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土間の解体を考えたら何をする? 土間の構造や費用を抑えるためのコツを解説します

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 ある日、知人のお嬢さんと話していたときのこと。「土間」という言葉を私が使ったところ、「えっ、ドマって?」と不思議そうな表情をされました。確かに、私自身も実際の土間を身近に感じたことはなかったのですが、あらためて現在の暮らしを見ると、構成する素材は土からコンクリートに変わってはいるものの、多用されていることに気づきました。そこで、今回は土間コンクリートをテーマに進めることにします。

現代も活用されている土間とその種類

 土間を辞書で引くと「家のなかにあって床を張らないで、地面のままになったところ」とあります。要するに土の床です。さすがに現代では以前のような文字通り「土」の土間を見かける機会は減りました。しかし、土からコンクリートに換わって“土間”の利便性は今も活かされています。

土間コンクリートとは

 あらためて土間コンクリートはどのようなものかといえば、地面の上に砂利や石などを敷き詰め、その上をコンクリートで固められた土間、といえます。言い換えると、地面の上にコンクリートの床が乗った状態で、上からの荷重のほとんどを地面が受ける構造です。
 建築で使われる言葉に、「スラブ」というものがあります。これは鉄筋コンクリート造の床や屋根のことをいいます。土間コンクリートもこのスラブの一種ですが、他のスラブに属するものと土間コンクリートの違いは、上からの荷重を地面が受ける構造になっているかどうかにあります。

さまざまな場所で活用されている土間

 土間コンクリートが造られている場所は、周辺を見渡すとさまざまなところにあります。
① 駐車場、駐輪場
② 門から玄関までのアプローチ
③ 家屋の周辺を囲むように造られている細い通路(犬走り)
④ ウッドデッキや物干し台の下
⑤ 玄関や勝手口の内外
⑥ 庭
⑦ 飲食店の厨房や工場などの床
(これは厳密には土間コンクリートではなく、多くは二重スラブや構造スラブといわれるものになります。しかし、ここでは身近にある土間として取り上げました)

使用目的別にみる土間の種類

 土間の活用から、その種類を見ることができます。

① 頻繁な往来による刺激から建物内外を守るための土間
 玄関や勝手口、駐車・駐輪スペースなどに土間コンクリートを造設して床を補強する。

② 重たいものを置くための場所を補強する土間
 駐車・駐輪スペース、倉庫や工場の床などに土間コンクリートを造設して耐荷重を高める。

③ 景観を整え、建物を守るための土間
 建物の周囲に造る細い通路(犬走り)、庭や門から玄関までのアプローチの外構として土間コンクリートを造設し、家屋の汚れを防ぎデザイン性を高めるとともに雑草が生えるのを抑えて景観を守る。

④ 安全な作業環境と衛生環境を守るための土間
 飲食店の厨房や工場などの床を土間コンクリートにして、作業によって発生する熱や水・廃液等の汚染から建物や働く人を守る。また、土間コンクリートの下部構造を活用して排水や廃液設備を整えて、衛生面・安全面・作業効率等を保持する。

 このように意識して周囲を見回すと、土間はさまざまな場所に用いられています。
 さらに土間コンクリートの主な仕上げ方法には次の4種類があります。土間コンクリートを設置した目的に応じて、仕上げ方法も変わります。

① 金鏝(かなこて)仕上げ
 表面のコンクリートが固まりきる前に鏝で平らにならして、表面を滑らかに仕上げる。
【メリット】掃除しやすい。
【デメリット】雨天時など滑りやすく、傾斜地に不向き

② 刷毛引き仕上げ
 コンクリートが固まり切る前に、表面に刷毛目を入れる。
【メリット】雨天時でも滑りにくく、傾斜地や高低差がある土地のコンクリート仕上げ向き。
【デメリット】ゴミが刷毛目に引っかかって残りやすい。

③ 洗い出し仕上げ
 コンクリートを打った後、表面が固まりきらないうちにスポンジ等で水洗いし、砂利や小石を浮き上がらせる。
【メリット】土間や玄関に変化を添えてデザイン性を高められる。また、表面に砂利や小石などがあるため滑りにくい。
【デメリット】通常の仕上げよりも費用が割高になる。

④ デザインコンクリート
 これにはスタンプコンクリートとステンシルコンクリートの2種類がある。スタンプコンクリートは、コンクリートの表面に型押しして模様をつけていく方法。ステンシルコンクリートは、模様が型抜かれたシートを敷き詰め、その上からコンクリートを施工していく。
【メリット】色や柄などを自分の希望通りに仕上げられる。
【デメリット】定期的なコーティングが必要。また色付けした部分が剥がれることがある。

