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古い家の解体費用を左右する、土地の歴史と地中埋設物について

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 建物の解体費用は、ときに見積り以上に高くなってしまうことがあります。その理由の一つが地中埋設物です。今回はこの地中埋設物を中心に、解体工事費用に影響を与える要因、事前にそれらを察知するための対策などを含めて説明していきます。

解体費用が高くなる要因

 家の解体を検討する際、「そもそも費用はいくらぐらいかかる?」という点から計画が始まることが多いのではないでしょうか。ある程度の予算がわからないと、工事を決断することも、工事に必要な予算計画なども進みませんね。
 これらについては解体業者の無料見積りサービスなどを利用することで、実際の見積り額に近い金額を把握することができます。しかし、実際の見積り金額や、見積り金額が提示された後の工事費用が高くなってしまうことがあります。
 その要因として、次のようなことが挙げられます。

 無料見積りサービスと聞いても、「利用した後の営業がしつこいのではないか?」などと不安に感じる方もいらっしゃるようです。なかにはそういった業者もいるようですが、多くの業者は、マトイも含めて誠意ある対応をしていますのでご安心ください。
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建物の大きさ・構造・立地条件

 建物の大きさ・構造・立地条件は、解体費用を高くするというよりも、解体費用を決定する要因ともいえます。
 それぞれの業者によって基本となる価格が設定され、それに基づきながら建物の大きさ・構造・立地条件の3点を組み込んで解体費用を見積ります。

 建物の大きさや構造が解体費用に影響することは、容易に想像できると思いますが、立地条件がどのように影響するかはわかりにくいかもしれません。
 こちらのコラムでは、解体費用の相場や立地条件などの解体費用に影響する要因についても説明しています。どうぞお読みください。

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解体する建物や周辺の建物が古くて老朽化している

 空き家などによく見られることですが、解体する建物の老朽化が激しい場合にも解体費用は高くなりがちです。
 それは家屋の状態を考慮しないまま解体工事を進めると、工事箇所やそれ以外の傷みが激しい部分が崩壊する危険性があるからです。そのため、本来は重機で解体するところを、人手による手壊し作業で慎重に周辺状況を確認しながら工事を進めます。
 解体工事現場となる隣家が、老朽化が激しい場合も同様です。解体工事による振動や重機の出入りによる刺激が、傷みが進んでいる隣家になんらかの影響を与える可能性があることを考慮し、慎重に作業に当たります。
 こういったことから、人員も時間もかかることで解体費用が高くなります。

狭小敷地や密集住宅地に立っている

 現場となる敷地がとても狭い、また住宅が密集している地域の現場があります。この場合、工事車両や重機が現場まで入っていけないと、離れた場所に駐車することになります。そこから機材を現場に運び入れたり、現場の廃棄物等を運び出したりするのを作業員の手作業で行います。または、特別に小型の重機を準備することもあります。
 さらに工事車両用に駐車場を借りる、重機を駐車しておく場所がないと使用する都度現場近くに運び込むために回送費が余分に発生することなどがあります。

 木造住宅密集地にある家屋の解体では、地中埋設物以外のことについてもさまざまな配慮が必要となります。それらについて、こちらのコラムで説明していますので、是非ご覧ください。

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周辺の道路状況

 現場周辺の道路の広さも費用に関係しますが、人の通行量も関わってきます。人の往来が激しい場所、学校や医療施設等が近くにある場所などは、通常よりも通行者の安全に配慮する必要があり、交通誘導員等を配置するなどの対策をさらに加えます。

屋内残置物と廃棄物の量

 屋内残置物は原則として施主様が処分します。しかし、なかにはそれが不十分で多くの物が残されている、施主様の都合で処分ができない・間に合わないといった場合があります。そんなときは、業者が解体時に出る廃材とともに廃棄処分します。
 木製家具やスティール製家具などはリサイクルに回しますが、その他多くの物は産業廃棄物として有料で処分されます。そのため、残置物が多くなればなるほど、全体の廃棄処分費用が高くなります。

 家のなかの物は、長く暮らしているほど多くなり、住人にとってもその処分は大変です。まして解体を前にした物の片づけはなおさら大変になります。こちらのコラムでは、解体前の家の片づけ方法について具体的に説明しています。どうぞ参考になさってください。

