ツーバイフォー解体の費用・日数・注意点|知っておきたい構造の特徴
かいたいコラム
※弊社コラムに記載の価格は執筆当時のものであり、現在の価格とは異なる場合があります。
建物の解体において、その負担の大きさや解体日数は木造やコンクリート造など、構造や老朽化の程度によって異なります。
また、最近では環境に対する配慮などから省エネに対応するため、“高機能・高性能”な家屋が増えてきて、建物自体もその機能に対応できる建て方がされるようになっています。その1つとして、「ツーバイフォー工法」による家屋があります。今回はこちらについて取り上げます。
ツーバイフォー工法とは、そして在来工法との違い
ツーバイフォー工法の家は、構造からみると木造になります。解体工事において「木造の建物は解体しやすい」と一般的に思われています。しかし、ツーバイフォー工法で建てられている家は、同じ木造でも解体時の手間は大きくなります。
建物解体は木造や鉄筋コンクリート造などの構造や各種工法の違いなどがあります。また最近では高機能住宅としてさまざまな機能を付帯している家屋もあります。
マトイでは、それぞれの家屋の特徴を考慮した解体計画のもとに、安全・確実・誠実な工事を行います。
東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県で解体工事をご検討中の皆様、どうぞマトイにお声掛けください。解体工事前の準備段階からしっかり皆様をサポートいたします。
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ツーバイフォー工法の家
ツーバイフォー工法で家を建てる場合の特徴は次の点にあります。
〇2×4材や2×10材などの木材を組んだ「枠組み」を作り、
〇その「枠組」に構造用面材を接合し、剛性の高い版を構成、
〇それらを一体化して頑強な「六面体構造」を作る。
このように作られた六面体の箱構造を組み合わせて建てられた家がツーバイフォー工法による家となります。
六面体構造は地震の力をバランスよく分散させ、建物の変形や崩壊を防ぎます。さらに建築基準法に基づきツーバイフォー工法の技術基準が告示される際に、この独特の六面体構造による構造的な強さを活かすための精緻な基準(仕様規定等)が設定されました。これも加えて、地震に強い建物となっています。
こちらのコラムでは、建物の構造の違いや解体の工法の種類などについて説明しています。どうぞ参考になさってください。
在来工法との相違点
六面体構造を基本としたツーバイフォー工法の家と、在来工法である木造軸組の家では、どのような違いがあるのでしょうか。相違点を表にまとめました。
表 ツーバイフォー工法と在来工法の違い
| 項目 | ツーバイフォー工法 | 在来工法(木造軸組) |
| 構造形式 | 壁・床・天井による面で支える。 | 木材によって柱や梁などの骨組みを構築して、それによって支える。 |
| 接合方法 | 合板を釘や金物を使って一体化する。 | 接合する木材に削るなどの加工を加える継手・仕口といった技術や金物を使う。 |
| 耐 震 性 | 高い。面で力を分散させる。 | 筋交いなどで補強する。 |
| 解体の難易度 | 構造が一体化しているために、解体しにくい。 | 部材ごとに解体しやすくなっている。 |
ツーバイフォー工法のメリットとデメリット
その構造の特徴から、強い耐震性をもつツーバイフォー構造の家。そのメリットは耐震性だけではなく、在来工法の家屋よりも次のような機能が高いというメリットがあります。
〇耐震性
〇耐風性
〇耐火性
〇高断熱
〇高気密
しかし、これらのメリットがある反面、デメリットもあります。
気密性や断熱性が高いということは、建物内外の温度差が大きくなることから結露が生じやすく、カビやダニが発生しやすい環境になるという点です。
ツーバイフォー工法の家屋解体の検討に際して
一般的にいわれる木造家屋が解体しやすいというのは、在来工法による家屋に対するものです。在来工法による家屋を解体する場合は、その手間は比較的少なく、解体費用も抑えられます。
しかし、同じ木造家屋であっても、ツーバイフォー工法の場合は異なります。木材の枠組みと合板を打ち付けた壁と床で家全体を支えているため、建物が頑丈です。その分、解体しにくく手間がかかり、また廃棄物の量も多くなります。
