調整区域の家は解体しても大丈夫? 建て替え前に確認すべき重要ポイント
かいたいコラム
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建て替えは、間取りはどうするか、家具はどんな雰囲気にするかなどを考える楽しさがあります。しかし、それ以前に確認すべき大切なことがあります。
それは「自分の土地は建て替えが可能なのか?」ということです。市街化調整区域に建つ家は、解体してしまうと建て替えできなくなる場合があります。また建て替えには特有の条件や許可が必要であるため、事前確認が欠かせません。
今回は、調整区域で建て替えを進める際に知っておくべきポイントを整理します。
マトイは東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県で解体やリフォームを行っています。皆さんが解体や建て替えに踏み切るには、さまざまな疑問や心配が伴いますが、マトイでは着工前からの皆さんとのコミュニケーションを通して、そういったことの解決もお手伝いします。どうぞお気軽に、お問い合わせください。
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市街化調整区域に建つ家の建て替え
「市街化調整区域」(以下、調整区域)は新築や建て替えに厳しい制限があります。古くから住んでいる実家や、古家付き土地で購入した家など、建て替えを行う場合は、調整区域であるかどうかを確認する必要があります。
調整区域とは?
調整区域は、都市の無秩序な拡大を防ぐために指定されたエリアで、都市計画法によって「市街化を抑制する区域」となっています。このため土地開発や施設整備など、新築や建て替えを制限している区域となります。一方で比較的静かな環境で暮らせますが、インフラの整備が不十分な場合があって生活に不便さを感じることがあります。
一方、「市街化区域」というものがあります。これは自由に住宅を建てることができる地域です。こちらはインフラも整い、生活しやすい環境になっています。
なお、多くの自治体では、都市計画法に基づいて「市街化調整区域」と「市街化区域」を地図上で区分する「線引き」が1970(昭和45)年6月10日に行われました。
調整区域に建つ家は建て替えが難しい?
「調整区域では家を建てにくい」ということを聞いたことがあるかもしれません。これは前述のように、調整区域が「無秩序な都市の拡大を防ぐ」ために、さまざまな制限を加えているためです。その制限として、次のようなことがあります。
・新築や開発行為は原則不可
・建て替えについては例外的に認められる
・自治体ごとに独自の運用ルールがある
建て替えは「例外的に認められる」となっているのは、すでに居住している人の生活を守るために、一定の条件を満たすことで建て替えを例外として認めている、ということです。この際の建築の可否は自治体ごとの許可基準で判断されます。
調整区域で建て替えを可能にする条件
建て替えが認められるか否かは、既存宅地の証明や接道条件、許可の要否などいくつかの要素で判断されます。まず建て替えの可否を左右する主要な条件を挙げてみます。
既存宅地(旧既存宅地)であることの証明
登記簿、航空写真、課税台帳などによって、調整区域となる前から宅地として利用していたことを示す必要があります。なお、自治体によってはより詳細な資料が必要です。
また自治体によっては「生活実態の継続」を証明する必要があります。
生活実態の継続とは、その土地に住み続け、宅地として途切れることなく使っていたことを示します。具体的には、次のようなことです。
・住民票がその住所に継続して存在していた
・「宅地」「家屋」として固定資産税の課税が継続
・航空写真に建物が写り続けている
・建物が存在している、または基礎が残っている
・長期間「空き地」「畑」「資材置場」などへ用途変更されていない
接道条件(建築基準法)を満たしている
建築基準法では、建物を建てる土地が建築基準法上の“道路”に2m以上接していなければなりません。これを建築基準法上で「接道条件」といいます。
もしも接道が不足していると、解体後は再建築不可となる可能性が高くなります。
開発許可が必要な場合
都市計画法第29条に基づく開発許可が必要なケースがあります。この許可が下りなければ建て替えはできません。
農地転用の必要性
地目が農地の場合、農地転用許可が必要になります。許可が下りないと、住宅の建築はできません。
用途の継続性
