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身近にあるコンクリート。その解体の手順や費用を解説!

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 私たちにとってコンクリートは、とても身近な建築材料です。
 周辺をぐるりと見渡しただけでも、必ずといっていいほどコンクリートを使った部分やものを見つけることができることでしょう。
 今回はそんなコンクリートの特徴や解体工法、解体費用などを取り上げてみました。

多用されるコンクリート

 あらためてコンクリートがどのようなものであるか、そしてコンクリートが使われている身近なものなどについて説明します。

コンクリートとは

 コンクリートは、セメントに水・砂・砂利を混ぜて作られる建築材料です。
 コンクリートの素材として使っている砂や砂利を「骨材」といいますが、粒子が細かい砂を「細骨材」、そして粒子が大きい砂利を「粗骨材」と呼んでいます。この細骨材と粗骨材がセメントによって結合することで強度を生み出し、建築材料として優れた強度を発揮します。
 そんなコンクリートですが、長所だけではなく短所もあります。

コンクリートの長所

〇硬さや重さがあるため、建物の基礎や柱、橋の構造材として適している。
〇耐久性があって適切に設計・施工されれば、数十年から数百年もつ。
〇高温に耐える力が強く、夏の強い日差しに曝されても熱くなりにくい。
〇熱を伝えにくいことから、建物のエネルギー効率の向上ができる。
〇比較的安価で、経済性が高い。
〇流動性が高いため、型枠を用いることで自由に形を作り出せ、デザインの自由度が高い。
〇リサイクル可能で、環境負荷の軽減につながる。

コンクリートの短所

〇強固であるものの曲げたり、引っ張ったりする力に弱い。
〇重量があることから運搬に手間がかかり、撤去のコストがかさむ。
〇固まるまでに時間がかかる。
〇粘性が高いことから、一度施工したら追加工事が難しい。

コンクリートが使われるさまざまな場所・部分

 コンクリートは、上記のような長所・短所を持ち合わせています。短所である曲げたり引っ張ったりする力に弱い点については、コンクリートの中に鉄筋を入れて「鉄筋コンクリート」にすることで弱点をカバーしています。そして強固で熱にも強いといった長所を活用しながら、次のようなものなどを作るのに利用しています。

【コンクリートを用いて作られる身近なもの】
*建物の基礎、柱、梁、床、壁、
*道路や橋の構造材、
*トンネルの内壁や支柱、
*水処理施設や下水道管、
*高速道路沿いなどの防音壁、など。

 コンクリートの解体は、塀や駐車場をはじめとした外構のリフォームでも必要になります。DIYが趣味の方のなかには、必要な工具や重機が整えられない、作業負担が大きい、などの理由でコンクリート解体のところで作業がストップしている、という方もいらっしゃいます。そういった部分的な解体についても「よく働くマトイ」にお気軽にご相談ください。
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コンクリート解体の工法

 上記のような特徴のあるコンクリートの解体は、木造よりも難しく特殊な作業が必要になります。そして、同じコンクリートでもその種類や構造、形状、大きさ、場所などの状況によって、次に説明するような工法を使い分けながら解体していきます。

クラッシャー(ワイヤーソー)工法

 ダイヤモンドカッターを使ってコンクリートを削ります。
 場所を選ばずに使え、作業音が比較的出にくい工法です。そのため、玄関、土間収納、外構のアプローチ、ガレージ、駐車場などのコンクリート解体やビル内での施工にも適しています。

ウォールソー工法

 切断するコンクリートの面に直線を引き、そこに置いたレール上に切断機を走らせてコンクリートを切断していきます。トンネルの内壁、コンクリート造の建物の擁壁、扉や階段を新設する際に床や壁に開口部を作るとき、そして耐震工事などにこの工法を用います。
 この工法ではクラッシャー工法よりも精密な作業が可能ですが、作業の難易度が高く、作業を行う作業員には高い技術が求められます。

ウォータージェット工法

 ポンプユニットから超高圧で加圧された水を解体するコンクリートに吹きかけて、コンクリートを破砕しながら削り取っていきます。
 路面の区画線を消去したり、構造物のはつり作業をしたりする際などにも用いられています。とくに老朽化したコンクリートを一気に解体していくのに適しています。水が使える場所であれば、作業スペースが狭いなどの制約のある場所でも用いられる工法です。
 振動が少なく、水を利用しているため公害もなく環境にやさしく、周囲への影響を抑えられる工法といえます。

 はつり作業については、こちらのコラムで詳しく説明しています。どうぞご覧ください。

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はつり工事について。段取りや注意点を細かく解説します。

圧砕(圧縮)工法

 油圧を原動力に、はさみのような形をしたアタッチメントをショベルカーの先端に装着して、コンクリートや鉄筋などを圧砕して解体します。
 この工法は粉塵が飛散しやすいものの、作業音や振動が少ないため周囲への影響を軽減できます。

 コンクリートの解体では各工法に合わせた重機を使い分けますが、コンクリート以外の解体工事の工法と共通するものもあります。解体工事の工法について、こちらのコラムをご覧ください。