土間コンクリートの構造

 次は土間コンクリートの構造について説明します。土間コンクリートの構造は、その施工手順を見るとわかります。施工手順は次のような流れです。

① 土間コンクリートを施工する範囲の土を取り除く。
② その部分に砕石を敷き、専用の機械で圧力をかけて土や石を踏み固める。
③ そこにひび割れを防ぐための鉄筋や、コンクリートを流しこむための枠を組み込む。
④ コンクリートを流し込む。
⑤ コンクリートの表面を、目的に応じた仕上げ方法で職人によって仕上げる。
⑥ コンクリートが固まったら枠を外す。
⑦ さらに日にちをかけてしっかりと固まらせて工事完了。

 こうしてできた土間コンクリートは、図のような構造になります。
 さらに飲食店の厨房の土間は、コンクリートや発泡スチロール、スタイロフォーム(※)などが重なった構造のものが二重になっていて、その間に給水や排水などに必要な配管が通っています。また厨房外の場所に汚水が流れ出ないようにコンクリートブロックで仕切られていたり防水加工が施されていたりします。
※スタイロフォームとは、発泡プラスチック系といわれる種類の断熱材のこと。スタイロフォーム(商品名)という名前のほうが一般的ですが、一般名称は「押出し発泡ポリスチレン」です。

 なお、土間コンクリートの厚さは、その上にかかる負荷によって異なってきます。普通自動車のために使用する駐車場では、図にあるように砂利などの層が10㎝程度、その上のコンクリートの層が10㎝程度で20㎝程、少なくても15㎝は必要とされています。そしてこれが一般的な土間コンクリートの厚さ、とされています。しかし、大型トラックなどを停めるとなると、40㎝程度は必要になります。いずれにしてもコンクリート層がある程度の厚さがあるために、それだけ解体も大変になってきます。

土間コンクリートを解体する際の段取りと解体工事の流れ

 「土間」と一口にいっても、広さやコンクリートの厚さなどは異なります。またコンクリートを解体するには、さまざまな方法があり、工事の際の騒音も大きくなります。DIYをなさる方も増えている昨今では、ご自分で解体を考える方がいらっしゃるかもしれませんが、解体撤去後の整地などを含めて考えると、やはり業者に任せることをお勧めします。いずれにしても、まずは土間コンクリートの解体について説明します。

土間コンクリートを解体するときの段取りのポイント

 土間コンクリート解体の段取りのポイントは、業者選びと隣近所への配慮にあります。この点を踏まえて、工事を開始するにあたっての段取りを説明します。

① 解体したい土間コンクリートの場所・広さ、解体後の土地活用プランなどを業者に伝えられるように確認しておく。

② 解体業者を決定する。
<解体業者の選択方法>
・インターネットや地域の情報誌、口コミなどから解体業者を複数選択する。
・連絡を取って、「土間の解体をしたい」「土間の広さ」「金額を知るため見積りをしてほしい」「見積りは無料で、相見積りにしたい」ということを伝える。
・問い合わせた業者のなかから2~3社に絞り込んで見積りを依頼する。
・現地調査のうえ提出された見積り書を比較検討し、依頼する業者を決定。

③ 業者との話し合いで工期を決定する。

④ 着工の1週間前くらいに、挨拶回りを行って工事を行うことや工期について説明し、協力のお願いをする。土間コンクリートの解体では、工期は1~2日間のことがほとんど。しかし、数日であっても近所の方々への配慮は欠かせない。
 なお、近隣への挨拶についてはこちらのコラムも参考にしてください。

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解体工事とその後の生活をスムーズにする“挨拶回り”

 また飲食店厨房の土間コンクリート解体は、だいたいの場合は店舗解体や内装解体とともに行われます。それらについては、こちらのコラムもお目通しください。

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内装解体工事を検討するときに知っておきたいこと

土間コンクリートを解体するときの業者選びのポイント

 土間コンクリートを解体する業者を選ぶ際は、次のことをポイントとしましょう。
① 見積りを比較検討する際は、総額ではなく内訳に何が含まれているかをみる。そこで、わからないことやはっきりしないことがあったらその1つひとつをしっかりと担当者に確認する。
② 工事中・工事後に生じたなんらかの不都合に対するフォロー体制が整っているかを確認する。
③ 相見積りや無料見積りに対する理解、施主様への対応がきちんとしていて、施主様の立場になって工事を行っていることが感じられるかどうかを判断する。