ツーバイフォー工法の家の解体を考えるとき、次のことを留意しておく必要があります。
こちらのコラムでは、解体工事を行う際の事前準備について説明しています。ツーバイフォー工法の建物であっても、解体工事に際しての事前準備に違いはありません。どうぞ事前準備にお役立てください。
ツーバイフォー工法の家屋解体時の留意点
〇面構造によって一体化された造りになっている。
壁・床・天井が合板・釘・金物によって強固に接合されているため、在来工法のようにそれぞれを外すことができません。そのため、重機によってパネルごとに破壊することになります。
このことから、耐震壁の位置や解体の順番を誤ると建物全体のバランスが崩れ、崩落リスクが高くなります。
〇合板・石膏ボード・断熱材・接着剤・釘・金物などが多く使用されている。
これらは再利用が難しく、しかも分別解体ではなく重機による解体が多くを占めることから、混合廃棄物の量が増加します。
さらに構造用合板が多いことから、解体時に重機による粉じん・騒音の発生も高くなります。
ツーバイフォーの家の解体費用
ツーバイフォー工法の家の解体費用は、前項で説明したような理由から在来工法の家屋よりも高くなります。
在来工法より高いツーバイフォー工法の解体費用
ツーバイフォー工法の家の解体費用は、一般的な木造家屋の解体費用よりも坪単価が5,000円以上高くなると考えておくといいでしょう。
なお、坪単価は解体費用を算出する際の基本となるもので、1坪当たりの解体費用をいいます。これは業者や地域によって価格が異なります。一般的には、次のようになります。
解体工事の坪単価
| 木 造 | 50,000円~ |
| 鉄骨造 | 70,000円~ |
| 鉄筋コンクリート造 | 100,000円~ |
これを基準とした場合、ツーバイフォー工法の家の解体時の坪単価は55,000円~と考えておくといいでしょう。
ツーバイフォー工法の家の解体費用が一般的な木造家屋の解体費用よりも高くなるのとともに、工期も長くなります。
こちらのコラムで、解体工事の一般的な流れとともに工期についてもまとめています。工期の目安の参考になさってください。
延床面積別にみるツーバイフォー工法の解体費用の目安
解体費用の相場は、解体する建物の延べ床面積に坪単価を乗じることで目安となる金額を算出します。以下に延べ床面積別の相場額を出してみます。
| 坪単価 | 30坪 | 50坪 | 80坪 | |
| ツーバイフォー工法 | 45,000円 | 1,350,000円 | 2,250,000円 | 3,600,000円 |
| 在来工法の家 | 40,000円 | 1,200,000円 | 2,000,000円 | 3,200,000円 |
こちらの表で、ツーバイフォー工法の家と在来工法の家との解体費用が、どの程度異なるかのイメージがもてるかと思います。
ただし、解体費用はこのほかに屋内残置物の有無や外構工事の有無、工事現場となる場所の周辺環境などさまざまな要因によって変動します。
まずは家の解体を検討し始めた段階で、業者の見積りをとることをお勧めします。それによって、より実際の費用に近い見積り額を知ることができ、予算計画などもしやすくなります。
マトイではこのWEBでの「無料ご相談・無料お見積り」で皆様のお問い合わせに対応しているほか、お電話で直接のお問い合わせにもご対応しています。どうぞお気軽にご連絡ください。
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ツーバイフォー工法の家の解体費用が高くなる理由
ツーバイフォー工法の家を解体する際、その解体費用が高くなる理由をここで整理しておきます。
構造の頑丈さ
ツーバイフォー工法の家は壁・床・天井を合板による面で支えている六面体構造になっていることから頑丈で、解体に手間がかかります。
重機の使用頻度
ツーバイフォー工法の家は、2×4材や2×10材等の木材を組んだ「枠組み」や面を作る合板を、釘・金具・接着剤などによってしっかり接着しています。そのため頑丈で手作業での解体が難しく、重機の使用頻度がとても高くなります。それに伴って重機使用料が在来工法の家よりもかさみます。また、解体現場が狭小地や道幅が狭いなどがあると、さらに費用に影響します。
