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解体工事の騒音がクレームにならないために

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 解体工事や建築工事に際して施主様が気にされることの1つに「騒音」があります。これは、ご近所の皆さんにご迷惑をかけてしまうためです。私たち業者も、その配慮は着工前から十分に心掛けています。ご近所の皆さんへのご迷惑を最小限にすることはもちろん、その配慮こそが工事を円滑に進めるためにも大切なことだからです。
 今回は、解体工事を検討している方、これから解体工事を控えている方に向けて、解体工事における騒音とその対策について説明します。

解体工事に際して知っておきたい「騒音規制法」

 騒音といっても、大きさやその音の種類の違い、そして個人的な感覚が大きく関係してきます。まずは、「騒音」とは世間でどのようなものとしてとらえられているのかを見ていきたいと思います。

そもそも騒音とは?

 騒音を国語辞書で調べると、次のような説明が書かれています。
「耳にうるさく感じる音」
「振動数が不規則で不愉快に感じる音」
「やかましい音」
ただ、これも抽象的な表現ですね。
 例えば、ヘヴィメタルなロック音楽も好きな人にはたまならないものでしょうし、そうでない人にとってはまさに騒音に近い印象を受けるでしょう。多くの人が秋になったことを感じる虫の音は、日本人にみられる感覚であって、欧米の人々で同じように虫の音に季節感や風流を感じる人は少ないと聞きます。
 このように個人やお国柄によって快・不快がわかれる音の捉え方ですが、工事によって起こる音に対しては、それに関係なく多くの人が不快感を覚えます。

騒音を生み出しているものはなに?

 では、工事によって引き起こされる騒音、とくに解体工事の場合は、どのようなことで生み出されているのでしょうか。さまざまな作業が行われる解体工事のなかで発生する音を生み出しているものは、「はつり工事」や「重機」を使用するものがあります。
 はつり工事とは、コンクリートやアスファルトなどを削ったり切断したりする工事ですが、これは解体作業や建築作業には必ずと言っていいほど含まれている作業です。このはつり作業を行う際にも、屋根を取り外したり柱を切り取ったりといったさまざまな作業で重機を使用します。それによっても騒音が発生します。そのために解体工事や建築工事において騒音は避けて通れないものなのです。
 なお、はつり工事についてはこちらのコラムで詳しく説明しています。解体工事の内容をご理解いただく際に、こちらもお読みいただくと役立つものと思います。

解体工事の騒音がクレームにならないために

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はつり工事について。段取りや注意点を細かく解説します。

知っておきたい騒音規制法と区域によって異なる騒音の基準

 工事において騒音は避けて通れないもの、と書きました。しかし、だからといって無秩序に騒音を立てているわけではありません。国では、建設工事や事業活動によって発生する騒音を規制する法律「騒音規制法」を作って、人々の健康の保護にあたっており、私たち業者もこの法律に従って工事を進めているのです。

騒音規制法とは

 この法律は前項で触れたように、工事や工場などの事業活動によって発生する騒音を規制し、その周辺で暮らす人々の生活環境と健康を守ることを目的としています。
 どのようなものに規制を加えているかというと、「騒音の大きさ」、「作業時間帯」、「日数・曜日」などです。さらに規制をかける地域を「第1号区域」「第2号区域」に分け、それぞれの区域の特質に応じて規制内容を変えています。

規制内容は区域によって異なる

 「第1号区域」とは、両行は住居環境のために、とくに静穏の保持を必要とする区域および、学校・保育所・病院・診療所・図書館・特別養護老人ホームの敷地の周囲およそ80m区域内とされています。
 「第2号区域」は、第1号に挙げられる区域以外の場所で、工業地域や工業専門地域を指しています。この1号区域と2号区域の規制内容は表のようになります。

規制の種類 第1号区域 第2号区域
騒音の大きさ 敷地境界で85dBを越えない 敷地境界で85dBを越えない
作業時間帯 午後7時~午前7時には行わない 午後10時~午前6時には行わない
作業期間 1日あたり10時間以内、連続6日以内 1日あたり14時間以内、連続6日以内
作業日 日曜日、その他の休日は行わない 日曜日、その他の休日は行わない

 