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追加費用の発生につながる地中埋設物やトラブル

 以上の要因は、解体工事着工前にある程度の予測がついて、見積り金額に反映することができます。しかし、予測できないものとして今回のテーマに挙げた地中埋設物や工事中のトラブルの対処にかかる費用があります。
 地中埋設物とは、敷地内の地中に埋まっていて、解体工事で地面を掘り起こした際に発見される物です。瓦礫、岩や大きな石、浄化槽、古井戸、家屋の基礎、遺跡等々いろいろな物が出てくる可能性があります。
 それらが発見されたら、しっかりと取り除いておかないと、次にその場になんらかの建築物を建てる際に支障を与えるかもしれません。とくに土地を売却する場合には、契約トラブルになりかねません。
 また、工事中の近隣からの苦情をはじめとしたトラブル対応にも費用が必要になる場合があります。
 これらは全体の計画に大きな影響を与えます。それだけに起こった場合のことを考えて、ある程度の余裕をもたせた予算計画が必要です。

見積りきれない地中埋設物

 解体費用に影響を与える要因でとくに悩ましいものが地中埋設物です。

地中埋設物が解体費用を高くする訳

 ここで、なぜ地中埋設物が解体費用を高くしてしまうのか、あらためてその説明をします。
 地中埋設物が発見された場合、解体費用が高くなってしまう理由の1つは、その撤去工事のために追加費用が発生する、ということです。
 費用を増やしたくないために撤去しないでそのままにしておく、という考えも浮かぶでしょう。残置物の量や大きさ、場所などにもよりますが、残置物を地中にそのままにしておくことで、家の建て替えなどのようにそこに続いて建物を建設するときや、杭や基礎を打つ際に地中埋設物が邪魔となって、計画通りに進められないことが起こってきます。
 また、埋設物を撤去しないままの土地を売却し、その後に地中埋設物が見つかった場合、購入した人はそれらを撤去します。そして土地の売り主に対して撤去費用の請求や損害賠償請求、さらには契約解除を申し出ることもあります。
 土地の売り主は、買い主に対して正確な情報を提供し、地中埋設物を撤去する義務があるからです。こういったトラブルへ発展することを防ぐためにも、地中埋設物が発見されたら、それを撤去しておく必要があります。

地中埋設物の存在を予測する

 地中埋設物やトラブルに備えた予算計画が必要と記しましたが、解体費用も埋設物の撤去費用も高額です。多くの人にとって、そう簡単に予算に組み込めるものではないでしょう。
 同じように予算に余裕をもつとしても、事前に地中埋設物の有無が予測できれば心の準備もできるかと思います。そこで準備となりうることについて説明します。

必須の現地調査

 通常、業者は見積り書を提出する前に、「現地調査」といって現場となる家屋とその敷地周辺などを調べます。具体的には、周辺の道路状況や工事車両の進入路、敷地の立地状態、解体する家屋の構造や広さ、隣家・隣地との境界線の確認、付帯する建物等の有無や内容、残置物の有無などです。それらを調べて使用する重機の種類、工事車両用の駐車場準備等々を検討したうえで金額を決定して見積り書を提出します。
 この現地調査時に敷地内を調べた際、依頼者も気づかなかった古井戸が敷地内にあったり、「昔は浄化槽を使っていたらしい」などの依頼主からの情報を聞き取ったりすることで、地中埋設物の存在の可能性を知ることができます。

 見積り書には、概算見積りと本見積りというものがあります。概算見積りは、現地調査を行わず、いただいた情報を基にして提出する見積り書です。本見積りは現地調査を行って提出するもので、正式なものです。
 こちらのコラムに見積り書について説明していますので、ご覧ください。

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解体工事に向けて、概算見積り書と本見積り書を上手に活用!