解体工事で重機を使用する際は、見積り書に「重機回送費」という項目があります。これは重機を多用する場合は、この費用が全体費用を引き上げることがあります。こちらのコラムもご一読なさることをお勧めします。
廃材の分別の手間
分別解体が可能な部分が限られてくること、重機解体によって廃棄物の分別が難しい混合廃棄物が多いことなどから分別の手間がかかります。
最近の解体工事では分別解体から、さらに環境への配慮を取り入れる環境配慮型解体へと進みつつあります。それについて、こちらのコラムで説明していますので、併せてお読みください。
処分する廃材量の多さ
混合廃材が多く、分別にも限界があることから、産業廃棄物として処理せざるを得ない廃材が多くなります。また、合板や断熱材などが多く、これらの処分費用が高くなります。
分別解体が難しいツーバイフォー工法の家の解体ですが、それでも業者は可能な限り分別するようにしています。こちらのコラムでは廃材の区分や処分の流れを説明しています。どうぞお読みください。
解体費用を抑えるためのポイント
できれば解体費用は少しでも抑えたいものです。そこで、そのためのポイントをご紹介します。
〇複数の業者に見積りを依頼して検討する。
解体費用は、業者によって異なります。最低でも2~3社に見積りをとる、相見積りをお勧めします。これによって、その地域の相場の平均的なものを把握できます。さらに各業者の対応の良し悪しなども、見積り依頼のためのやり取りを通して判断できます。
なお、見積り依頼の連絡をした際に、見積りが有料である業者や、相見積りと聞いて自社との契約を強要するような業者は避けましょう。
また見積りに際しては、解体費用はもちろん作業範囲や追加工事発生時の対応や追加費用などについても確認しておきます。
〇残置物は自分たちで処分する。
家のなかにある家具や不用品は、解体工事が始まる前に自分たちで地域の粗大ごみ回収やリサイクルショップなどを活用して処分しましょう。
処分しないまま残すと、業者は解体時の廃棄物とともに産業廃棄物として処分するため、廃棄物処分費用が高くなってしまいます。産業廃棄物の処分費用は、一般的な廃棄物の処分費用より高額になるため、できるだけ廃棄物の量は減らすことで、廃棄物の処分費用や解体費用全体を抑えることにつながります。
〇自治体の補助金・助成金制度を活用する。
自治体のなかには老朽家屋や空き家対策、そして地域の防災対策のために老朽家屋や空き家の解体工事に対して、解体費用の一部を助成する制度を設けているところがあります。
ただし、制度のない自治体や、申請条件などが異なります。家屋の解体を検討し始めた段階から、情報を集めて活用に備えましょう。
〇解体時期を「閑散期」にずらす。
解体工事は一般的に3月や9月が繁忙期に、逆に1〜2月、7〜8月が閑散期になる傾向にあります。閑散期は業者の人員に余裕が出るため、工期や値引き交渉に対応しやすくなります。
こちらのコラムでは、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県の家屋解体に関する補助金情報と、補助金活用のために必要な基本情報について説明しています。
ぜひ、お読みになって補助金等の利用の参考にしてください。
まとめ
家屋の解体工事で大切なことは、安全な工事とともに施主の立場の方が納得のいく工事を行うことです。それは解体費用や工期、業者担当者や作業員の仕事の姿勢や近隣の方々への態度など、さまざまです。
ツーバイフォー工法の家の解体では、「同じ木造家屋なのに工期も長いし、解体費用も高い。なぜ?」と思うことでしょう。今回はその理由も説明しましたが、それを理解していないと工事に満足することが難しくなります。
ですから、その理由を知ることはとても重要なことです。それによって工事に納得できるだけでなく、業者との費用や工期の調整などにも役立ちます。
マトイではツーバイフォー工法の家屋のほか、お請けする解体工事では施主様にご理解とご納得いただけるよう、お問い合わせの段階からコミュニケーションを大切にしています。小さな疑問、不安、ご要望など、どうぞお寄せください。
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
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