建て替えは住宅から住宅のように、同じ用途であることが原則です。住宅から駐車場、住宅から農地というような用途変更は認められないことが多く、注意が必要です。
こちらのコラムでも、市街化調整区域に建つ家の解体について説明しています。併せてお読みください。
解体前に必ず確認すべき重要ポイント
調整区域に建つ家を建て替えなどのために解体する場合、注意が必要です。
解体してしまうと建て替えができないケースがあり、後戻りできない事態になってしまうことがあります。そういった事態を避けるため、解体前には次の点を必ず確認しましょう。
再建築の可否に関する条件が整っているか
・既存宅地か
・接道条件を満たすか
・開発許可が必要か
・農地転用が必要か
これらを確認せずに解体すると、“建て替え不可の土地が残るだけ”というもっとも避けたい事態になりかねません。
インフラは問題なく整備されているか
水道、下水、ガス、電気などのインフラは、基本的な暮らしに欠かせないものです。しかし、調整区域では未整備の部分がある可能性があります。もしも未整備の場合、整備のための費用が数十万〜数百万円かかることがあります。
行政への事前相談
調整区域は自治体ごとに判断基準や条件が異なります。
そのため、建て替えの検討を始めた段階から、建築指導課や都市計画課へ事前相談することが重要です。これによって、各自治体の建て替えの要件等を正確に把握でき、より円滑に建て替え計画を進めることができます。
解体後の土地利用計画
住宅から住宅へ建て替えるなど、同じ用途での土地利用が原則です。そのため、駐車場にするだけでも農地転用が必要な場合があり、用途によっては追加の許可が必要です。
補助金の有無
調整区域での建物の解体や建築には、補助金制度が設けられていない自治体もあります。そのため事前確認が必要です。
自治体への事前相談は、補助金制度の情報やその他の行政サービスなどに関する情報を収集するためにも有効です。
補助金は建物の解体や建て替え時の経済的負担を軽くするために、ぜひ利用したいものです。こちらのコラムでは補助金に関する情報の取り方や利用方法について説明しています。
※補助金制度は変更される場合があります。最新情報は各自治体のホームページをご確認ください。
市街化調整区域で建て替えが難しくなる例
調整区域での建て替えでは、前項で説明したように建て替えの可否に関する条件がいくつかあります。その条件に該当する場合は、建て替えが難しくなる可能性が高くなります。
ここで、事例をいくつか紹介します。これらを知ることで、建て替えが不可となるリスク回避にお役立てください。
〇事例1:昔から家があったのに、地目を調べたら「農地」扱いだった
調整区域で農地を宅地にするには「農地転用」と「開発許可」が必要。しかし農地転用の許可が下りず、建て替えができない。このケースのように、地目を調べたら宅地でなかったというケースは、よく起こる例です。
〇事例2:敷地の一部が「雑種地」の扱いになっていて、宅地としての継続利用が認められない
「生活実態の継続」が証明できない典型的な例であり、この場合、開発許可の対象になってしまいます。
〇事例3:自宅前の道路が建築基準法上の道路でなかった
調べたら接道が農道(もしくは通路や未指定私道など)であった。この場合、開発許可を取り、道路の整備が必要となるが、その所有者の協力を得られず実施できない。
〇事例4:敷地が広すぎて「開発行為」といった扱いになった
調整区域内にある、古くて広い農地を所有する農家によく起こることで、敷地規模などによっては「開発行為」として「開発許可」が必要になります。しかし多くの場合、区域区分や条例によって許可が出ません。
〇事例5:昔の相続時に分筆し、既存宅地の証明が途切れた状態になっていた
線引きの基本は“1つの宅地”です。相続によって分筆した土地は「線引き後に造られた新しい土地」という扱いになります。そのため既存宅地として認められず、建て替えが不可になります。
〇事例6:旗竿地の部分だけ分筆したことで、接道2mが確保できなくなった
本来は接道条件が整っていた状態だったが、分筆によって竿部分が別地番になり、本体敷地が接道ゼロ扱いに。こういったことは、再建築不可になる典型的な失敗例といえます。
〇事例7:昔の分筆図と現況が一致せず、役所に宅地履歴を認めてもらえない
境界が不明、分筆図が古くて現況と違うなどによって、宅地として使われていた範囲が証明できないことから既存宅地の証明ができず建て替え不可に。
解体後の土地活用の1つとして、「農地に転用」というものがあります。空き家対策の検討材料として、こちらのコラムもご覧ください。
