
 こういったことを避けるためにも、まずは最初の業者を選ぶ段階で、しっかりと必要な許認可を得ていることの確認が何より重要になります。

 解体工事ではいろいろなことが起こりえます。とくに隣家をはじめとした近隣への迷惑は、施主様としては気がかりなことの1つでしょう。解体工事で、隣家への被害を及ぼさないことやトラブル回避について、こちらのコラムで説明しています。よろしければお読みください。

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解体工事で隣家への被害を及ぼさないために。そして万が一のとき、トラブル回避のカギは?

違法な無許可の解体業者の注意ポイント

 無許可営業の業者に依頼してしまうと、その業者によっては廃棄物の違法廃棄や手抜き工事などのリスクがあります。そういったリスクをできるだけ排除するには、何よりも正式に許認可を得た業者に工事を依頼することです。そこで、すでに「解体業許認可を取っている業者の選び方」の項で述べていることと重なる部分がありますが、ここで改めて無許可営業の業者を見極めるポイントを説明します。

許認可申請が受け付けられない要件=登録欠格要件の該当事項がある

 
 許認可を得るためには申請が必要ですが、申請を受け付けてもらうことができない条件=欠格要件があります。これに該当するものがあると、許可申請は受け付けられません。

【解体工事業許可における欠格要件】
〇許認可申請書や添付書類中の重要項目に虚偽の記載があったとき、重要な事実を記載しなかったとき。
〇破産手続きの開始を受けて復権を得ない者。
〇不正な手段によって許可を受けたこと、その許可を取り消されてから5年を経過しないもの。
〇前記に該当して聴聞の通知を受け取った後、許可の取り消しを免れるために廃業届を提出した場合、届け出から5年を経過していない者。
〇建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、または請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業停止を命じられ、その停止期間が経過しない者。
〇禁固刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終え、またはその刑の執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者。
〇建設業法、建設基準法など、一定の法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終え、またはその刑の執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者。
〇暴力団員による不当な行為の防止に関する法律2条6号に規定する暴力団員、または同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。
〇心身の故障により建設業を適正に営むことができない者。
〇営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が上記のいずれかに該当する者。
〇暴力団員等に事業活動を支配されている者。

【解体工事業登録における欠格要件】
〇解体工事業の登録を取り消された日から2年を経過しない者。
〇解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者。
〇解体工事業の業務停止を命じられ、その停止期間が経過していない者。
〇建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑を受け、その執行が終ってから2年を経過していない者。
〇暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員または同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。
〇解体工事業者が未成年で、法定代理人が上記5項目のいずれかに該当するとき。
〇法人でその役員のうちに、欠格要件の上から5項目のいずれかに該当するとき。
〇技術管理者を選任していないとき。
〇暴力団員等がその事業活動を支配する者。

許認可番号等を訪ねても教えない

 
 許認可を取得すると、建設業許可票や解体工事業者登録票が交付され、そこには業者の称号や代表者の氏名、そして許可番号や登録番号が記載されています。それぞれの現場ではこれらを掲示しなければなりません。ただ、依頼時には見ることができないため、まずは業者に「許認可の番号を教えてください」と言って、確認してみましょう。
 このときに、答えが曖昧だったり、他の話題に切り替えてしまったりしてはっきりと教えてくれない場合は、許認可を得ていない可能性があります。ただ、一度きりでは、たまたま曖昧だったこともあるので、何度か尋ねてみるといいでしょう。

ホームページ上で許認可について明記されていない

 業者の多くはホームページを開設していることでしょう。その場合、ホームページ内の「会社概要」の欄などに許認可について明記していますので、それを確認してください。前述のように番号を尋ねても返答が曖昧、ホームページがあっても許認可に関する記載が見られないといった場合は、許認可を得ていない可能性が高いと思われます。
 こちらはマトイの会社概要ですが、どの業者でもだいたいこのような内容で記載されています。

 なお、マトイではホームページ上で本コラムや「実績・お客様の声」なども紹介しています。ご自身が解体工事や建て替えなどをなさる場合の参考になさってください。
マトイ実績・お客様の声

他社より極端に見積り費用が低い

 許認可を得ないで硬い業を営んでいる業者のなかには、最初の見積りを他社よりもかなり安く提示してくる傾向があります。本当にその通りの金額ならばいいのですが、契約を結んだ後や工事が始まってから工事を追加して、追加費用を請求し、結果として当初の予定よりもかなりオーバーした費用を請求してくることがあります。
 もちろん、地中埋設物や見積り時にはわからなかったような事態が発生して、追加工事や追加費用が発生する場合があります。追加工事=無許認可営業・悪徳業者とはいえませんが、最初から安い金額を提示してくる業者には、注意が必要です。
 マトイでは、見積り提出段階ではわからないものの地中埋設物など、工事が始まってから起こる可能性のあること、それに伴う追加費用の必要性などを、最初の段階でしっかり説明し、施主様にご理解いただくようにしています。

質問などの応えが曖昧

 施主様の質問や要望に対して、はっきりと答えない、対応をズルズルと曖昧なままでやり過ごす、といった傾向もあります。
 解体工事では、何よりも施主様にも工事についてご理解していただくことで、私たち業者もパートナーシップを強くもって工事に当たれます。ですから、施主様からの質問や要望には、迅速に誠実に対応することを何よりも大切にしています。これはマトイに限らず、他の業者でも共通していることです。

国土交通省をはじめとした行政の検索サイトを活用

 依頼する業者の情報に不安がある場合は、国土交通省をはじめとした行政の検索サイトを利用して調べてみる方法もあります。
国土交通省 ネガティブ情報等検索サイト
 このサイトでは、解体業者を含めた建設業者、宅地建物取引業者、鉄道・バス・タクシー業者、自動車整備業者等の事業者の過去の行政処分歴を検索できます。

〇各都道府県のホームページ内で「解体工事業者登録一覧」などとして許認可番号や商号名称・代表者名等を明記したリストを見ることができます。

誠意のある解体業者か否かは、提示される見積り書からも読み取ることができます。こちらのコラムでも、見積り書の種類や読み解く際のポイントなどを説明していますので、参考になさってください。

許可なしで解体工事を行った場合、問題となることとは?

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解体工事に向けて、概算見積り書と本見積り書を上手に活用!

まとめ

 解体工事業許可も登録も有効期間が5年間で、期間満了日の30日前までに更新申請を行って更新する必要があります。私たちマトイはもちろん、多くの解体業者は日々の工事、そして施主様や現場周辺の皆様に対する誠意ある対応とともに、業務継続ための許認可更新手続き等をはじめとした諸々の諸手続き等をしっかり行いながら事業を継続しています。
 しかし、許認可を得ずに事業を行っている業者は、責任の所在が曖昧であり、廃棄物の不法投棄や現場周辺に住む人々への対応を含めた現場管理がずさんであることが多い傾向にあるようです。
 スムーズで良好な工事のためにも、許認可を取得した業者に依頼することは基本中の基本となる条件です。そのために、今回のコラムをお役立ていただければ嬉しいです。
 マトイでは、皆さまの不安や疑問点などはあいまいなままにせず、その解決のためのお返事や対応を迅速に行うことを常に心がけています。そのことが安心して、私たちに工事を任せていただけることにつながると信じているからです。
 解体工事やリフォーム等をご検討の方、またそれらについて不安なことを抱えていらっしゃる方は、一度マトイにご連絡ください。誠意をもって対応させていただきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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