 なお、マトイでは無料見積りサービスを行っていますが、この段階においても基本的に現地調査を行い、本見積りとほぼ同レベルの見積り書を提出しています。
 どうぞ、マトイの無料見積り・無料相談をお気軽にご利用され、予算計画にお役立てください。
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有益な現地調査にするために準備しておきたいもの

 現地調査では、私たち業者も可能な限り細かく現地の状況を拝見します。それをより有益なものとするために、次の2点を準備しておくといいでしょう。

〇建物や敷地の図面、もしくはそれらのコピー。
〇解体する家屋以外のもので、残しておきたいもの、逆に撤去してほしいもの等を具体的に書き出したリスト。

その土地の歴史を知る

 例えば自分たちはわからないとしても、昔、親や祖父母、近所の人たちから、その土地に関する話を聞くことがあったかもしれません。
 例えば、「この辺一帯は空襲で焼け野原になったことがある」、「以前は〇〇の工場で、そのあとに宅地開発された」、「昔は湿地で葦などがたくさん生えていた」、「隣の畑から土器が出てきた」なんて話を聞くこともあるようです。
 空襲に遭った土地の場合、戦後の混乱のなかで次々に建物が建築され、建て直されしてきました。その時期には現在のような環境に対する意識が薄く、焼け崩れた家屋の残骸の一部や瓦礫が地中に残したまま、新たに家が建築された場所もあります。工場の場合も同じようなことがありえます。
 また湿地だった場合、地盤が脆弱なために地中杭が深く打たれていることがあります。これも地中埋設物の1つとなります。
 100%ではないものの、こういった場合には以前の建物に関連したものが地中に残されていることが考えられます。そのため、過去にその土地がどのような土地であったかの情報を提供していただくことで、それに関連した地中埋設物を予測するのに役立ちます。

現地調査立ち会いの勧め

 前述のような情報を業者に提供していただくと、地中埋設物が存在する可能性を想定した場合の費用の目安をご提案できると思います。もちろん、100%ではありませんが、予算計画の目安にはなるでしょう。
 また情報の提供をいつ行うかについてですが、現地調査の時が向いています。可能であれば、依頼者の方にも図面等を持参のうえ現地調査に立ち会っていただくと、実際の場所を見ながら、そして私たち業者も費用の根拠となる点を説明できます。
 ただし、立ち会いは絶対に行わなくてはいけないものではありません。依頼者の方の都合によっては、立ち会えないこともあります。その場合は、ここで説明したようなことを事前に伝えていただくか、メールやメモ書き等で教えていただけるとありがたいです。

 現地調査をはじめ、工事中や完工時にも施主様が立ち会っていただくことがあります。立ち会っていただく意義やメリット等について、こちらのコラムで説明しています。どうぞこちらもお目通しください。

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解体工事の立ち会いとは? 施主様立ち合いとそのポイント

地中埋設物としてみられる物とその撤去にかかる費用の目安

 
 地中埋設物には、いろいろなものがあります。いずれの場合も、発見されたらすでに説明しているような理由から適切に撤去する必要があります。撤去した物は、それぞれに分別をして産業廃棄物として処理しなくてはなりません。
 なお、撤去費用は地中埋設物の種類、業者、地域などによっても異なります。
 地中埋設物が発見されたら撤去しなくてはなりませんが、マトイではまず施主様に報告し、撤去費用の見積りを提示します。そして施主様の了承を得てから撤去作業に取り掛かります。
 なかには、施主様への報告や見積りの提示等がないまま工事を行い、後から高額な費用を追加請求する業者もいるようです。そういうことを防ぐために、契約時には地中埋設物やトラブル対応などで追加費用が発生する場合には、取り掛かる前に施主様に報告し、見積りを提示することを業者と約束し、契約書にも明記してもらうといいでしょう。

コンクリートガラ・瓦・レンガ・木屑など

 よくみられるものとしてコンクリートの塊や瓦や木片などの瓦礫があります。これらは以前、建っていた建物を解体した際の廃材をきちんと処分しないまま、その場に埋めてしまったものと考えられます。また、空襲を受けた地域では、焼け残った瓦礫が地中から出てくることもあるそうです。
 現在は、建設リサイクル法に基づいて廃材等の処分方法がしっかり決められていますが、そういった規制がなかった時代には、廃材を埋めてしまうことがよくあったようです。

【撤去費用の目安】
コンクリートガラ:12,000円~/㎥
瓦・レンガ:22,000円~/㎥
木  屑:5,000円~/㎥

古井戸

 今は使わなくなった古井戸が敷地の隅で発見される場合があります。役目を果たして、表に出ているポンプや給水口は取り除かれ、蓋で隠れているような状態になっているなど、わかりにくい状態です。
 そうした井戸の撤去では「埋め戻し」といわれる作業とともに井戸枠の撤去も行います。

【撤去費用の目安】
井戸の埋め戻し:10万円~/本

 井戸の埋め戻しをはじめ、井戸の撤去に伴う必要なことについて、こちらのコラムでも説明しています。どうぞご覧ください。

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使わない井戸。埋める? 壊す? どんな方法で処理できる? そして費用は?