土間コンクリート解体の流れと撤去工法

 土間コンクリートの解体は、他の解体工事同様に次のように流れていきます。

① 解体工事の現地調査・見積もり
② 届け出の提出・手続き

 解体する土間コンクリートの規模が80㎡を超える場合、建築リサイクル法の届け出が必要
③ 近隣の方々への挨拶
④ 着工
⑤ 廃材の運搬
⑥ 施主による現場確認、支払い、終了

 なお、土間コンクリートを撤去するための工法には、次の4つがあります。コンクリートの厚さや広さ、内部構造や用いられている素材などにより、最適な工法を用いて撤去作業が行われます。

① クラッシャー工法
 ダイヤモンドカッターでコンクリートを削っていく。作業によって発生する音が比較的少なく、狭いところでも作業しやすい。
② ウォールソー工法
 レール上にコンクリートを切断するための機械をつけて移動させながらコンクリートを切断する。狭い場所での作業に向いている。
③ ウィータージェット工法
 高圧水流を使ってコンクリートを撤去する。無振動で作業が進められるため、近隣へかける迷惑も少ない。
④ 圧搾工法
 圧搾機を用いてコンクリートを破壊する。土間コンクリートをはじめ、コンクリートの解体工事でよく使われる工法。粉じんや埃が飛散しやすい。

土間コンクリート解体の費用と費用を安くするためのポイント

 やはり費用は気になります。そして、できるだけ安くしたいと思うのは当然のこと。そのためにも、目安となる金額を知っておきましょう。

土間コンクリート解体にかかる費用の内訳と目安

 土間コンクリートに限らず、解体にかかる費用の内訳には次のような項目が挙がります。

① 本体工事費
② 付帯工事費
③ 仮設工事費
④ 廃棄物処分費
⑤ 整地費
⑥ 重機回送費
⑦ 届け出、手続き費
⑧ その他

 土間コンクリートを解体する場合には、単に土間部分だけの解体で済む場合と、そうでない場合とがあり、それによって費用が発生する内訳やその金額が変わってきます。どのような内訳にいくらの費用が記載されているかを確認することが大切です。
 解体費用の内訳については、こちらのコラムでも説明していますのでご一読ください。

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どこから手を付けたらいい? 解体工事の進め方

土間コンクリートの解体費用を安くするためのポイント

 土間コンクリートを撤去するための単価は、その厚さや鉄筋の有無などによって変わってきます。
 解体費用を安くするためには、業者選びや見積り内容の比較検討などを、広い視野をもって行うことが大切になります。
 業者の選択では、費用だけにこだわって選んだ業者が、近隣の方々への対応が行き届かなく、トラブルを引き起こすことがあるかもしれません。そうなると工期の延長や、そのフォローのための労力がかかり、かえって高いものになる可能性があります。工事がスムーズにいくかどうかは、どのような業者を選ぶかに大きく影響を受けます。そのため、複数の業者をあたって相見積りを取ること、費用だけでなく施主様の立場になって細やかな対応を迅速にとってくれる業者を選ぶことが重要です。
 また工事では、その後の土地がどのように使われるかを考えておくことが大切です。土間コンクリート撤去では、整地までは行いません。整地をする場合は、別に費用が発生します。そのため整地しないでいると、その後に土地活用する際、整地が必要になります。後から改めて整地をすると、かえって割高になることがあります。できれば、その後の土地の活用などを考え併せて判断することが必要です。
 マトイでは、施主様の土地活用のお考えを伺い、それに沿った整地もご提案しています。漠然としたプランでもかまいませんので、考えを聞かせていただいています。また、すぐに解体を行う方でなくても、解体のプランを立てる際にわからないことや迷うこと等のご相談も受けていますので、お気軽にお知らせください。
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まとめ

 昔から続いている土間のある生活は、現代では土間コンクリートに引き継がれてさまざまな生活空間に活用されています。ある人は、庭とリビングの間にシャワーを付けた土間を造りました。愛犬が庭で遊んだり、散歩から帰ってきたりした際に、すぐに足を洗ってリビングに入れるようにするためだそうです。マトイでは、そんなお一人おひとりの希望を形にするお手伝いをさせていただいています。
 土でできた土間がそうであったように、土間コンクリートも”一生もの”にもなりうる存在です。そうであるためには、施工も解体も確かな技術をもった職人と業者のタッグが必要です。私たちマトイもそうやって、施主様が満足のいく生活空間を造り上げるお手伝いをしています。どうぞ、いつでもお声をかけてください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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