騒音の対処の方

 工事に際しては、施主様・業者・工事現場の周辺に暮らす方々の3者がかかわってきます。
 騒音対策や騒音に対する対処はこのなかの誰か1人が行うようなものではなく、それぞれの立場に応じた対処が必要になってきます。

解体業者が行う騒音対策

 私たち解体業者が行っている工事における騒音の対処は、まずはいかに騒音を抑えるか、という点に注力しています。そのためには、現場の状況に応じて以下のようなさまざまな対策を取っています。

工事着工に際して近隣の家々に挨拶回りをする

 着工前に、近隣の方々へ挨拶回りを行います。この際、工事を行うこと、工事はどのくらいの期間がかかるか、工事の内容、なんらかの際の連絡先などを文書も準備したうえでお会いして説明します。これは工事全般を円滑に進めるためにとても大切なことです。
 ご挨拶によって、騒音や振動など工事によって引き起こされる近隣の方々にとっては迷惑となるような事態に対して、「お互い様だから何とか我慢しましょう」と思えたり、逆にわずかなことでもクレームに発展したりします。まずは施主様ももちろんですが、私たち業者も近隣の方々に工事に対するご理解をいただき、工事中も気持ちのよい関係を築けるように心がけています。その一歩となるのが、挨拶回りです。
 なお、挨拶回りの詳細については、こちらのコラムで取り上げています。どうぞ、ご一読なさってください。

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解体工事とその後の生活をスムーズにする“挨拶回り”

現場の養生をしっかり行う

 防音対策の1つに養生を行うことがあります。養生とは養生シートで現場を囲むことです。マトイでは養生シートはすべての現場で設置していますが、実は養生シートの設置は義務ではありません。そのため、業者によっては養生を行わないで解体作業を進めることもあるようです。しかし、養生シートを設置することで、工事に伴う騒音が外部に漏れにくくなります。
 養生を行わないと解体工事で発生する騒音が完全に外部に筒抜けになってしまいます。それだけでなく、ほこりや細かい瓦礫なども周辺に飛び散ってしまいます。養生をしっかり行うことで、完全とはいえないまでも騒音や粉塵による周辺への影響を減らすことができ、対策としてはとても重要なものです。
 養生は解体工事の最初に始める作業です。養生をはじめとした解体作業の流れなどは、こちらのコラムで説明していますので、ご一読なさってください。

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どこから手を付けたらいい? 解体工事の進め方

隣家と接する部分の工事は手こわしで行う

 解体工事現場の隣の家は、養生が施されているといってもやはり他の家よりも音は大きくなります。そんなとき、隣家と現場が接する部分では、重機の使用を避けて、人の手作業による手こわしで作業を進めることがあります。解体部分の周辺環境に応じて、手作業を中心に丁寧に解体を進めることによって、騒音は重機を使う時よりは少なくできます。
 隣家と接する場所として挙がってくるものは、フェンスやブロック塀などの隣家との仕切りとなっているものが多くみられます。簡単な作りのものなら騒音も少ないのですが、フェンスを支えている部分のコンクリートやブロックやレンガなどを使っている場合は、やはり作業時の音も大きくなってしまいます。フェンスの解体・撤去についてはこちらのコラムをご覧ください。

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フェンスの解体・撤去はどのように行われる? 施主が知っておきたいこと

重機を低騒音型のものを使用する

 解体工事ではさまざまな重機を用います。それらの重機が発する音やその作業によって起こる音が騒音も生み出しています。最近では、重機が発する音をできるだけ抑えた低騒音型のものが開発されてきています。また重機を操作するオペレーターのスキルによっても騒音の程度は大きく変わってきています。
 なお、重機に関しては騒音や振動も含めて、こちらのコラムで説明していますのでご覧ください。

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解体で使用する重機はどんなもの? 安全対策、音の対策についても

騒音規制を順守する

 騒音を完璧にゼロにすることはできないものの、工事現場近隣の皆さんへのご迷惑を可能な限り抑えるために、騒音規制を守って作業を進めます。騒音の規制については、前項の「知っておきたい騒音規制法と区域によって異なる騒音の基準」をご覧ください。

施主様が行う騒音対策

 次に、騒音に対して施主様ができることについて説明します。これについては、近隣の方々との関係性もあるので、判断に迷うような場合は工事の現場責任者や業者の営業担当者にご相談ください。