浄化槽

 生活汚水をきれいにする浄化槽は、下水道設備が整っていない地域の家々に設置されます。そして下水道設備が整備されたら無用となり、撤去されるものです。しかし、それが撤去されないまま、地中埋設物として残されているケースがときどき見られ、家の解体工事の際に地中埋設物として発見されます。

【撤去費用の目安】
浄化槽の撤去:10万円~/基

 下水道設備に代わるものとして設置される浄化槽は、個人の生活環境だけでなく公共の環境にも大きな影響を与えます。それだけに浄化槽は浄化槽法という法律によって、その設置や定期検査等が義務付けられています。
 浄化槽に関する取扱い等をこちらのコラムでも解説していますので、ご覧ください。

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身近でもあまり知られていない浄化槽、正しく知って適切に「撤去」を

大きな岩や石

 地中から大きな岩や石が出てくることは、比較的よくみられることです。これは人為的というより、もともとそこにあったものと思われます。
 しかし、最近の建物の建て方としては基礎を深く掘ることが多く、こういった大きな岩や石が支障をきたす場合があります。そのために撤去する必要もでてきます。

【撤去費用の目安】
岩や石の撤去:岩や石は大きさの特定がとくに難しいため、相場の目安を出しにくいものです。最低限必要となる費用として、次のものがあります。
作業員の人件費:1人15,000円~/日
重機・運搬費用:20,000円~

 岩や石の撤去について、もう少し詳しくお知りになりたい方は、こちらのコラムで庭石の場合について説明しています。是非、参考にお読みください。

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お庭の解体、庭石の撤去、その費用と段取り

以前建っていた建物の基礎や杭

 以前の建物に使われていた基礎や杭を撤去しないまま埋めてしまったのでしょう。杭は地中深く打ち込まれ、基礎は硬いコンクリートで出てきているため、撤去には手間がかかります。

【撤去費用の目安】
コンクリートガラ:12,000円~/㎥
瓦・レンガ:22,000円~/㎥
木  屑:5,000円~/㎥

地中埋設物を事前に調査する方法

 
 家の解体を検討している方のなかには、「地中埋設物などのリスクを、もう少しはっきりと確認する方法はないだろうか」と思う方は少なくないでしょう。それについては、次のような方法があります。

地歴調査

 解体する家屋がある土地に過去どのような構造物が建っていたか、どのような利用をされていたかについて、古い地図や地質図、登記簿、航空写真などの資料から調べだします。
埋設物の有無やその内容などを特定することはできませんが、埋設物の存在を予測することは可能です。
 費用は50,000円~となります。

地中レーダー調査

 非破壊検査の1つで、電磁波を用いて地中の埋設物を探ります。アンテナを用いて電磁波を地面に照射し、その反射波を解析することで地中埋設物などの有無や位置を特定します。
 精度が高く、具体的な情報を得られます。地歴調査と組み合わせることで、さらに確実性が得られます。
 費用は10万円~となります。

ボーリング調査

 地中に穴を掘ることで直接、地中の状況を確認し、土壌サンブルを採取することで土室の分析も可能です。
 地歴調査や地中レーダー調査で、埋設物の存在がより疑われる場合に行われます。
 費用は10万円~となります。

まとめ

 地中埋設物の対処については費用がかかることから、できれば事前に判明して予算計画に盛り込んでおきたい、と考えることでしょう。しかし、ここまでに説明してきたとおり、地中埋設物の有無を事前に特定することは難しい状況です。地歴調査やボーリング調査を行ったとしても、その結果が100%ということではありません。しかも、地中埋設物の有無に関係なく、調査費用がかかります。
 そこで私たちは、施主様から「業者にわかる範囲の情報を提供していただくこと」が何よりも大切と考えます。そのうえで、現地調査の結果と併せて予備費としてどのくらい確保しておくべきかを相談していただければ、私たちも一緒に考えながら対応させていただきます。
 どうぞ、マトイを解体工事のパートナーとして、お気軽にご相談なさってください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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