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解体工事とはそもそもどんな仕事? 工法、資格、順序など

コンクリート解体の流れ

 コンクリートが使われている箇所はいろいろで、その範囲も畳半畳分程度のスペースからオフィスビルなどのように大きなものまであります。どのような場所にあって、どのような状態になっているコンクリートを解体するかによる違いはありますが、コンクリートを解体する際の基本的な流れは次のようになります。

事前準備

〇 解体を依頼する業者を選択し、業者によって現地調査を行ったうえで見積り書を作成。
〇 解体する場所の広さなどに応じて、工事前に必要な手続き等を行う。
〇 近隣の家に挨拶回りをして、協力を得る。

 解体工事では、着工前の段階からいろいろな届け出が必要になります。こちらのコラムでその点について解説していますので、どうぞご一読なさってください。

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解体工事の届出が不要? そういったケースもあるの?

現場の準備

〇 解体の対象となる部分や建物に応じた足場や養生を設置する。
〇 養生や足場以外に警告テープや安全フェンスなどを用いて作業エリアを封鎖し、部外者が侵入できないようにする。
〇 現場と対象に応じた機械や工具を準備する。

解体作業

 解体の対象となるコンクリートの表面を削り、必要に応じて切断を行う。対象となるものに応じた工法を使い分けながら、コンクリートの切断、粉砕、はつりなどを行ってコンクリートを解体する。

 コンクリートを多用している建物として鉄筋コンクリート造の家屋があります。こちらのコラムでは、鉄筋コンクリート造の家屋の解体について説明していますので、どうぞお読みください。

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鉄筋コンクリート造の建物解体の手順や費用

廃材の処理

 コンクリートの解体で発生する廃材は、「コンクリートがら」と呼ばれます。このコンクリートがらは産業廃棄物として処分されますが、処理施設で次のように分別され、約9割はリサイクルされます。

*処理施設に運ばれたコンクリートがらを砕き、鉄筋などを取り除く。
*さらに細かく粉砕し、磁石選別機によって金属類を取り除く。
*ふるいにかけて粒度を調整する。
*必要に応じて、さらに金属類を取り除く。

 この分別作業を経て、リサイクルできない残された1割のものは廃棄物として処分されます。

現場の最終確認と整地作業

 工事か終了したら現場の最終確認を行い、必要に応じて整地作業を行います。そして工事箇所と周辺を含めて清掃を行って施主様へ引き渡し、工事終了となります。

 解体工事では何を解体するかによって解体作業に違いがみられますが、全体的な流れは共通しています。建物の解体の流れをこちらのコラムで取り上げていますので、こちらもお読みください。

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木造の建物を解体するには。手順や流れを分かりやすく。

コンクリートの解体費用の目安

 コンクリートの解体費用は、解体の対象となるものの状態や大きさなどによって異なります。

コンクリートの解体費用を左右する要素

 コンクリートの解体費用を考える際、対象となるコンクリートの状態や現場の状況が費用を左右します。その要素として次のようなものが考えられます。

【コンクリートの厚さと鉄筋の有無】
 もっとも費用を左右する要因としてコンクリートの厚さと鉄筋の有無が挙げられます。
 鉄筋はコンクリートの強度を高めたり、形状を維持したりするために用いられることが多くあります。しかし、鉄筋が含まれていると、解体作業や分別作業に手間がかかることになり、費用が高くなります。コンクリートの厚さや鉄筋の有無による解体単価の相場の目安は、表のようになります。

コンクリートの厚さと鉄筋の有無 単価の相場(㎡)

厚さ5㎝ 鉄筋なし 700円~
厚さ5㎝ 鉄筋あり 1,000円~
厚さ10㎝ 鉄筋なし 1,000円~
厚さ10㎝ 鉄筋あり 1,500円~

 

【工事現場の敷地の広さ】
 工事現場の敷地に余裕があって、工事車両や重機などが敷地内に駐車できるようであれば重機の回収費用や駐車場代はかかりません。しかし、駐車スペースの確保が難しい場合には、別の場所に工事関係車両を駐車するための費用やその都度の重機の回送費などが発生します。

【周辺環境】
 現場の敷地内に余裕があったとしても、そこに至るまでの道路が狭かったり、住宅が密集していたりする場合にも駐車代やその都度の回送費が発生する場合があります。
 さらに周辺に学校や福祉施設や医療施設などがある、近隣住民からの申し出があった、などに対して粉塵や騒音への対策がさらに必要になることがあります。その場合、防音シートや防音パネルなどを計画段階よりも増やしたり、追加で設置したりするなどして対応します。

【対象が建物の場合】
 解体する対象が家屋等の建物の場合は、前述のコンクリートの厚さや鉄筋の有無による相場でなく、その建物の構造別の坪単価に解体する建物の広さ(坪数)を乗じて解体費用の目安を計算します。鉄筋コンクリート造の家屋を解体する場合の目安は業者や地域によって異なりますが、50,000円/坪~を目安にして計算できます。