市街化調整区域で解体工事をする際の注意点
調整区域では、未整備なインフラ環境や道路状況などが原因で、通常の解体工事よりも注意すべき点が多くあります。その主なものとして、次のようなものがあります。
・道路が狭くて重機が入りにくい、もしくは入らない
・地中埋設物が見つかるリスクが高い
・古くなって傷んだ配管の修理や撤去など、インフラに関連する費用が発生する可能性が高い
・アスベスト調査や除去が義務化となっているが、古い建物ではアスベスト使用の可能性が高く、その場合、除去費用がかさむ傾向にある
調整区域での建て替えをスムーズに進める流れ
調整区域での建て替えは、なによりも正しい順序で進めることが成功の鍵です。スムーズに進めるため、行政相談から許可申請までの流れをまとめます。
こちらのコラムでは、家を建て替える際の流れや費用などについて説明しています。調整区域での建て替えプランの参考にしてください。
行政に事前相談する
自治体の都市計画課や建築指導課(担当部署の名称は自治体によって異なる)で再建築の可否、既存宅地として扱われていること、開発許可の要否を確認し、建て替えの前提条件を固めます。
調整区域での建て替えの要件の詳細は、それぞれの自治体によって異なるため、最初に事前相談をして、手続きなどの流れや確認すべき点および必要書類等を把握することが大切です。
また、この段階で調整区域にある家屋の解体および新築時に活用可能な助成金制度の有無についても、自治体の担当窓口で情報を収集しておくことをお勧めします。
既存住宅の証明資料を集める
既存住宅であることの証明では、次の2点を立証する必要があります。
1つは線引き前からその住宅が存在していたこと、もう1つはその後も用途変更がなく、住宅として継続利用していることです。そのために必要となる書類については、次のとおりです。
〇線引き前から住宅が存在していた証明に必要な書類
・土地登記事項証明書(閉鎖登記も含む)
・固定資産税評価証明
・建築確認済証と検査済証
・農地転用許可証明(建築目的で転用した場合)
〇宅地および住宅利用が継続していることの証明(生活実態の継続)の証明に必要な書類
・固定資産税課税台帳(毎年の課税地目が「宅地」になっている)
・住民票の履歴(その住所に人が住んでいた記録)
・電気、水道、ガスの使用履歴(長期間、空き家でない証拠)
・航空写真(線引き当時の住宅形状が確認できるもの)
・建物の登記(滅失登記がされていない)
・建築確認台帳の記載(増改築履歴の確認)
接道状況を確認し、必要に応じて測量を行う
建築基準法上の道路に2m以上接しているかを確認し、必要に応じて測量して道路中心線やセットバック量を確定します。
建築士や行政書士に相談する
建築士や行政書士に依頼し、建築計画の可否、許可申請の必要性、敷地条件のリスクを専門的にチェックしてもらいます。
解体業者と“建て替え前提”で打ち合わせをする
解体後に再建築不可とならないよう、建物の残し方やインフラ撤去範囲を事前に調整し、行政の指示と整合させます。
建築計画を確定し、必要な許可申請を行う
建築計画を固めて必要な許可などを申請します。そして許可取得後に着工して建て替え工事を進めます。
まとめ
調整区域での建て替えは、行政への事前相談から始めて、事前の調査や許可確認が必要不可欠です。この流れを考えると、とても大変そうに感じるかもしれませんが、全体の流れを把握して、ポイントを抑えながら進めることで、調整区域でも安心して建て替えが可能です。
何より大切なことは、「必要な相談やステップを踏まないまま解体に踏み切らない」ことです。建物を解体したものの、家を建てることができない! そんな事態は絶対に避けたいものです。
そのためにも行政、建築士や行政書士などの専門家、そして解体業者と連携・協力しながら、正しい手順を踏みながら進めることが、調整区域における建て替えでは何より大事です。
このようなケースにおいても、マトイは皆様のプランを力強くサポートいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください!
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記事の監修
株式会社マトイ 営業担当菅野
株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
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