工事に際して近隣に挨拶回りを行う

 これは前項の業者の対応でも説明したとおりです。パターンとして施主様と業者が一緒に挨拶回りを行うものと、業者だけで行うものがあります。業者としてはいずれのパターンでも対応可能です。
 施主様が一緒に挨拶回りを行うかどうかは、施主様が現場の遠方にお住まいの場合や近隣の方々との関係性などによって、どのようにするかを検討します。

工事中、現場に立ち寄る際に会った近隣の人たちに挨拶を行う

 解体工事中、施主様が進捗状況などを見に工事現場に立ち寄ることがあります。また、解体工事中の仮住まいが現場の近くである場合もあります。
 そのような際、近隣の方々と施主様が顔を合わせたときには「解体工事でご迷惑をおかけしています」と、声を掛けてみましょう。先方に施主様の誠意が伝わって、よりよい関係性が保てるはずです。

立場を変えて騒音を受けた際の対策

 もちろん、騒音等の工事の影響を受ける近隣の方々が、騒音等が気になる場合にどうしたらよいか、ということも考える必要があります。

後々のお付き合いにわだかまりが残らない方法を考える

 乳幼児がいらっしゃるお宅や在宅ワークで集中したい方などは、より騒音は気になるものです。
 そのような場合は、挨拶回りの際にお渡しする文書などに記載されている連絡先に、連絡を取ることもあるかもしれません。大切なことは、後々のご近所付き合いに影響を与えない方法を取ることです。

騒音の大きさや時間帯などを伝え、対策を相談する

 もしも、騒音が我慢の範疇を越えるようなことがある場合は、挨拶回りの際にお渡しする文書に記載されている連絡先に連絡して相談してみてください。その際、騒音の大きさ、困る時間帯などを伝えると、具体的な対策を取りやすくなるでしょう。

短い時間の我慢、「お互い様」の意識をもって余裕のある対応を取る

 工事は大体1~2週間程度で終了し、大きな音が出るのはその中の数日のみであることが多いです。
 住宅の解体工事や建築工事等は、立場が変わって次はご自身が施主様になる可能性もあることです。できれば「お互い様」といった余裕のある対応を取っていただけるとありがたいです。

【マトイの騒音対策】
 マトイでは、工事における騒音に対しては、なによりも基本的なことを大切にして、丁寧に仕事をしています。具体的には、
① 事前の近隣の方々へのご挨拶に際して、丁寧に説明を行うこと、
② もし、近隣の皆様のご都合や地域の活動などで、工事による支障が考えられる場合は日程の調整を行うこと、
③ 工事期間中の12:00~13:00は必ず工事を中止すること、などです。
 これらを徹底することで、工事現場の近隣の皆様からも好意的なお声をいただいています。マトイでは、工事の進捗や施主様との関係はもちろんですが、地域の皆様とのよりよい関係作りも心がけています。

まとめ

 工事中の騒音等は、施主様・業者・近隣の方々の3者に関係してきます。3者の関係性がよいものであり、互いに思いやり合えるものであればクリアできるものです。
 そのためには施主様や近隣の方々も、騒音に関する法律などの知識をもつことも大切です。そして業者の選択がなにより大切と言えます。このコラム内でも触れていますが、業者の近隣の方々への丁寧な説明、日常の挨拶などの声掛け、そして誠意のある態度が、近隣の方々の工事に対する理解や印象を柔軟にするものと、私たちマトイはこれまでの経験から感じています。
 どうぞ、解体工事等を検討の際は、十分に業者の選択を吟味して行ってください。どのような業者を選択するかによって、施主様はもちろん、近隣の方々のご理解やご協力も変わり、工事の進捗も違ってきます。
なお、ご不明の点や、ご相談などについて、マトイではご依頼の有無にかかわらずいつでもお受けしています。どうぞ、お気軽にお声掛けください。
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記事の監修

株式会社マトイ 営業担当菅野(かんの)

株式会社マトイ営業部の菅野です。コラムの監修をしております。
実際に仕事の中で経験したこと、調べてより勉強になったこと、両方を読んでくださる皆さまと共有できたらと思っています。
解体は初めてのご経験という方、とても多いのではないでしょうか。
ご不明な点やご要望、疑問に思われていることはございませんか。
どんな些細なことでも丁寧にお答えいたします。お気軽にお問い合せください。

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