 家屋の解体費用については、こちらのコラムで説明しています。こちらも参考になさってください。

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家の解体費用の相場はいくら? 解体工事のプロが徹底解説

コンクリートを解体するときに活用したい助成金・補助金

 自治体のなかには、解体工事を行う際に利用可能な補助金制度を備えているところがあります。こうした制度を利用することで、費用負担の軽減を図ることができます。
 なお、解体工事に関する助成金・補助金制度には、家屋等の解体に関するものや塀などの解体に関するものなどがあります。補助金・助成金は家屋の解体時のものだけ、と思っている人もいるかもしれません。ですが、ブロック塀などを解体する場合に活用できる助成金・補助金もあります。
 ただし、補助金・助成金の有無、および申請の条件も自治体によって異なります。まずは、取り壊し予定の建物がある自治体の情報を確認してみましょう。

 解体工事の見積りや解体プラン、そして資金計画に関連しての助成金や補助金の活用など、解体工事に関連したご相談などにも対応しています。どうぞお問い合わせください。
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家屋の解体時に活用できる助成金・補助金

 家屋を対象にした補助金・助成金には、次のようなものがあります。

*老朽危険家屋解体撤去補助金:老朽化が著しく、人やものへ危害を与える可能性のある家屋を対象。
*都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金:適切な管理がされないまま老朽化が進み、周囲の景観を損ねる空き家を対象。
*解体撤去助成:倒壊の恐れがある空き家を対象。
*不燃化特区制度:木造住宅密集地域対策として解体や建て替えを助成。
*耐震建て替え補助金:1981(昭和56)年5月以前に建てられた木造家屋に対する耐震住宅への建て替えを助成。

塀などの外構の解体時に活用できる助成金・補助金

*ブロック塀等撤去に対する補助金:ブロック塀の高さや構造等の条件を満たすブロック塀等を対象。
*生垣づくり助成金:ブロック塀等を生垣に造り替える際の植栽費用を助成。

 補助金や助成金の申請・受給については、補助金等の種類によって申請要件が細かく設定されていて、助成内容等も自治体ごとに異なります。こちらのコラムでは、東京都内のいくつかの区を例に挙げて、申請の流れや留意点なども説明しています。ぜひ、お読みください。

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東京都での解体に! たくさんある助成金・補助金

コンクリートの解体を行う際の留意点

 コンクリートの解体を行う際、とくに次のことに留意する必要があります。私たち解体業者はこれらのことに対して、十分な注慮を心掛けていますが、施主様の立場になる方々にも知っておいていただくことで、工事や隣家の方々への配慮に役立つと思います。

騒音や振動に対する近隣への配慮

 硬く頑丈なコンクリート部分の解体では、どうしても騒音や振動が大きくなりがちです。そのため養生やパネルの適切な使用、工法の選択などで可能な限り現場周辺の方々の負担を少なくするよう心がけています。また作業員の作業態度や通行者への心配りなどにも配慮することで、工事の理解を得るようにしています。
 なお、工事の理解を得るため、たとえ小さな規模の工事であっても、隣家への挨拶はしておくことが大切です。

埋設物の可能性を考慮

 建物の基礎や駐車場、エントランスのたたき部分などのコンクリートの解体を進めていくと、地中から埋設物が発見されることがあります。
 埋設物として発見されるものは、以前の建物を解体した際のものと思われる瓦礫、基礎、家具、食器類などさまざまです。これらは建て替えやリフォームなどを過去に行った際に埋められたまま、その上から土をかぶせてコンクリートを打った場合に見られます。
 埋設物をそのままにしておくと、その後の土地活用に支障をきたしかねません。そのため、埋設物が見つかった場合には、基本的には撤去します。ただ、私たち業者が解体を受けている場合は、追加工事として新たに費用が発生します。この点も含めて、事前に埋設物が発見されたとき、そのほか何らかのトラブルが発生したときの対応などについて、担当者と施主様で話し合っておく必要があります。

解体後の土地活用を考慮した付帯工事等の検討

 通常、解体工事をした後は整地を行います。とくに、その土地を売却する場合には、整地してあったほうがきれいな状態になっているため、買い手が早くつきやすいといわれています。
 また、売却以外にも解体後の土地をどのように活用するかも含めて解体工事の内容を検討しておくことも大切です。それによって整地をするかしないか、整地をする場合にどのような整地にするかなどを決めておくことで、その後の土地活用のための作業や付帯工事等にスムーズに移行できます。

まとめ

 本文でも触れていますが、私たちの暮らしの環境のなかでコンクリートを使用している部分はたくさんあります。そのため、コンクリートの解体といっても、その規模は大きなものから小さなものまでまちまちです。
 さほど大きな規模でない場合には、DIYを趣味としている方ならば「自分でやってみよう」と思われるかもしれません。しかし、それはあまりお勧めできません。硬くて頑丈といったコンクリートの特徴は、解体の難しさや解体する人が受ける負担の大きさ、そしてけがをするリスクの高さなどにつながるからです。
 「このくらいの規模で業者に引き受けてもらえるだろうか?」と思えるような規模であっても、お気軽にマトイにお連絡ください。施主様のご希望などもうかがいながら、ベストな提案をさせていただきます。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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